いいお肉の日

「ん、今日は娘も一緒に3人で出掛ける」

「了解、瑠璃」

「うぇ〜い!久しぶりのお出かけ〜」

「でも、急にどこ行くの?」

「? そういえばパパの言う通りだねぇ〜、どこに行くのママ?」

「ん、2人共今日は何の日か考えてみるといい」


「今日?何の日だっけ?」

「パパ分かる〜?」

「いや…分からない」


「ん、取り敢えず2人共車に乗るといい」


「「了〜」」


 

 瑠璃が運転する車に乗り込み、向かったのはとある山。山に来ると瑠璃と初めてデートしたあの時の事を思い出す…。2人だけでキャンプしたし…。


「ん、瑠璃を仕込んだ日の事を思い出してた?」


「娘の前で仕込んだとか言わないでくれる!?」


「ん、じゃあ言い直す。出来た日の事を思い出してた?」


「言い直さなくてもいいからねっ!?」


「ママ〜その話詳しく〜!」


瑠流るるもそんな事聞かなくていいんだよっ!?」


「ん、構わない」

「いや、俺が構うわっ!?」


「ん、初めてのデートは山でキャンプ」

「うんうん…それでそれで〜?」

「俺の話聞いてるっ!?」


「ん…それで初めてを捧げてあなたが1発か2発、はたまた3発か4、5発で出来た!」


「はははは、初めてなのに…そんなに〜ぃ〜!?」


「ん、パパは激しい…私の意識はいつも保たない」


「パパ…凄〜い」


 くっ…俺は道中空気になるしかなくなったのだった…。



***


「無理無理無理無理無理無理無理〜ぃ〜!!」


「お、おい、瑠璃?」

「ん、どうしたの?」

「瑠流が危険なんだがっ!?」


 ギリギリ見える範囲で娘の瑠流が猪に現在進行中で追い駆けられている…。―って、何させてんのっ、瑠璃!?


「ん、あれ位平気」

「俺、助けて来る」

「ん、それは駄目!あの子は大丈夫!私の娘だし…その証拠にほらっ…」


「もう〜!ママはいつもいつも〜瑠流に無茶な事させるんだから〜!」


 くるりと振り返ると同時に腰に装備していた二丁の銃を素早く構えて猪を撃ち抜いた…。


 ずずーん! と、撃たれた猪は倒れ込みながら地を滑っているのが見えた。


 中学生に銃を持たせるんじゃないよ!?確かに許可は取ってるけども!?


「ん、その調子、瑠流!今日は肉の日!パパに一杯ご馳走する」


「獲るのは何で私〜ぃ!?」


「ん、瑠流が強くなる為…」


「強くなりたくなんてないんだけど〜!?」


「ん、頑張ったら…パパと繋がらせてあげる」

「ばっちこ〜い!」

「何言ってんの!?」

「ん、頑張れ、瑠流」



 その後、瑠流は鹿に猪、果ては熊迄仕留め…しっかりと獲った獲物を捌く迄して見せた。


 その間…瑠璃にしっかりと絞り取られ…戻ってきた瑠流がそこに混ざるとは夢にも思っていなかった…。


 余談だが…2人はしっかりと満喫出来たらしい…。


 獲った獲物の肉が美味しかったのは言うまでもなく、しっかりといい肉の日をお腹に感じたのだった…。

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