目指せありふれた穏やかで幸せな日常!〜非日常系の女子達を添えて〜ねぇ、なんでスペシャルしか来てくれないの?俺はノーマルで良いんです!!
第51話 もしそんなんだったら、とっくに彼女とかできてたっての!!
第51話 もしそんなんだったら、とっくに彼女とかできてたっての!!
「というか、これって答えになってる?」
満面の笑みを浮かべている四之宮に気になって聞いてみる。
よくよく考えたらこれって告白の返しになってんのか?
なってねぇのか?
よくわかんねぇ。
「ん〜・・・なってる、という事にします!」
いや、それで良いのかよ。
「いや、それで良いのかよ。」
あ、思わず心の声が漏れた。
「はい!今はそれで良いです!!」
あ、そうですか。
さて、んじゃ戻るかね。
俺は立ち上がりドアに向かって進もうとした。
ぐいっ
突然後ろから肩を引っ張られた。
「おわっ!?なんだ四之み」
「ん・・・」
言葉が止められる。
至近距離に目を閉じた状態の四之宮。
いや、これ、って・・・
「・・・ふふふ。隙あり!いえ、この場合キスあり!ですかね。」
「お前なぁ・・・」
真っ赤な顔してにししと笑う四之宮。
こんな表情の四之宮ははじめて見る。
目が離せない。
何故か胸が一つ跳ねた。
「だって!結城先輩だってもうしているでしょうし、八田さん達なんてもっと凄いことしてるじゃないですか!!ズルいですっ!!」
「いや、ズルいって四之宮お前・・・」
そういう問題じゃねーだろ。
もっとこう・・・なんつーか、雰囲気とかあるんじゃねーの?しらんけど。
「良いんです!私が納得してれば!!あ、それと私もちゃんと名前で呼んで下さい!一応、零士さんの側に居る資格を得たんですから!!」
資格?
んな大層な事でもねぇだろ。
まあ、とはいえ、俺も助けてくれって言っちまったしなぁ。
さっきまでの悪戯な笑顔から一転、今度はぷんすかしてやがる四之宮。
ころころと変わる表情。
何故か目が離せねぇ。
・・・ま、いっか!
「分かった。じゃあ美奈、下行くぞ?」
「はいっ!!」
俺達は雪羅達が待つリビングに向かうのだった。
「・・・あっはっは!さっすが零ちゃん!!どこ行ってもぜ〜んぜん変わんないし!!」
舞さんのでっけぇ笑い声なんかが聞こえる。
・・・なんだか、入りづれぇなコレ。
ミルめ!
何を言いやがった!?
「ほら!行きますよ零士さん!!」
「あ、おい!?押すな四之宮!!」
思わず立ち止まった俺の背を四之宮が押す。
「あ!?呼び方が違う!!零士さん!!」
「あ、悪い悪い・・・て、だから押すなって美奈!?」
無情にガチャっと音を立てて開けられるリビングへ通じるドア。
集まる視線。
そこにある表情は・・・どいつもこいつも困ったヤツを見る目だ。
「・・・んだよ?」
「あら零士くん。別に?ちょっとあなたの異世界での素行をミルさんから聞いていただけよ?」
琥珀さんの言葉に確信を深める。
やっぱか!!
俺はじろりとミルを見る。
「ミル、何を言いやがった?」
「べっつにぃ?レージがいっつも馬鹿やってヴェルゼと喧嘩になった事とか、その逆とか、そんなあなた達を私が叱っていたこととか、後は無自覚に女の子に気を持たせるクセに、本人はとんとその気持ちには気がついていなかった事とかを話してただけですけど〜?」
「はぁ!?何言ってやがる!!ヴェルゼの野郎といつも喧嘩してたのは百歩譲って合ってるが、誰が女に気を持たせてたって!?冗談じゃねぇ!俺はそんな軟派野郎じゃ断じてねぇ!!言っとくがなぁ!!俺はこれまで告白された事なんかほとんどねぇんだぞ!!」
もしそんなんだったら、とっくに彼女とかできてたっての!!
しかし、俺がそう言った瞬間、室内の温度が一気に下がった・・・気がした。
そして圧倒的なジト目の集中攻撃。
思わず背筋がブルっちまう。
「あの・・・なんすか?」
「零士。おどれ本気で言っとるんか?死にたいんか?処すか?」
「レージ。一回頭空っぽになるまでしてみる?悟り開いてみる?」
雪羅さん、冷気をぶつけるのはやめて下さい。
凍えてしまいます。
それと死にたくありません。
処さないで下さい。
夜夢さん?
座った目で股間を見るのはやめて下さい。
思わず縮こまってしまいます。
それに、それで頭空っぽになったら戻ってこれる気がしません。
「零ちゃ〜ん?もし本気で言ってるんなら、監禁して耳元でず〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと愛を囁いてあげるよ〜?寝ても覚めてもずっと頭に残るくらいにず〜〜〜〜〜〜っと。」
「私、ちゃんとあなたに気持ちを伝えた筈なんだけど?胸の中で泣かせてあげた筈なんだけど?」
舞さん、勘弁して下さい。
多分、気が狂う。
この人、本当にやりかねないし!
琥珀さん、何暴露してくれちゃってんの?
それ、トップシークレットだよ?
良い歳して泣いちゃったの言わないでくれません?
「零士、安心する。ちゃんと私の気持ちを忘れないようにあなたに刺青を入れるから。こう見えて私は、刺青を入れる技術がある。腕にする?胸にする?背中にする?」
「零士さん!!私さっき告白したばっかりなんだけど!?酷い!!」
かすみさんや。
刺青は入れません。
銭湯や温泉に入れなくなってしまいます。
というか、愛の言葉を刺青ってのはきつい。
恥ずか死する。
四之み・・・美奈はほんとごめん。
今さっきだったな。
マジ、ごめん!!
「ほら見なさい。私は何も間違った事、言ってないじゃない。」
「うっせぇ!!」
呆れた顔をしたミルに思わず怒鳴る。
元はと言えばお前がなぁ!!
「そんな事より、」
そんな事!?
全然そんな事じゃありませんよあなた!!
こちとら、まだ怖い視線が集中してるんだってばよ!!
「ミナ、ちゃんと言えたのね?」
「はいっ!ありがとうございましたミルさん!!」
「あら?じゃあ受け入れてもらえたのね?」
「はいっ!!」
そんな俺を放っておいて、美奈とミルが抱擁を交わしている。
そして更にきつくなる視線。
俺は視線をみんなからズラして、思わず頭をかく。
「あ〜・・・なんつ〜か、さっき美奈から気持ちを伝えられた。俺はそれを受け入れた・・・つもりだ。その・・・みんなと、同じって事だ。」
「「「「「・・・」」」」」
無言。
圧倒的無言。
怖い!
どうなっちゃうの俺!?
俺は恐る恐る雪羅達を見る。
そこには・・・
「ま、ええんちゃう?ここまで来たら。」
「そうなると思っていたもの。」
「ん〜?仕方がないな〜。じゃ、夜夢ちゃんとも仲良くしようね〜?」
「ん。これからは業務外はかすみで良い。私も美奈と呼ぶ。」
「あとで私とお話しようね〜美奈ちゃん?大事な事を話す必要があるからね〜?」
苦笑いでそう言う皆様が。
あれ?
そんな簡単に?
もっと文句言われると思ったんだが・・・
はぁ、とミルがため息をついた。
そして一言。
「だからあなたは
「どういう意味だコラァァァ!!」
ミル!
人の名前を含んで使うな!!
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