第31話休み時間の度に

 休み時間の度に刀堂さんが僕の元へと来る様になった。蒲島君はというとあれからまだ教室には戻って来てない。


「─豊ピッピ聞いてるし?」


「あ、うん。聞いてるよ…」


 話を聞いてる内に刀堂さんは何とアイドルをしている事が分かった。刀堂さんには悪いんだけどその割には見た目がと思ってしまったのは内緒だ。だって目の前に居る刀堂さんはギャルなんだよ?アイドルをやってるなんて想像が付かなかったんだけど、何と化粧やらなんやらでギャルの格好をしているらしい。身バレ防止の為だそう。アイドルの仕事をしている時は白髪、素っぴんらしく、今は目元を強調させたメイクでぱっちり二重にして、バサバサしたつけまつ毛を付け、ブラウン系の暗めアイシャドウを塗りたくり、青カラーのカラコン、止めはブラックのアイラインを塗っている。アイドルをやってる時の写真を見せて貰ったけど、流石アイドルといった感じで輝いている…。


「…凄く綺麗だね」


「ふぇっ/////!?」


「これなんか滅茶苦茶可愛いしね。こっちの写真もいいよね!これなんか純白の天使みたいだし、まさにアイドルって感じだし、これもいいよね!笑顔が素敵というか─」


「ぅ……ぁ………っ………しょ…しょんなに褒められると…わたわたわた、私…/////」


「豊和君…刀堂さんみたいな女性がタイプなのかな?かな?」

「アンタ…全力で彼女を堕とすつもりなわけ?」

「豊和君はジゴロさん…です…」


 3人からジト目で見られるのはどうしてなんだ?もしかして刀堂さんを褒め過ぎた?現役アイドルの写真だよ!?僕みたいな一般人からすると手の届かない存在だよ!?


「…アンタ…只の一般人じゃないからね?」


 何だろう…。凛に考えてる事や思ってる事なんかを頻繁に読まれてる気がするんだけど凛の特殊能力か何かか?


「特殊能力なんか持ってないわよアタシ…」

「なんか長年付き添ってる夫婦みたいです」

「ふ、夫婦だなんて…そんな事/////」

「凛…負けないからね?」


「…そ、それにしてもみんな仲良いよね?」

と、刀堂さん。あれ、口調が…

「もしかして刀堂さんって口調も変えてるの?」

「ちちちちちち違う…し、そんな訳ないピッピし…」


 …変えてるんだね…。変えなくても素の方が良いのにね。


「ぅえっ/////!?」


あれ…もしかして…声に出てた?


「豊和君…今日の夜は私に付き合って貰うからね?」


「…えっ?」


「柚希は昨日も一緒だったでしょっ!!!次はアタシの番なんだから!」


「ふ、2人共、声大きいから!」


「くっ…早く耐性が欲しいです…」


「よよよよよ夜って…まままままさか…あふぅぅ…鼻…鼻血が……」


 刀堂さんはそう言って鼻血を流す…。なんかデジャブだね…。耐性がつく前の柚希みたいだ…。


 ─ガラッ…!っと突然、勢いよく教室のドアが開いた。教室へと入って来たのは車椅子に乗り込みメイドさんに後ろから車椅子を押して貰ってる蒲島君………車椅子!?どこか怪我でもしたのか!?


「…よぉ…俺様が戻ったぞ…。男の勤めを果たしたんだ…。お前達拍手はどうした?」


パチパチ…パチパチ…


 まばらに拍手が教室へと鳴り響く…。何なの!?僕はついていけないのだけれど!?


「…豊和君…あのね…。男性ってするとね…足腰立たなくなったりする人が多いんだって」

「要するに体力がないのよ…。性欲戻る迄はほぼあんな感じらしいわよ」

「ヘロヘロです…」


「そ、そうなの?」

「「「うん」」」


「あれ、でも僕は…」

(そんな事なった事ないよね?)


「と、豊和君はそっちもしゅごいだけ/////」

「そ、そうね/////アンタが凄いだけよ/////」

「わ、私も今日辺り…き、気絶しても…して欲しいです/////」


ふと刀堂さんを見ると…


「うううっ…鼻血が…鼻血が止まらない…

しゅごいって…アレよね!?ぶふぅー!?

わわわ私を出血多量で殺すつもりピッピね?…って…マジ…ヤバくね!?」


 ちょっと危険そうなので刀堂さんを保健室に連れて行く事にした。それにしても男性の体力もないって無さすぎじゃない?余談だけど蒲島君のお相手は連れのメイドさんだったそうだ…。

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