過去


「え?、あ、ニロ、さん?」


「うん、そうだよ」


僕の目の前にいるのは黒いフードを被った人では無くて全てが、白い人だった



「ごめんね?僕のせいだ、急に絵を描こうなんて、ルズの気持ち考えてあげられてなかった、」


「あ、いえ、僕の方が、汚してしまったり

いろいろ迷惑を、」


互いに沈黙し気まずい空気が流れた


「あ、あの、」


「え?な、なに?」


「そう言えばニロさんって凄くしろいんですね」


「あ、ごめん、いやだったよね、フード被るから待ってて!」


「あっ!いえそんな、全然!そのままで大丈夫です!」


「え?あ、あぁ、その、ルズ?

言っていいか分からないけどそのお父さんと何かあったの?」


「え、」


「あっいや、聞こえてさ?話したくないことだよねごめん、」


「いや別に良いです逆に誰かに話してスッキリしたい気分です、」


「あ、じゃあさ!話してくれない?

モヤモヤする事とかそしたら僕ルズの気持ち分かってあげられるかも!」


「ふふ、」


「おぉ!ルズが笑った!初めて見るよ!」


「それじゃ話して!全部受け止めるから!」


「うん、分かった


僕が小さかった時お父さんがいてね、

ずっと、出来雑魚ないって言われてたんだ


何をしても駄目って言われて怒鳴られて

叩かれて家から出されて


ずっと辛かった


それに父さん不倫してたんだ

その女の人にはもう子供が出来てて、

その人と一緒に家を出ていっちゃったんだ、」


「うわ、ひっど、」


「でも僕頭悪くてどうしたら良いか分からなくて絵を描くことしか出来なくて

絵も描くこと出来なくなったら怖くて


でも思い出して思ったんです

すっごく腹が立つって


何でずっと忘れてたのかは知りませんけどね、

時々思うことがあったんです何のために描いてるのか、その度に頭痛くなって、腹立ちますよねこんなの、」


「ずっと苦しんでたんだね、大変だったでしょ」


「はい、でも話したらスッキリしました

もうあんなくだらない事で悩みたくないし忘れられるならさっさと忘れたいですね。」


「そうだねぇ、そう出来ることを願ってるよ、」


「あの、」


「ん?」


「ニロさんは話さないんですか?」


「え?僕?」


「ニロさんも話してください!一緒にお互いの事知りましょうよ!」


「、、、ふっ、ははは!サイコーだよ!ルズ

お互いの事知らないと仲良くなれないもんね!

そうだよなぁ!話すの怖がる場合じゃ無いもんな!

もう!ルズと話してると普通の人になったみたいに会話出来て楽しいよ!

全然触れないもんなぁ!見た目のこと」


「え?え?なんですか?急に、」


「良いよ僕も話すよ本当にいいやつだなぁ、


僕はね?見た目すっごく白いでしょ?」


「え?まぁはい、」


「その見た目の所為でずっと悪魔とか化け物とか言われ続けたんだよ、醜い、とかね?」


「醜い?そんな、どう見たらそんな考えになるんですか?綺麗じゃないですか、」


「!」


「ニロさん、大変、だったんですね、」



「え?どうしてルズが泣くの?」


「だって仕方ないじゃ無いですか!

見た目が少し違うだけで、だからフードを?」


「まぁそれもあるけど僕、日の光に当たったらいけないんだ、火傷みたいになっちゃってね?あんまり外には出ないんだ?

まぁ今日は別だけど!」


「だからカーテンが閉まってたんですか、」


「まあそうだね!

なんかあんまり僕の事話すこと無いから新鮮!

確かにスッキリだわ!

お互いに知れてよかった!

それに綺麗って全然言われた事ないから

とても嬉しかったよ」


「、、、」


「ん?どうしたの?ルズ」


「急で申し訳ないんですが、僕にもう一度!

チャンスをくれませんか?」
























  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る