地に足の着いたホラーという言い方は変かもしれませんが、そんな気がしました。お墓に供える花、仏花より可愛いものを……と考える主人公の優しさに呼応して、少女たちは助けを求めたのだと感じます。途中で変態的な想像を巡らせてはいますがw
墓石の向こうから頭を下げていた爽やかな青年、生きていても赤紙に引っ張られた……との軍曹の言葉に、胸が詰まります。軍曹はその時代を知っているからこそ、数ある死の一つだと言いたかったのかもしれませんね。
作者からの返信
鐘古こよみさん
「ご当地怪談」、今日が締め切りなんですね。まだ誰も書いてない都道府県、沢山あるかもしれません。
主人公、幽霊避けに変態になろうと頑張っていましたが(笑)、あれって本当に変態なら、どんな反応するんでしょうね。嬉しいのか、やっぱり怖いのか。
日本の高度経済成長を支えたのは、まさに戦地帰りの方々なんです。彼らが第一線に立って、日本を復興させてきた。
わたしは古い日本がたった半世紀ほどの間に見る影もなく消えてしまったことを惜しむ気持ちが強いのですが、その当時を生きていた人たちは、軍曹のように懸命に上を向いて生きていたんでしょうし、四大公害などで大気や河岸が汚染されていくことなども、二の次だったんだろうなぁと、そんなことを考えながら最後のパートを書いていました。
読んで下さってありがとうございました。
海の澪の説明や時代背景に説得力があり、ロリコンで霊を追い払おうかと真剣に悩む辺りは追い詰められた感が感じられました。
文章もお上手だったので引き込まれて読み進めました。
ただ怖くしてやろうと闇雲に恐怖を誘うのではなく悲哀と同情が漂う良い怖い話しでした。
個人的最後の軍曹が同情も人情もなく唾を吐き捨てて台無しなことを言う対比が更にこの作品の人間臭さを引き立てたかなと思います。
面白かったです。
作者からの返信
語理夢中さん(おもしろいPNですね♡)
読んで下さってありがとうございます。ご当地怪談というテーマ、とても迷っていました。
すでにある怪談をアレンジするのか?
それとも所在地だけを明確にしたオリジナルの怪談を創るのか?
そこが、いまいち分からなかったのです。
なので思うままに書き上げました。
企画ものは自分が書き上げた後からでないと他の方のを読みに行かないのですが、どうやら『何でもアリ』だったみたいです。
異色な作品かもしれませんが、気に入って下さって嬉しいです。一生懸命、変態おやじになろうとしている主人公が不憫でした(笑)
読んで下さってありがとうございました。
怖い話というよりも、郷愁と無常さを感じるお話でした。
6体の地蔵が丁寧に安置されて、少女と引率していた若い教師の魂も鎮められたようで良かったです。
新潟県の海岸線は、見ているとまともに海の力を受けているようで時に畏れを感じてしまいます。
出雲崎の辺りも丘陵下の海岸線の集落は津波でなくとも高波で何か被害が出そうなのに、古い木造建築の舟屋のような建物が多く、人々の営みに想いを馳せてしまいました。
作者からの返信
桁くとんさん
読んで下さってありがとうございました。
ご当地怪談というものをどう書いたらよいのか分からないまま、わたしなりに作ってみたものになります。
作中の新潟の海岸は角海浜です。すでに廃村ですが、一帯が原子力発電所の開発予定地だったというのも怖ろしい話ですね。一度真冬に日本海を見に行ったら、とんでもなく荒れていて、自然の威力に震え上がったことがあります。
舟屋で有名な京都府の伊根などは、津波の被害は昔からないそうです。もしかしたら何百年も前から舟屋のあるような場所は津波は来ないのかも?