目指せありふれた穏やかで幸せな日常！〜非日常系の女子達を添えて〜ねぇ、なんでスペシャルしか来てくれないの？俺はノーマルで良いんです！！

第11話 身の上話の終わりに

「うう･･･ひ、ひどい、ひどいわ･･･」

「酷いのはあんたよこの変態！好色祓魔師！！何その言葉遣い、気持ち悪い。」

　･･･ひでぇ、ボロクソじゃねぇか。

　好色祓魔師ってさぁ？

　別に俺悪くなくない？

　みんなで俺をボコボコにしといてそれはねーよなぁ？

　俺はゴミを見るような目で見下ろしている暁月達から視線を逸す。

　･･･雪羅は澄ました顔で、夜夢なんかあくびしてやがる！！

　誰のせいでこうなったと思ってんだコイツら！！

　めっ！しちゃうぞ！！

　お尻ペンペンだこらぁ！！

　おらぁ！ケツだぜ！！

　そんな不満いっぱいの視線を俺から受けたのに気がついた雪羅はこくりと頷いた。

　お？

　気がついちゃった？

　俺の不満に気がついちゃったの？

　流石は俺のメイド長だぜ！

　そこに痺れる！憧れる！！

「で、あなたがたは主様の事を知ってどうされるのです？見てのとおりだと思うのですが？」

　ビシッ！！

　一気に空気が重くなった。

　･･･え？

　何、この空気？

　今、雪羅そんな変な事言ったか？

　なんでこんなにみんなおこになってるの？

　すぐにキレちゃう若者なの？

　つ〜か･･･おいおい、普段優しげな四之宮や舞さんも青筋出てるんだけど？

　暁月と先輩なんか真剣な顔で睨んでいるんだけど？

　･･･美人が怒ると怖いねぇ。

　雰囲気あるわ〜。

　俺知ってる。

　だって、雪羅が怒る時めっちゃ怖いもん。

　いつも俺、内心ビクビクだもの。

　俺の方が強いのに、なんでだろうな？

「･･･別に？何も変わらないわ。あたしと零士の関係は子供の頃から何も変わらない。これまでも、これからも、何が立ち塞がろうが、ね。」

　よくわかんねぇな？

　暁月と俺の間柄？

　幼馴染って事だろ？

　そりゃ変わらねぇだろ。

　立ち塞がるって何が？

　妖怪とか？

「･･･お姉ちゃんの言うとおりですね。というか、油断してました。あの世界で散々経験してきた事だったのに。日和見では何も好転しないって。再会してから零士さんに言われたからって遠慮していたのが間違いでした。これから挽回します。」

　ん？

　俺が？

　どういう事だ？

　四之宮に何言ったっけ？

　卍解するの？

　大紅蓮◯輪丸！とか千本◯景厳！とかするの？

　超かっけぇ！！

「これほど後塵を拝しているとは夢にも思わなかったけれど、いえ、正直に言えば彼に好意を持つ者はいないと思っていたのだけれど、まさかのまさかだったわね。でもお生憎様。私、諦めが悪いのよ。」

　･･･いや、先輩酷すぎない？

　俺がみんなから嫌われてるって思ってたの？

　そりゃ出会い頭にパンツ見ちゃったのは悪かったけど、そこまで嫌われてたの？

　諦めないって賠償か何か？

　お金ならあるから訴訟は勘弁してくれません？

「ん〜？まぁ、でも、お姉ちゃん大人だからね〜。それくらいのハンデよゆ〜よゆ〜！ちゃ〜んと零ちゃんがお姉ちゃんから離れられないようにするから。逃がす気、ないから。」

　え”！？

　舞さん俺をどうする気！？

　ま、まさか常習性のある薬とかで一生金づるにするとか！？

　俺には状態異常耐性MAXのスキルがあるから大丈夫だと思うけど･･･舞さん天才だからなぁ･･･

　逃さないとか言ってるし･･･怖ぇぇ。

「そうですか。･･･ええ度胸や。なら、かかって来なはれ。零士はやらん。ウチのもんや。」

「にっしっし！夜夢ちゃんが独り占めするんだもんね〜♡無駄撃ちはさせないよ〜？」

　おいおい、お前らなぁ？

　話通じてるのかコレ？

　なんでそこに俺の進退が関係するんだっての！！

　そもそも雪羅、俺は俺のもんだろうがっ！！

　それに夜夢は何言ってんだ！！

　無駄撃ちとか･･･それ絶対シモネタだろ！！

　空気読めよこの頭お花畑が！！

　つ〜かみんな話聞いてくんない！？

　なんでお前らだけで話進めてんの！？

　俺の事なのに俺空気。

　ど〜なってんだコレ！？

「「「「負けない。」」」」

「ふん。」

「いひ♡」

　･･･ねぇ、なんでこんなに緊迫感があるの？

　さっきの夜夢のシモネタで俺の緊迫感吹っ飛んだんだけど？

　ちょっと皆さん？

　もしも〜し？

　聞こえてますか〜？

「零士うるさい。」

「あ、はい。」

　･･･俺の事じゃないの？

　なんで俺空気なの？

　ぐすん。

　結局、この日は、暁月達はそのまま帰っていった。

　それは良い。

　それは良いんだが･･･

「なぁ、何をそんなに怒ってんだよお前？」

「うっさいわ零士。そんなん、自分の胸に手ぇ当ててよう考えやこのド阿呆が！！」

　なんか知らんが、怒ってる雪羅と、

「うっふっふ〜♡鈍感クソ野郎のレージにはしっかりと”わからせ”してあげないとね〜♡」

「･･･ぐっ！夜夢お前口が悪りぃな！！わからせってなんの事だ！？」

「それがわからないから鈍感クソ野郎なんだよね〜。」

　何故か凄みのある笑顔の夜夢。

　そんな二人に代わる代わる夜戦をしかけられた。

「つ〜かもう勘弁してくれよ！明日も学校あるんだぞ！？」

「知らんわボケェ！」

「関係な〜い♡」

　いや、ちょ、もう勘弁してくれ！！

　痛いんだよもう！！

　あ、ちょ、やめ、やめて〜〜〜〜〜！！！！

　あ＿＿＿＿＿＿＿＿！！！

　この後もめちゃめちゃ夜戦した。

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第一章本編はこれで終わりです。

後は閑話を挟み、第二章となります。

いよいよ現状を知った彼女たちの攻勢が開始されます。

お楽しみに。