第2話 なんとステータスが倍!

なんだこれ?あー。わかった。ウェルカム・アイテムか。

なんだろう、このゲームっぽいノリ。まぁゲームの世界だから

仕方ねえか。って事はログインボーナスあるのかな・・・。


俺はアイテムボックスに入ったウェルカム・アイテムの箱を開けた。

おおおおお。思い出した思い出した。そうそう。

最初7種類の武器からアンコモン級のやつ貰えるんだった。


レア度は下から

・コモン

・アンコモン

・レア

・エピック

・レジェンダリー


俺はメインと同じく片手剣を選ぼうとした・・・が。

ちょっと待て。そうだ、めっちゃ大変だったのを思い出した。

近接戦は初期の頃はめっちゃHP減るって事を。


7種類とは

・片手剣+盾(因みにセットでは出ない・・・)

・両手剣

・弓

・短剣×2

・攻撃魔法の杖

・回復魔法の杖

・補助魔法の杖


俺は弓を選ぶことにした。

中距離からの攻撃で初期の頃は逃げながら戦える。

ステータスはスピードと攻撃にガン振りする。

ある程度レベルが上がってその武器のスキルが閃いたら

他の武器に変える。次は片手剣+盾だ。


一度レベル193まで行ってるんだ。あの時体感した

後悔をせずに最短距離で強くなってやる。・・・ん?

いや、待て。俺にはメインキャラが待ってるんだ。

・・・・。いやいやいや。違うだろうっ!ゲーマーの俺!

いくらサブキャラと言っても真剣にやるんだ!

メインキャラの所に行くまでにこっちが強くなったら

アイテムを全部こっちに移せばいいし。


「それ泥棒じゃない。不正よ不正」


くっ。この妖精の様な生物め。流石システムチェッカー。

このゲームではメインとサブ間でのやり取りは確かに

出来なかった・・・。なんかいい方法はねえかなぁ。まぁいいや。

どうせレベル制限で色々と使えないし。ってか、ほぼ使えないか。


よし。弓も装備した。薬草も・・・・3個もある!くそがっ!

ってか、大事なことを忘れてた。防具だ。防具が無い。

そうなんだよ、このゲームは武器は貰えるけど防具が無いんだよ、最初。

勿論、裸は色々とまずいので『布上』『布下』はある。

防御力『0』の装備だ。HPすら上がらない装備だ。そう、隠すだけだ。


この小屋はヒールスポットにはなっているので、この近辺で

初級の魔獣を狩って装備をドロップさせるしかねえ・・・。

ってか、この近辺だとスライムと芋虫みたいな・・・何だったっけ・・・。

まぁ取りあえず芋虫。

スライムからは『布の服』『布のズボン』だったか。

芋虫からは確か『皮の靴』だった・・ような。


『布上』と『布の服』の違い?そりゃあ只の布と服になった布。

防御力も『0』と『1』じゃ大違い!★付きだったらなんと防御力2だっ!

因みにメインキャラの防御力は『1820』ね。発狂しそうだ!色々と!


よし。魔獣討伐に行こう・・・・。

俺は妖精の様な生物に感謝を伝えた。


じゃ、いろいろとありがとう。頑張ってメインキャラの所に

行くよ。最初はこの辺りでアイテム集めとレベル上げだけど

絶対にメインの所にたどり着いてやるから。

たまにはチャットでもしていいからな?


「何言ってるのよ。言ったでしょ?私は貴方のシステムチェッカー。

 貴方のIDに組み込まれたプログラムだって。一緒よ?ずっと」


・・・まじか。これ付いてくるのか・・・。ん?

でも待てよ。確かに俺はこのゲームは知り尽くしている。しかし

知らない事もまだある。・・・多分。

もしかしたら超便利な存在かもしれない・・・・。


「今私の事を便利な道具みたいな感じに思ったでしょ。

 この中じゃ今の私は妖精さんよ?妖精さん。妖精様でもいいわよ?

 なんかあなたが来た時にこんな姿を貰えたわ。

 何故だかわかんないけども。私も冒険?ってやつ?

 したかったのよねぇ。もうワクワクなんだから!」


俺は少し思い出した事があったのでステータス画面を開いた。

あぁ、やっぱりだ。この妖精は俺のプライベート・パペット扱いだ。

まぁ会話できるペットみたいなものだ。


その事を教えて上げたら突然鏡の所に飛んで行った。


「キタコレ!妖精の中では超激レアさんの妖精じゃないの!

 スノーホワイトのドレス!さすが私じゃない!」


あー。確かにその妖精は妖精の中でも激レアさんだ。それも

そのドレスの色。俺も持ってねえ・・・。まぁガチャだったからな。

ん?ちょっと待て。ガチャあるのかな・・・。


「どうだろう。ちょっと待って、確認してみる。」


確認?こいつマジで実は有能だったり。システムにアクセスとか。

最強で最高じゃねえか!


「ごめーん。なんか、システムにアクセスできないみたい。

 なんか、システムっぽくあるんだけど、システムじゃないみたい」


使えねえ・・・・。おっといかん。モラハラだった。

しかし、プライベート・パペットが居ると確か、各種ステータスが

上がるんだったっけ。どれどれ?


オール2だし!防御も攻撃も!HPは・・・42か。

武器の分が攻撃+10か。


あれ・・・。ちょっとまて。確か開始当初はオール1で

HPは21だったはず。って事は倍になってるのか?この妖精のおかげで。

俺のメインキャラでさえ30パーセントアップが最大だったのに。

おれはこの妖精を褒めてあげた。お前ってすっげえ奴だな、と。


「もっと褒めていいのよ?ほら、もっと!」


うぜええ。

そういえば名前はあるのか聞いてみた。


「どうだろう。ステータス開いてみてよ。」

おれは再度ステータスを開いてみて名前を確認してみた。

・・・空欄だった。俺は妖精に名前を自由につけていいよと

言ってみたら。


「あんたがつけてよ。・・・かわいいやつ」


ちょっと時が止まった。少し可愛かった。

俺は「ジヴァニア」という名前はどうか聞いてみたら

凄く気に入ってくれた。


そして俺はジヴァニアを肩に乗せ狩へと向かう為に

扉を開ける!そう!俺の冒険の始まりだっ!


・・・扉の先に直径2メートルほどのなんか・・・・。

ぷよぷよした物体が居た。因みに青い。

・・・スライムだろうか。


「スライムね。まごうことなき。普通のスライムね」


いやいやいやいや!デカいだろう!

あー。思い出した。確かに画面の中では俺よりちょっと

大きかった気がする。画面越しとリアルではこんなにも違うのか。


「がんばってー!」


がんばってー!じゃねえよ!スライムでこれか・・・。

芋虫は・・・なんか出合いたくなくなってきた。
















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