第49話 私、話があって来ました!!
「ちょ!?お、おいそこにいるのはミルか!?なんでここに!?」
「はーいレイジ、久しぶりね。その様子だと元気そうで良かったわ。」
慌てて玄関まで走って行き、ドアを開けると、そこにはやはりあの異世界で共に戦った聖女のエルフであるミルが居た。
いや、なんだこれ!?
あの馬鹿女神何を考えていやがる!?
「ご主人様、お知り合いでしょうか?」
「また綺麗な女の人・・・零士くんったら、あとどれくらいの女性関係を隠しているのかしら?困った人だわ。」
後から来た雪羅と琥珀さんがそんな事を言っているが、俺にとってはそれどころじゃない!
「あらあら・・・レイジったら、相変わらずのようねぇ。ミナも大変だったでしょう?」
「う・・・」
そんな俺の様子を見てか、ミルがそう呆れたように呟き、四之宮が顔をしかめている。
なんだ相変わらずって!!
こう見えてそこそこ背も伸びたんだぞ!!
失敬な奴だぜまったく!!
「またなんかズレた事考えてそうね。まったく、あなたといいヴェルゼといい、なんで男ってのはこうなのかしら?」
「・・・同意しか無いなぁ・・・」
ミルも四之宮もうるさいですよ!!
「ん〜?みんなど〜したの〜?・・・って、ふぇ!?せーじょ!?なんでこっちの世界に!?」
っと、夜夢まで来たみてーだな。
「あら?あなたは・・・!?この魔力・・・あなた、レイジが助けたあのサキュバスの子供・・・?色々大きく・・・大きく・・・殺意が湧いてくるわね。レイジに。」
「!?」
なんかミルが闇を纏ってるんだが!?
聖女なのに!?
怖ぁ!!
と、とりあえず、積もる話もあるし、リビングにでも・・・
「零士さん!私、話があって来ました!!」
んお!?四之宮?
いきなりどした!?
「お、おお。いや、だからリビングで話を、」
「その前に私と二人で話をしてください!!あなたに伝えたい事がありますっ!!」
おわっ!?
な、なんだかえらい気合入ってね〜か四之宮?
「・・・はぁ。」
「あら・・・」
「へぇ・・・」
「ファイトよミナ!レイジ!しっかりとミナの話を聞くのよ!!良いわね!!」
雪羅が顔をしかめ、琥珀さんは少し驚いた顔をしている、そして、夜夢は不敵な表情だ。
んで、ミルはなんでこんなテンションあがってんだよ・・・ま、いっか。
「わ〜ったよ。んじゃ、四之宮は俺の部屋で話すか。あ〜・・・夜夢、一応、お前はミルと面識あるだろうから、リビングで、」
「ん〜?なにこれ?あ、みんなたっだいま〜!って知らない人がいるねぇ?」
「ただいま。・・・私が、知らない女?零士、その人は誰?」
あ、舞さんとかすみさんも帰って来たか。
ちょうどいいや。
「おかえり二人とも。そこにいるのは、俺と四之宮が異世界で世話になった聖女のミルだ。詳しくはまだ聞いてねぇが、なんか、四之宮が俺と話があるらしいから、ちょっと先に俺の部屋で聞いてくる。その間にリビングで自己紹介とかしといて欲しいんだが。」
「・・・異世界?」
「聖女・・・」
二人が怪訝そうな顔をするが本当の事だ。
「詳しくは夜夢から聞いてくれ。んじゃ、行くぞ四之宮?」
「はいっ!!」
何をそんなに気合入れてんのかねぇ?
ま、良いけど。
にしても、気まずくならずにすんで良かったぜ。
さて、部屋に入って四之宮と二人。
四之宮はえらく緊張した様子を見せている。
今はお互いにカーペットの上にクッションを敷いて向き合いながら座っているんだが・・・正座の四之宮に思わずこちらも正座になる。
いったい、なんだろうなぁ?
見当もつかねぇが・・・
「まずは、零士さん・・・今日はすみませんでした。」
「お?お、おお!つ〜か謝る事ね〜さ!すまんが謝られる覚えがねぇ。正直、なんであの時四之宮が泣いたかまだわかんねぇんだよ。みんなは分かってるっぽいんだが・・・察しが悪くてすまねぇ。」
「いえ、零士さんは悪くありません!悪いのは・・・私ですから・・・」
そう言われてもなぁ・・・
「まぁ、良いや。んじゃ、全部水に流して、今日の事は無かった事に、」
「それは駄目です!」
え〜〜〜っ!?
んじゃどうすりゃ良いんだってばよ!?
「無かった事にされたら困ります!私はもう覚悟を決めてきたんですから!!」
覚悟・・・覚悟、ねぇ?
俺、まだあいつらに言われた事さえ答え出てねぇんだが。
しかし、毅然とした表情を四之宮を前にしたらそんな言葉も吹っ飛んだ。
強い眼差しで俺の目を真剣に見つめる四之宮。
お互いに正座で向き合っているわけだが、そのピンとした姿勢は緊張感に満ちている。
そんな四之宮を目を見開いて見る。
よくわかんねぇ世界に突然召喚されて、わけもわからず戦わなければならなくて泣いていた女の子がなぁ・・・
こんな大人びた表情を見せるとは。
今の四之宮を見て、子供だとは言えねぇかもな。
立派な大人だ。
大人の女だな。
よっしゃ!
ここは腹くくって聞くか!!
金の相談とかならある程度なんとかなるし、力のいるトラブルならまぁ、どうとでもなる。
どんと来い!!
「分かった。聞くよ。」
「はい!零士さん!私は・・・私はあなたが・・・好きです!!」
ふぇ?
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