もう一度



「チャンス?」


「僕にもう一度絵を描かせて欲しいんです

自由に!」


「大丈夫なの?」


「はい、今なら、

本当ならお母さんを心配させたくなくて

離れるか考えてたんですけど

でも僕は絵を描きたい、大好きな絵を」


「そっか、」


「もうお父さんの言ったことの逆をして

はむかってみようかなぁって、だって気にして描いていたら楽しい事も楽しくないですしね!」


「ルズは強いなぁ、

よし!じゃ!もっかい描こう!」


「はい!」



それからニロさんと一緒に絵を描いた


その時間はとても楽しくて、はちゃめちゃで

前の僕が出来なかった事も今は出来る

一緒に絵の具をばら撒いたり、適当に描いたり


本当に時間を忘れて描いた。



「つ、疲れたー!」


「確かに疲れました!でもとても楽しかったです!」


「僕もだよ!」


一緒にはぁはぁと息を切らし横たわっていた


「そう言えばいまどれくらいだろ、」


そう言ったニロさんはカーテンからちらっと見て


「ル、ルズ大変だ、もう、夜だよ」


「え?!大変!母さん心配するだろうなぁ、」


「ルズ家まで送るよ!」


「でも!」


「大丈夫!夜だし!フード被るから!

後ちょっと待ってて!」


ニロさんが何かを書いて僕に渡した


「これここの家に来るための地図!」


「いいんですか?」


「ルズだから渡すんだよ!じゃあ本当に暗いから行こうか!」


「あっ、お手数ですけどよろしくお願いします!」


「もう何今さらかしこまってんの?もう友達でしょ?」


「うん、じゃあよろしくね?」


「よし!忘れ物ない?」


「はい!」


「それじゃ!行くぞ!」


「おー!」



そして僕達はニロさんの家を出て僕の家がある町に向かった



帰りの道中二人は雑談をしていた


「ニロさん、」


「ん?どうした?」


「ニロさんの事、僕の師匠にしても良いですか?」


「師匠?、師匠か、良いねなんかかっこいいし!だったらルズは僕の弟子だね!」


「これからよろしくお願いします!師匠!」


「はは!なんだそれ!」


「あっここって噴水広場もうこんなとこまで、」


「あっ!そうだ!ちょっとまってて!」


ニロさんは急に走り出し噴水の近くに置いてある絵を取った


「はい!これあげるね」


「え、え!?いいんですか?」


「ルズに持ってて欲しいんだ、気に入ってくれてたみたいだしね?」


「ありがとう!すごく嬉しいよ!」


「喜んでもらえてよかった!」


「僕の家ここから少し歩いたとこなんですよ」


「じゃあ後もうちょっと頑張ろうか!」


絵を眺めたりニロさんと話をしていたら

あっという間に時間は過ぎていった


「あそこが僕の家なんです!」


僕が指をさして教えたら


「じゃあ僕はここまでだね、また明日!」


「そうですね、また、明日!」


そう言って家まで走った、その間もニロさんはずっと手を振ってくれていた


家の前に着くとニロさんは来た道を戻っていった、少しの寂しさはあるけど、


僕は勇気を振り絞って家のドアを開けた



「た、ただいま、」


「お帰りなさい、ルズ晩御飯出来てるから

手を洗ってきてね」


「!」


「うん!」












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