第30話 全然意味わかんねーんすけど!?

 とりあえず、部員+教員による謎の折檻を無事乗り切り(耐えるとも言う)、その後は初日という事で、今後の活動方針や取り組みのスタンスを話し合う事になった。

 結論として、


・部活への出席は強制しない

・活動報告は持ち回りとし、月交代で作成・提出する

・念のため、提出前に隠岐先生の確認を受ける

(色々な面で危険がある記述をしないため)

・提出は先生のチェックと修正期間を鑑み、毎月25日までとする


となった。


 とりあえず、今月は会長である俺が作成する事となる。


 面倒だけど仕方がない。


 まぁ、適当になんとかするだろ。

 というか、正直どうとでもなるし?


 祓魔師的な観点で霊、妖怪、神についてのレポートでも良いし、異世界の魔物なんかを含めた外国の伝承上の生き物についてでも良い。

 引き出しはいっぱいあるのだ。


 まぁ、部活特有の活動(俺たちは同好会だが)としてのイベントはこの学校は強制参加だから、そこは矢面に出ないといかんがな。

 今からメンドい。


 ちなみに、今月は6月だ。

 6月は特にイベントは無い。

 

 だから活動もなぁなぁでいける。

 俺もなぁなぁで行く・・・つもりだ。

 こいつらが許してくれたらな。


 特に暁月と先輩。

 四之宮は多分大丈夫だ。

 こいつは結構要領がいいところもあるし。

 

 といっても、俺自身は体育祭や文化祭なんかもたいして張り切るつもりはねぇんだけど。

 強いて言えば、この学校は体育祭の時に同好会を含めた部活動の対抗競技が多いってくらいだから、そんときに暁月や先輩が張り切らなきゃいいけどとは思っているがな。


 暁月は勝負事好きだし、勝ち負けに拘る性格をしてるし、先輩もその傾向がありそうだし。


 俺? 

 俺は勝とうが負けようがどっちでも構わん。

 楽できるならそれでいい。


 一番いい成績を取った部活、もしくは同好会は、色々予算等を含めて活動面において学校側が配慮してくれはするが、そもそも俺たちの同好会にはそんな予算は必要ないしな。

 第一、その制度ができて以来、同好会が好成績を収めたってのは記録に無いって先輩が言ってた。

 人数が少ない部や同好会は、体育祭中、本来一人の部員に付き一回ある参加権を、何度か出られるようにして解決しているので、ハンデは一応あるのだが、それでも少人数はやはり厳しい。


 いや、そもそも、運動なんかに自信があれば普通は運動部に入るし、だいたい運動部は部員数が多い。

 選手層は厚いのだ。


 ま、どうでもいいか。


 そうこうしている内に初日は終了。

 そして、この後は隠岐先生が俺の家に来る事になっている。

 隠岐先生以外の3人(雪羅と夜夢は省く)も俺の家に来たがったが、それぞれ諦めたようだ。


 暁月と四之宮は今日おふくろさんが夜まで出かけているらしく、家事をやらないといけないそうで、先輩は生徒会に顔を出してから帰るようだ。


 三人ともに悔しそうな顔をしていた。


 なんでかねぇ?

 もう色々バレてるし、来たけりゃいつでも来りゃいいだけなのにな。


 というわけで俺と雪羅、夜夢は先に帰宅し、隠岐先生は仕事を終えたら来るそうだ。

 その頃には舞さんもう帰ってるかねぇ?












 ピンポーン!

 

 夕飯を終え、リビングでまったりしているとチャイムが鳴った。

 おそらく先生だ。


 結局、舞さんは俺たちに30分ほど遅れて帰宅した。

 

 帰宅後、すぐにみんなで食事を取り、雪羅は洗い物、夜夢は干していた洗濯物を畳んだりしていた。

 舞さんは引っ越し作業がまだ最低限しか終わっていなかったので、ダンボールの開封と設置をしている。

 俺は何もしていない。

 

 おいそこ!

 駄目人間とか言うなよ!

 だって俺が家事を手伝うと二人共怒るんだぜ?

 

 だから俺は悪くない!!


 っと、そんな事はさておき、

 

「お疲れ様です隠岐先生。」

「ありがと。」


 隠岐先生のお出迎えをする。

 曲がりなりにも、先生だからな。


 この家の家長・・・所有者?よくわからんが、代表としての義務を果たす。


 リビングに先生を案内して、雪羅に舞さんを呼びに行って貰う。


 少しして、舞さん達がリビングに入って来た。


「お久しぶりー!隠岐せんせー。」

「・・・やはり、か。久しぶり、桐谷。」


 ん?

 何がやはりなんだ?


「私に会いたかったんだって〜?何か用事でもあったの〜?それとも〜、?」

「・・・っ!!桐谷は相変わらず。」


 見定める?

 何をだ?


「う〜ん・・・隠岐せんせ?ちょっと私の部屋で話そ?二人で。」

「・・・願ってもない。」


 そうして連れ立ってリビングを出ていく舞さんと隠岐先生。


「・・・どういうこった?」

「「さぁ?」」


 雪羅と夜夢に聞くも、二人も首を傾げている。

 一体、なんだろうな・・・



 結局、舞さんと隠岐先生が戻ってきたのは、30分ほど話し込んだ後だった。

 そして、


「零ちゃん、それと雪羅ちゃんと夜夢ちゃんにお願いがあるんだけど〜、隠岐ちゃんもここに住まわせてあげてくれない?」

「「「はぁ!?」」」


 何がどうなったらそうなるんすかね舞さん!?

 全然意味わかんねーんすけど!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る