迷走と出会い

  

「、、、、、はぁ、」


ルズは歩きながら考えていた

このまま一旦絵から離れるか

続けるか、


、、、あれ、僕何のために描いているの?


そう考えた時ルズは酷い頭痛に襲われる

怒鳴るように鳴る耳鳴りが、ルズを襲うのだ



「いっ!、まただ、また」


「いつからこんな頭痛になるようになったっけ

昔は無かったのに、」


少し経つと頭痛は治る


「はぁ、何でこうなったんだろ、

母さんに心配かけて、本当に何がしたかったんだろ、」


いつも通り人より多いため息を吐きながら

歩いていると ルズは何かにぶつかった


ドンッ!


「え?」


人かと思い謝ろうとすると


「?あれ、誰も居ない、ん?」



地面を見るとそこには キャンバスボードがあった、


「キャンバスボード?、、え、もしかして

これにぶつかった?

た、大変!絵は?!どこも割れてない?」


確認するために絵を見ると


「え?」


そこには森があった、でも違うそこにあるのは

普通の光景では無かった

その世界は、普通ではあり得ないほど

 カラフルでそして宝石で出来ていたのだ


こんな場所あるわけ無い、無いのに


ルズはそこに居た


「なんで、え?」


息を呑むほどの光景が目の前にあった

いろんな色の宝石達

しかし宝石の森の中でただ一つだけ


普通の白い花が咲いていた


普通の花 でもどの宝石達より存在感があった


何故か今その花に触れられる気がした

触れるそう思いルズは手を伸ばした。


花に触れるそう思っていたルズの手は


キャンバスボードに触れていた。


「え?」


周りを見渡すといつの間にか家から少し離れた

噴水広場に来てしまっていた


「噴水広場?それにさっきのは一体、

それに中に、、」


でもルズは理解した

ルズは


「僕は、」


魅入られたのだ


その時かつて無いほどの感動を覚え

そして今までに無いほどに劣等感を抱いた


自分ではとてもじゃ無いけど描けない


でも、それでも


「悔しいなぁ、」


絵を描きたいでも思うようにいかない

ずっと心に引っかかってる


「やっぱり、僕は」


何も出来ない、



「、、、何かまた頭痛くなってきた、

はぁ、どこかで、近くに画材売ってる所あるしそこで少し休んでいこう


、、それにしても今日は一段と寒いなぁ」



カランカラン


ドアを開けたらすぐに画材の匂いがした


「何故かこの匂い、落ち着くな、」


そのまま入りドアを閉めようとすると

急に強い衝撃が


「うわ!」


ドン!


「いったぁ、」


「だ、大丈夫?!怪我ない?立てる?」


「え?」


見上げると


全身黒くそして深くフードを被った大きな人がいた


「、、、へ?」


「あの、怪しい人ではないよ?、、

てか君顔色悪いね、ごめんね、

急いでたんだ。」


「あ、いえ大丈夫です」


「お店の人にイス貸してもらえるように言ってくるよ!」


「あ、あの!全然大丈夫なので!

、、、あっ、聞いてない」




「ほら貸してくれたから座りなよ」


「すみません それではお言葉に甘えて、」



「、、、、」


「、、、、」



「あのー、」


「ん?」


「何故一緒に?急いでたんじゃ、」


「え?あぁ心配で、それに」


「それに?」


「君も絵を描くのかなって思って」


「まあ絵は描きますね、」


「ここに来てるしさ あと袖に絵の具付いてるし」


「え、袖?どこ、」


「ほらここ、」


その人に指差されたとこには確かに絵の具が付いていた


「えー、いつのまに、汚したらダメなのに、」


「大事な上着なの?」


「大事って言うほど大事ではない、、

貴方も描くんですか?」


「まあね!噴水広場にある絵知ってる?

それ僕が描いたんだよね」


「え?」












 









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