コミケ
今日…僕は朝早くから冴子さんに連れ出された…。何処に行くのかは聞いていない…。冴子さんが運転する車の助手席に大人しく座っているのだ。
「あの〜…どこに行くんです?」
「笑止千万!着いたら分かるわっ!」
朝からこんな調子なんだ…。何かになりきっている感じがする…。
―というよりもその格好は艦◯れの時◯だよね?しかも際どい格好…。というか同人誌に出てきて目茶苦茶にされた後の時◯だよね?何でそっちなの?普通のコスプレでよくない?僕が事に及んだ感じで見られそうなんだけど!?
「ふっふっふっ…私のコスプレ姿に魅了されたのかしら?」
「…妻としての冴子さんには魅了されてますけど」
「あふぅ〜…そんな…照れちゃうわ…」
「ちょっ!?冴子さん!?前っ!?前っ!?」
ちょっとしたハプニングはあったものの…なんとか目的の場所へと辿り着いたようだ…。肝を冷やしたけどね…。
とにかく辿り着いた場所はどこかの野球場だった…。
「今日はここでコミックマーケットが開かれるの!」
「そうなんですね」
コミケかぁ…話には聞いた事あるけど実際に来るとなると初めてだ。
「ここでコスプレをする事を頼まれてるのよ…。私の友達が新作の同人誌を発売するから客の呼び込みも兼ねてるの!」
「なるほど…」
「たまには妻の趣味に付き合うのもいいと思わない?」
「…それは…そうかも?」
「―と、言う事で行くわよ!」
「ちょっ!?そんなに引っ張らないで!?」
中に入るとビックリ…。まだ始まってもいないのに…みんな同人誌を並べたり…冴子さんみたいにコスプレした女性がいっぱい…。
あれはキ◯グの不◯火!?あっちはス◯リートの春◯!?うぉっ!?こっちはリコ◯スのた◯な!?しかも水着かっ!?
「ちょっと!?妻に見惚れないで他の人に見惚れるなんて許さないんだからね?」
「いや…見惚れてた訳じゃあ…」
知ってるキャラだったから…。
「ほらっ…見られた子はあなたの視線で濡れてるじゃない」
「ぬ、濡れてる!?」
また冴子さんは……。それにしても…
「リーダー待ってたよ!」
「冴子の姉貴!来てくれたんですね!」
「流石ですね!今日も決まってますね」
「冴子さん!」
「リーダー!」
「女王様!」
凄い人気だね…。慕われてると言った方がいいかな?こうして見ると…冴子さんが普通に見えるのが不思議だな…。
「今度こそ私に見惚れてた?ねっ、ねっ、そうなのよね?」
それからも普段見れない冴子さんの姿を見れて案外悪くなかったかもと思ったのは心に秘めておく事にした…。
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