二十七 酒盛り
極等万能祭司四人衆はマントを
シップが右手を掲げて高らかに告げる。
「よし! これよりはトレジャンの十八歳の誕生日にあやかっての酒盛りだ! 酔わない酒を思う存分に飲もうではないか!」
四人衆はニヤリとして藍方星の地べたにどしりと座り込んだ。
クロスは「早くしろ!」と
……彼らは浴びるほど飲んでも
だけど酒盛りの後はほんの少しだけご
と、いうことで! このチャンスに質問をすれば答えてくれる確率が高いのだ! ヒミコンはすかさず質問をぶつける。
「あ、あの! 今回伝授いただいた
四人衆は一斉にヒミコンに視線を向けた。
シップが軽く受け流す。
「ああ。それよりその前に。ライアンと共に表陽のピストルオイラーの任務を
ヒミコンは「
「口伝された
オイルの分量は
ゲイルが説明する。
「フィックスオイルとは
人間のフェイトギアの材質は六割以上が鉄である。残りはアルミやステンレスだ。ごく
シップが深く頷く。
「今後は
「
クロスが人差し指の先を小さく折り曲げて、ちょいちょいとヒミコンを呼びつけた。
ヒミコンは大慌てに駆け寄って
「じゃあ次は。
「はい!」
「ラストオイルとはフェイトギアを錆びさせて朽ちさせる『
粗悪感情から生怨霊を次々に生み出し大量発生させている『
対象者は
……だからァ? そんな姑息な
イレーズが冷笑して
「少ない脳みそでも理解できた?
要するにさ。ラストオイルの標的となる対象者は
ま、トレジャンは優しいからさ。当面は
謝礼対象者の錆びて汚れたフェイトギアがさ。ヒミコンの薄蒼色のピストルオイラー噴射によって修正されて輝くなんてさ。さぞや気分がいいだろうね? まるで
クロスが畳みかける。
「いざ、ラストオイル噴射の指令が下ったら!
ヒミコンは頷きながら問いかける。
「トレジャンが望んでいる処罰執行なのだと解釈して
ゲイルが
「馬鹿者。そんなわけがないだろう!
トレジャンはすぐに
クロスがわずかに口角を上げる。
「だからァァ! 俺たちがァァ! ヒミコンがァァ! トレジャンに理不尽を与えた者に対してェ。ラストオイルを返礼としてプレゼント(お見舞い)してやるんだよ。
俺たちは
ヒミコンはゾゾっと背筋が凍りついた。
シップが柔らかに笑う。
「まあまあ、そんなに心配することでもない。大抵のことはトレジャンの地上での人生経験として処理される。よって処罰対象者はさほど多くはないのだ」
ゲイルが頷く。
「最終的には神霊獣ライアンが怒りを
いずれ指令が
ライアンはキリリと
ヒミコンは冷厳なる世界観に改めて平伏した。
そして固く誓う。トレジャン専属のシャーマンとして
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