梓希とある日海釣りデート

 時刻は午前四時…。部屋を出た所で梓希と鉢合わせた。


「あれっ…お兄ちゃん、何処かに出掛けるの?こんなに朝早く!?」


「うん、瑠璃さんと川釣りしてから釣りにハマったからね!今日は海釣りに行こうかと思って…」


 瑠璃さんと川釣りをしてから魚釣りの魅力にハマってしまったんだ。あの魚が掛かり浮きがぐっーーーっと、沈んでググッとくるあの感触。一度味わったら癖になる。


「良かったら梓希も行く?」


「う〜ん、そうしようかな!せっかくお兄ちゃんと2人っきりになれそうだしね♪」


「動きやすい格好でね?」


「は〜い♪」




***


 梓希の準備が終わってすぐに家を出て2人で近くの海へとやって来た。


ザザーッ…ザザーッ…


 海はやっぱりいいよね!波の音、景色…。僕は大好きだな…。


「お兄ちゃん、早速魚釣る?それとも人魚みたいな私を釣る?」


 梓希が可愛い過ぎる…。釣り出来るかな…?


「えへっ…そこはお兄ちゃん、梓希はもう釣り上げてるからと言って私を抱き締めるところだよ?」


「…魚釣りに来たんだよ梓希?」


「そうだったね!じゃあ…いっぱいお魚さん釣ろうかな♪その代わり…」


「んっ?」


 梓希が顔を寄せてきて耳元で囁く様に…


「夜はベッドの海で私をいっぱい釣りあげてね、お兄ちゃん♡」


 がふっ………こんなこと言われたら夜はハッスルハッスルするんだからねっ!!!


「…了解!さあ、釣るぞー!」

「おうー!」



***


〜二時間後〜



「…釣れないねお兄ちゃん?」

「釣りは忍耐力だ!……たぶん…」

「でも、お兄ちゃんが釣りにハマるの分かる気がする。なんか…海に浮かんでる浮きを見てるとなんだか落ち着くし…」

「だろ?釣れた方がそりゃあ面白いけど…釣れなくてもなんか好きなんだよ」

「お兄ちゃんの言いたい事私も分かるよ」

「今度から梓希も釣りに行く時は一緒に行く?」

「うん、行く!」


ぴくっ…


「じゃあ…約束だね」

「うん、約束」


ぴくっ…ぴくっ…ぴくぴくっ…すぅぅぅー…


「んっ…」

「どうしたの、お兄ちゃん?」


くくくっ…


「おおおおおお、お兄ちゃん!?何か来たみたい!?」

「落ち着くんだ!梓希!ゆっくり竿を立てて…」

「んっ…」

「そう…その調子…」

「んっ、ああっ…んんっ…お兄ちゃん…ぴくぴくっ…してる…」

「ゆっくりリールを巻いて…」

「あんっ…竿が…物凄くしなって…んんっー…」

「梓希…いいよ…ゆっくり動いて…そう…」

「激しっ…お兄ちゃーん!激し過ぎるのっ!あっ」


※2人は健全に釣りをしているだけです…。



そして水面に上がってきたのは黒鯛…。チヌ共呼ばれる防波堤の王者(豊和の意見)。タモで黒鯛を掬いあげっ…


「やったな、梓希!」

「凄いよ…お兄ちゃん…ビクビクって…」

「梓希…言い方…少しエッチっぽいから…」

「ふぇっ!?そそそそそんな事ないもん!そう思うお兄ちゃんがエッチなだけ…だもん」

「とにかく初めて釣った魚が黒鯛。良かったね、梓希?」

「うん!」


 それから梓希も釣りにハマった。釣果は毎回梓希に負けるものの梓希が楽しそうで何より!ちなみに釣ったチヌは塩焼きに。塩焼きにするなら最高の魚だと個人的に思う今日この頃…。




*****

あとがき

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「男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件」 https://kakuyomu.jp/works/16817330665184482917

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