第20話 やだ!?乱暴はやめて〜!?
「「・・・」」
「「・・・」」
あ〜、なんだよこの雰囲気は!!
無言で睨み合う四人を前に俺は頭を抱える。
つーかさ〜?
なんで雪羅と夜夢はこの事知ってるわけ?
確かにあの時、この二人はあの場から離れた筈だ。
となると考えられるのは・・・
「・・・夜夢、お前、影の中から盗み聞きしてたな?」
「・・・ふひ♡」
やっぱり。
一見立ち去ったと見せかけて、物陰で影に潜み、そのまま俺の影に【影移動】しやがったんだな?
俺とのパスがあって初めて出来る裏技だな。
しっかし、そうすっとこれ、今後夜夢に隠し事はできねぇな。
ま、分かってればやりようはあるんだが。
にしても、このままこうしていても
「ま、とりあえず諦めろ暁月と四之宮。お前らがこの二人を嫌っているかどうかまで知らんが、絶対に諦めねぇぞコイツらは?」
「・・・仕方がないわね。」
「そうだね・・・」
「・・・」
「にっしっし♡」
ため息をつく暁月に四之宮。
そして済まし顔の雪羅とにやにやしている夜夢。
こうしていても目立つし、面倒事はさっさと終わらせてぇし。
「とにかく、早く顧問の先生をみつけるとしようぜ?あてはあるのか?」
「・・・ぜんぜん?とにかく聞いて回りましょうよ。失礼します。」
ぶっつけって事かよ。
相変わらずのくそ度胸だなこいつは。
かわんねぇな・・・昔はよく助けられたもんだしな。
俺にあれこれ言ってくる他の祓魔師たちにも食ってかかってくれたし。
少し、懐かしいな。
さて、けっかはっぴょ〜〜〜〜〜!!!
気になる顧問になってくれる教師は・・・・・・いません!!
どの教師も、俺たちのメンツに驚きは見せるものの、既に顧問になってて無理だって断られた。
どうすんだこれ?
流石に暁月も四之宮も気落ちしている。
雪羅と夜夢は気にしていなさそうだが。
まぁ、俺も特には残念にも思わないんだが・・・
「・・・はぁ、零士と一緒に活動できると思ったのに・・・」
「・・・うう、零士さんやお姉ちゃんと一緒の同好会・・・」
・・・ふむ。
なんとなく、嫌だな。
こいつらがこんな顔を見せるのは。
ぶっちゃけ、俺もどっちでも良いと思っていたが・・・気が変わった。
俺は、職員室を見回す。
そして、ある一点を見て、ニヤッと嗤った。
「まだ諦めるのは早いんじゃねぇか?後一人いるだろ?声かけていねぇ教師は。」
「え?嘘?もう全員声かけたでしょ?」
「零士さん、どの先生の事ですか?」
俺の言葉に、顔をあげる二人。
俺は一点を親指で示す。
「ほれ、あそこ。」
「え?どこ?」
「わかりません。誰もいないところですよね?」
くっくっく!
ところがどっこいって奴だ!
「まぁ、良いからついてこい。」
俺が歩き出すのに合わせて、顔を見合わせながらついてくる暁月と四之宮。
雪羅と夜夢はまったく表情を変えてない。
この二人は認識できているからな。
「ち〜っす。せんせ〜ちょっと良いっすか?」
「え?零士一体誰に・・・え!?」
「嘘!?気が付かなかった・・・」
俺が誰もいない職員室の一番奥の席に行き、その空間に話しかけると、二人は首を傾げ、そして、そこにいる人に驚いた。
「・・・良くない。一体、なんの用?」
そこに居たのは、腰まである長い黒髪をした陰気な感じの女。
ジトッとした恨みがましい目を俺に向けている。
「何言ってんすか、どうせ聞こえてたんでしょ?」
「・・・嫌。」
「ま〜、ま〜、そうは言わずに!頼んますよ、
「・・・」
変わらず俺を睨む隠岐先生。
「・・・隠岐、先生・・・?」
「初めて見た気がするんですが・・・」
ま、二人は気が付かないか。
なんせ、この隠岐先生はというと、
「ね?アレで上手く自分の存在を消している隠岐先生?あなたにうってつけの同好会だしいいじゃないですか?それとも・・・もう一度チャレンジしてみます?」
「・・・ちっ!教師を脅すとは、あなたろくな死に方をしない。できればこの手で殺してやりたい。でも・・・あなたにはまだ勝てない。」
「「!?」」
教師の隠岐の言葉に、暁月と四之宮は目を丸くする。
とても教師の言う事とは思えないからだ。
だが、この教師、隠岐かすみは普通じゃない。
俺はそれをよく知っている。
「頼んますよせんせ?顧問として名前と場所の手配だけで良いんすから。ね?」
「・・・仕方がない。弱者は強者に従うのみ。」
「そういうとこ好きっすよせんせ?」
「わたしはあなた、嫌い。いつか寝首を
「ど〜ぞど〜ぞ!出来るならいつでもどうぞ!」
「・・・首を洗って待っておけ。」
よし、顧問ゲット!
「「いやいやいや!」」
ん?どしたの二人共?
あ!?どこ連れてくの!?
やだ!乱暴はやめて〜!?
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