手紙



「お腹すいたー!早く食べよ」


リビングに向かい朝ごはんが置いてある机を見たら、ご飯だけじゃ無く白い紙が置いてあった


「ん?何これ、」


手に取り見てみるとそれは母さんからの手紙だった


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少し朝ご飯を作りすぎてしまいました 

残してくれて構いません

また一緒に朝ごはん食べようね

これからは無理のないように


• • • • • • • •



「母さん、」


そう言えばずっと一緒に食べてなかったな、

前までの自分を思い出すととても後悔し恥ずかしく思った。


「母さんに我慢ばっかさせて、母さんも辛いのに」


軽く自己嫌悪になりながらもルズは今出来ることを考えた


「そうだ僕も手紙を書こう!」


いつも絵ばっか描いて居たから手紙に何で書けば良いか分からないけど、

自分の気持ちを素直に書いてみた


「よしで、できた」


少しの恥ずかしさはあるが机の上を片付けて

さっき書いた手紙を置いた


「なんか緊張する、、」


見てもらいたいような、そうじゃないような

とてもむず痒い気持ちになった


「、、、ん?でも、パン屋って夜の9時に終わるから、、今待っててもしょうがないじゃん、」


「そうだ暇つぶしに絵を描こう、そうしたら

いつの間にかに時間すぎてるでしょ、」


自分の部屋に戻り何を描こうか迷っていると

また机の上に置いてあるニロさんの絵が目に入る


「やっぱりきれいだなぁ、何度も吸い込まれそう、この絵を描けるのはニロさんだけなんだろうなぁ」


「僕はとてもじゃ無いけどここまでは」


「あんなに楽しんで描いて居たからこんなにも自由にあの森を表現できたのかな、」


「あー、描いてるとこもっとみたいなー、

なんか、こう、技術を盗む、的な?」


顎に手を当ててポーズをとってみたが恥ずかしくてやめた


「何やってるんだろ僕、、、」


「でも確か昨日来ても良いって言ってくれてたよね、

で、でも大丈夫かなぁ、

自分から行くの恥ずかしすぎる、、


でも、考えてても仕方ない!

もう明日行くって言ってるし!

約束破りはダメだよね?うん、」


そう考えた時にはもう体は支度を始めて居た、


玄関に立ち思う


「僕ってこんなに早く動けたっけ、」


まあそんな事はどうでも良いと言わんばかりに家のドアを開けた


「あ、でも行く前に母さんに言わないと、」


家の隣に隣接しているパン屋コットンベーカリーにルズは向かった



カランとドアを開けた時、母さんの声が聞こえた


「いらっしゃいませってあれ?ルズ?どうしたの?なにかあった?」


「何かあった訳じゃ無いんだけど、

あのね、昨日会った絵描きさんに会おうと思って、行き方もわかると思うし、」


「そうだったんだね、あっ!なら少し待ってて!」


そして店の奥え消えていった


「あ、あれ?母さん?!」


そして一分も経たないうちに戻ってきた


「その人何が好きか分からないから取り敢えず

いっぱい入れといたよ!」


「え?良いの?!」


「良いのよ!ルズが笑顔になれるようになったのもきっとその人がずっとそばに居てくれたから、でしょ?その人によろしく伝えておいて」


ふふふと笑いながらパンの入った大きめの袋を持たせてくれた


「母さん、本当にありがと!いってきます!」


そしてルズは駆け足で店を出た


「いってらっしゃい、ルズ」












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