第17話 俺はどれだけ鬼畜だと思われてんだ!?

 いや〜持つべきものは生徒会長の友達だぜ!!


 これで昼は確実にのんびりできるっ!!

 これからどうするかって悩んでたからな〜。


 まぁ、なんか変な役職につけられたのは面倒だが、ま、本当に困った時だけだって話だし、なんとかなるだろ!


 とりあえず帰るか!


 意気揚々と校門に向かい学校を後に・・・


「零士!」

「零士さん!」

 

 ・・・あ。

 しまった。


「あんたどこ行ってたの!教室行ったら生徒会長とどこか行ったって聞いたから待ってたのよ!」

「そうです!どこ行ってたんです!?」


 おおふ。

 ズンズンと詰め寄ってくる暁月と四之宮。

 姉妹揃って仲が良い事!

 うんうん、仲良きことは美しき哉、ってそうじゃねぇ!


 やっべぇ、何かぷんすこしてねぇか?


「い、いや、ただ生徒会室で話しただけなんだが・・・」

「生徒会室?なんでよ!」

「別に、ただちょっと色々今後の事で・・・」

「今後!?こ、こ、こ、今後ってどういう事ですか!?」

「そ、そうよ!どういう事よ!!」

「おわっ!?」


 ちょ、おい!?

 なんでそんなに顔を寄せて来んだよ!?


 それになんで涙ぐんでるんだ!?


 も〜、俺意味わからん!!


「おい、噂は本当だったのか・・・?」

「あいつ、あの二人とあんなに仲良さげに・・・」


 おおいっ!?

 周囲の評価がおかしい!!

 これのどこが仲が良いんだってんだ!?

 明らかに俺が怒られてるだろうがっ!!


 しかもなんか理不尽なヤツ!!

 こんなん代わって欲しかったらいくらでも代わってやるっての!!


「ちょ、待て待て二人共!!話聞けって!!あ〜、と、とりあえず帰るぞ!な?」

「あ、ちょっと!?」

「きゃ!?れ、零士さん!?」


 とりあえず埒があかないから、暁月と四之宮と肩を組んでそのまま引きずっていく。


「うわっ!?あんな自然に肩を!?」

「マジかよ!?暁月さんも四之宮さんも抵抗してねぇぞ!?」


 なんだか知らんが、周囲のざわつきなんか無視だ!

 とりあえずここを離れねぇと!!











「・・・はぁ、ここまで来れば良いだろ。」

「「・・・」」


 とりあえず、公園まで来た。

 にしても、なんでこいつらこんなに静かなんだ?

 顔真っ赤だし、怒りが限界突破したんか?


 だとしたらやべぇな。

 こいつらが暴れたらこの辺が焦土になっちまう。


 なんとか落ち着かせねぇと。


「あ〜、暁月も四之宮も色々言いたいこともあるだろうが、とりあえず座らねぇか?」

「・・・わ、わかった。」

「はい・・・」


 ほっ。

 有無を言わさずバトルとは行かなかったようだな。

 肝が冷えたぜ。


「んで、なんであんな荒ぶってたんだよ?」

 

 とりあえずはきちんと聞いてみないとな。


「・・・あんた、生徒会長との今後ってな何よ?まさかあの人と・・・」

「ん?ああ、なんか生徒会長補佐とかって役職に付けって誘いがあっただけだ。」

「え?そ、それだけ・・・?」

「おん?そんだけだぞ?」

「そっか・・・良かったぁ・・・」


 何やら、暁月がホッとしてる。

 なんだか大げさだな。


 ん?

 でも、四之宮はまだ難しい顔をしているな。


「・・・零士さん、断ったんですよね?零士さんって面倒なの嫌いだし。」


 ああ、そういう事か。

 

「いや、受けたぞ?」

「「えっ!?」」


 なんでそんなに驚くの?

 俺ってどれだけ面倒くさがりだって思われてるの?

 そのうち、息しているだけでエラいって褒めてくれそうな感じ?


「な、なんで受けたのよ!?」

「そ、そうです!零士さんらしくないのに!」

「・・・お前らの中の俺の評価がどうなっているのか少し問い詰めたい気もするが、まぁ、それは置いておいて、甘いな二人共。勿論、俺にメリットがあるからに決まってるだろ?」

「メリット?メリットってなに?まさか・・・身体?」

「え!?そ、そんな・・・」


 こらこらこら、俺はどれだけ鬼畜だと思われてんだ!?


「んなわけねぇだろうがっ!!違げぇよ!ただ昼飯の時に生徒会室を使わせて貰うだけだっての!!」


 役職につくだけで身体請求する奴がいるか!!


「生徒会室?なんでそれで・・・あ、そういう事。」

「え?どういう事なのお姉ちゃん?」

「今日、あたしも零士もなんか知らないけど、他の生徒に詰め寄られて落ち着かなかったのよ。お互い逃げ回ってたからね。だからでしょ?」

「ああ、その通りだ。あれほどの面倒事はねぇぞ?」


 まぁ、原因はこいつらではあるんだがな。


 だが、どうやら納得してくれたようだ。

 ふぅ、なんだか知らないけど、怒りが収まって良かっ


「・・・待って下さい。ってことは、零士さんはいつも生徒会室でお昼を食べるって事ですか?」

「あ。」


 なんだかムスっとした四之宮と、ハッとした暁月。

 いや、そりゃそうだろ。


「まぁ、そのつもりだな。」

「「・・・」」


 ・・・なんだよ。

 なんでまたムッとしてんだ?


「・・・してやられたわね。」

「うん、敵ながらやるね。」


 敵?なんで敵?

 いや、なんの敵? 


「・・・ねぇ、美奈?ちょっと後で打ち合わせしない?」

「うん。これ、思ったよりも厳しいよ。協力しよっか。」

「ええ、しましょ。」


 なんの協力するつもりなんだ?

 ま、なんでもいいけどさ。


 俺にはそう関係はねぇだろ。

 

「つ〜わけで、俺はそろそろ帰る。早く帰んねぇと雪羅がキレそうだし。ただでさえ何やら怒ってたからな。」

「「・・・」」


 なんだよ?

 またムッとして。

 

 よくわかんぇなまったく。

 

 とりあえず、別れの挨拶をして俺は公園を後にした。


 さて、お姫様のご機嫌はどんなもんかねぇ?

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