少年と画家
@annkoromotimarimo
第1話ルズと画家
「あ〜、だめだ、全く上手く描けない、なんでだろ、、、」
そう言い頭をぐしゃぐしゃっと掻きながら
さっきまで描いていた絵を消そうと消しゴムに
手を伸ばした、
「、、、あれ?ない」
いつも机に置いてある所に消しゴムは無かった
「えー、なくした、紙無駄にしたくないのに、」
そう言い自分の部屋のカーテンを開けると
歩く人の姿が見え
その誰もが厚く着込んでいた
「うわー、寒そう、、、今買いに行くのはちょっとな」
とカーテンを閉めた
「ここら辺って寒いからなぁ、でも考えてても仕方ない探すかぁ、」
はぁ、とため息をつき机の下に潜って探していると、
部屋のドアにコンコンッとノックが入った
「?!」
ドンッ!
「いっっ!!」
机にぶつけた頭を押さえながら返事をした
「は、はーい!」
返事をした後入ってきたのは
「どうしたの?母さん」
「話があってきたんだけど、さっきの音は何?」
「それは、探し物してて机にあたっただけだよ」
「そうなの?、、」
「それで話って何?」
「それはね、」
母さんはそう言った後少し黙ってしまった
顔を見ると、いつも笑っている母さんが笑っていなかった、
「母さんどうしたの?そんな顔して」
「ルズ、あのね聞いてほしいことがあるの
落ち着いて聞いてね?
今から話す事はルズのことよ」
「僕のこと?」
「そうよ」
「ルズは昔から絵が好きで、描くのも上手だし
画家を目指したいって言うのもわかるし
母さんは応援したいと思ってる、でもね
何故か部屋に篭るように絵を描くようになったでしょ?
それにご飯を抜くときもあった、それに夜もあまり寝ていないんじゃない?目の下にクマもあるし、
そうなってまで絵は描かなきゃいけない物なの?
ずっと元気で居てくれるのなら私は何も言わない
でも今のルズは楽しそうでも元気そうでもない
もしそれが絵を描くことでなっているのなら
今は少し絵から離れた方がいいと思う
もしそれ以外でも、、、」
「、、、、」
「別に諦めなさい、とは言ってない
それに前みたいに母さんの店を手伝ってほしいの、
パンを作ってみたり、お客さんと話していたら
きっといい気分転換になるんじゃない?
そしたら、今は上手くいかなくても
きっと良くなっていくよ」
「それもいいかもね、、、
でも、今は少し待ってくれないかな
心の整理したくて、
そうだ 散歩、散歩しながら考えてみるよ
買いたいものもあるし、」
ルズはそう言った後、コートと鞄を持ち
部屋を出ようとしたその時
「ルズ、まって」
ルズは呼び止められ母さんが言った
「ルズ、もうすぐお昼だから
机に置いてあるパンを持って行きなさい」
「、、、うん、わかった
ありがとう母さん、行ってきます」
僕は母さんに見送られながら家を出た
「行ってらっしゃい、ルズ」
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