第5話 眷属
扉を開けると、少し開けている。
奥から何かが近づいてくる。あー。思い出した。
モグラだった。俺の身長くらいある。こんなにデカかったか!?
この穴のラスボスはデカかった気がする・・・。今から嫌な予感。
いやいや!今は目の前のコイツに集中打。
スキルを使いたいがラスボス戦に温存したい。
おれは通常攻撃で押し通す!そう!持久戦だっ!
と思ったが、なんと3発で終わった。キノコンと矢1発分
しか変わんねえじゃねえか。
煙となった所にはパンと水袋が落ちていた。
こんな物、無かったぞ・・・。俺は水袋を手に取る。
うん。中に水が入っている。俺は少し毒見をして
安心安全なことを確認してジヴァニアに飲ませた。
「ふうううう!旨いわね!喉からカラカラだったし!」
ここの確定ドロップはHPポーションとMPポーションだったはずだ。
ちょっと待て。薬草ってなんだ。毒消し草もそうだ。
10年間プレイしてたのに!普通に受け入れてしまっていた。
ゲームしながら異世界アニメとか見ていたからか。
このゲームには無かったのだ。薬草も毒消し草も。
そもそもどうやって使うんだよ!かじるのか?このまま?
ジヴァニアに聞いても知らないと答えられた。
ま、まあいい。今度ゆっくり確認しよう。だっていままで
一度も敵から攻撃を受けていないんだから・・・。
そしてレベルも上がる。俺は運と攻撃力に1づつ振った。
現在のステータスはジヴァニアの加護抜きで
レベル6 HP50 SP16
攻撃力5
防御1
素早さ4
賢さ1
耐性1
運4
ジヴァニアの加護があるので各2倍。SPにも載っているので
このレベルではまじでチート級だ。
小休憩の後に次の層へ入った。ここにいる魔獣はキノコンと
デブコウモリだ。メインではガン無視して中ボス部屋に行った気がする。
しかし今は経験値が欲しい。ドロップも欲しい。勿論金もだ。
なんと、レベルが上がってキノコンを1発で倒せるようになった。
デブコウモリとはその名の通り、デブなコウモリだ。動きも遅い。
パタパタと飛んでいるが1秒で50センチくらいしか移動しない。
通常攻撃2発で倒せた。!?布の服が落ちた!まじか!
これも運の力なのか!そう思いたい!
ちなみにこの後5匹倒したが出なかった。偶然だった。
早速俺は身に着けた。うん。ただのシャツだ。Tシャツだ。
ま、まあいい!服の形になってるからなっ!
防御力も1あがった。やったね!・・・くそが!
道中結構な数の魔獣を倒した。2種類だが。
パンも3個ゲットした。Tシャツ?ももう一枚手に入れた。
レベルも2あがった。
現在のステータスはジヴァニアの加護抜きで
レベル8 HP70 SP22
攻撃力7
防御1
素早さ5
賢さ1
耐性1
運5
ジヴァニアの加護があるので各2倍。SPにも載っているので
このレベルではまじでチート級だ。
「賢さ1ってバカって事でいいの?」
ジヴァニアの口にパンを詰め込んでやった。
かわいそうだから水も飲ませてやった。
どうやら水は無尽蔵ではないらしい。すでに半分減っている。
そして2層目の中ボスの扉を開ける。やはりモグラだ。
やはりステータス2倍の威力なのだろうか。3発で煙となった。
そしてそこにはポーチの様なモノが落ちていた。
なるほど、これは便利だ。どうやらショートカットみたいなものだ。
今まで拾ったものは毎回ステータス画面を開いてボックスに入れていたが
これに入れればボックスに入る様になっていた。
3層目は2層目とそう変わらなかった。淡々と進む。
途中レベルも上がり、今度は攻撃力と防御力に振った。
そして一息入れ、扉を開ける。そこにはちょっと大きめの。
いや、デカいな。モグラってこんなにも大きくなるものなのか!
と言うほどに・・・。体長は俺の2倍はあった。
2足歩行しているし。あぁ、さっきもだったか。
戦闘開始
俺は最初から「連射」スキルを使う!
が!しかし、連射を3回使った時に倒してしまった・・・。
そ、そりゃそうだ。考えてもみれば攻撃力2倍になってるし。
少し拍子抜けしたがいい事だ!
煙となった所には銅貨1枚とちょっと大きめの卵があった。
・・・卵?まあいいや。ステータスから確認する。
レベルも上がったし。今度は賢さに1振った。バカって呼ばれたし。
もちろん攻撃力に1振る。
現在のステータスはジヴァニアの加護抜きで
レベル10 HP90 SP28
攻撃力9
防御2
素早さ5
賢さ2
耐性1
運5
ジヴァニアの加護があるので各2倍。SPにも載っているので
このレベルではまじでチート級だ。
さて、問題の卵だ。触ってみる。温い。撫でまわしてみる。
うぉ!動いた!と同時にひびが入った。なに!?え?生まれるの!?
ちょっと待って!モグラからのドロップよね!モグラ生まれるの!?
そして殻が割れ、光が放たれた。俺は眩しくて目を閉じる。
光が収まった感じがしたので目を開けると、そこには。
モグラではなく、犬っぽい何かが居た。白い。というか銀色っぽい?
あぁ、ジヴァニアのドレスと同じ色だ。スノーホワイト。
犬っぽいが鼻が細くて長い。少し華奢な体型だ。
「クゥーん」
俺になついてくる。生まれたばかりと言っても結構大きい。
体長は50センチほどある。あ!わかった!
眷属だ。そう、メインが持っていた小型ドラゴン。乗り物として
使っていたがアレも眷属だ。確かに手に入れた時、卵っぽいモノから
手に入れた。その他にもいろいろと。
しかし、これは見た事が無い。眷属の収集率は80%くらいだったからな。
ステータス画面を開くと眷属の欄が追加されており
そこに記載があった。
シルバーウルフ レベル1
能力 移動速度向上 警戒
戦闘スキル 餓狼
戦闘スキル!?一緒に戦えるのか!ゲームの眷属は
そんなモノなかったぞ!能力だけだったはずだ。
眷属は一度に3匹までパペットは1匹まで。
乗り物にしたり能力と言う、いわば眷属の固有スキルを
使えるって事だけだった。ん?餓狼?って事は狼か。
「ねえ、名前つけてあげなさいよ、パパになったんだから」
おいおいおい、パパって。ま、まあでも名前は付けないとな。
ユキのように白い毛の狼。よし、決めた。雪丸だ。
いいじゃないか!なんかそれっぽいし。
「かっこいいっていえばかっこいいけど、うん。やっぱり
キョークって厨二ね」
いいじゃねえか。よし、お前は今から雪丸だ。
うわぁ、めっちゃ尻尾ふってる。よかった、気に入ってくれて。
雪丸が尻尾を振っている時、俺は思いもしなかった。
魔王が誕生したことを!・・・くどいようだが!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます