第2話職員室での出会い
職員室に入るとすぐに年配の女性が1人こちらへと近付いて来られた。
「…校長の
「今日からこの学校にお世話になります。どうぞ宜しくお願い致します…」
「ふっ……………」
ふっ?─って今笑われた?どこかおかしい所があったかな?笑顔がまずかったかな?挨拶の仕方がもしかして違った?不安になり挨拶と同時に下げていた頭をあげて校長先生の顔を見る。穏やかな笑みを浮かべて僕を見ている…。気のせいだったかな?
「では、豊和君の事をくれぐれも宜しくお願い致しますね校長?」
「………」
冴子さんが話し掛けるものの反応がない気が…
「校長?」
校長先生へと近付いて行く冴子さん…。
「…立ったまま…気絶している…」
「えっ!?」
「た、多分…アンタのえ、笑顔に耐えられなかったのよ…」
「…マジで、凛?」
「間違いないと思うわよ…」
気絶した校長先生を他の先生が校長室へと運んで行く。多分校長室にはソファーがあるだろうからそこに寝かせるのだと思う。冴子さんの指示で担任の先生以外は僕には近付かない様にとお達しが出た…。担任の先生は大丈夫なのだろうか?不安だ…。
そんな僕の不安を払拭するかの様にジャージ姿の背が高い女性が凛とした声でハキハキと僕に話し掛けてくる。
「…貴様がこの学校唯一の男子生徒になる天使だな?」
先生とはいえ初対面で貴様と言われるとは思っていなくてビックリした。でも腕を組みこちらを見下ろし気絶する素振りもない佇まいにカッコよさを感じてしまう…。
「はい…天使豊和です。宜しくお願いします!」
「私が貴様を受け持つ担任の
「はい!」
「…先生って男性耐性あったのね?」
「海神…先生を侮っているのか?」
「ちょっと!?男性に対してもう少し…「男性管理局だろうがなんだろうがこいつの担任は私だっ!男性耐性がない冴子は黙っていろ!」…なっ…何ですってぇぇ!新菜、あなたも男性に対する耐性なんてなかった筈よねっ!?」
「ふっ…貴様は一体いつの話をしているのだ?人は成長し変わる生き物だというのに」
2人共知り合い…なんだよね?名前で呼びあってるし…。
「…いつまでも残念な女だな。貴様にはまだ耐性が備わっていないのか?」
「くっ…高校生の頃、男の写真集を見ただけでお股を濡らしていた女の癖に!」
「そ、それは貴様も一緒だろうがあ!?」
「あらあら…残念でしたぁー!私は男性に失望していたんだからそんな事した試しはないわね…。お股の何て緩い新菜でしょう!」
「ぐぬぬぬっ!!貴様は処女拗らせて変態コスプレイヤーになっただけの糞女だろーが!」
「何ですってぇ!」
「事実だろーが!男の味も知らない癖に男性管理局に勤めてるなんてとんだお笑い話だろーに!」
「ふっ…」
「何だ…。何がおかしい?」
「残念…非常に残念だわ、新菜…。さっき自分で言った事を忘れたのかしら?」
「…何を言って…」
「人は成長するものなのよ?」
「ま、まさか…」
「ええ…そのまさかよ…。私はもうあなたが知る冴子ではないのよ?」
ガクッ─っと膝を地面に付く新潟先生…。一体僕達は何を見せられているのだろうか…。もうすぐ授業始まるよね?
「…聞かせてくれ…。何を経験したのかを…」
「いいわ!聞かせてあげるわ!聞いてひれ伏しなさい?私が経験したのはアレの匂いとアレの味…「さ、冴子さん!そこまでですよ?バレたらおばさんに殺されますよ?ア、アタシだって…共犯になってるんだから!(あ、あんな事……。皆どうかしていたとはいえ、豊和にバレたら恥ずか死ねちゃうんだから)/////」……そ、そうね。これくらいにしておくわね(汗)」
凛が慌てて止めに入ったけど共犯って何だ?円香さんに殺される?
「凛、何の話…」
「あああ、アンタには関係ないんだからね!アンタの味とか…ど、どうでも良いんだから/////!」
「僕の何だって?」
「豊和君…。女性には男性には知って欲しくない事情というものがあるものよ?」
「まさか海神…まで…経験しているのか?」
「新菜は黙ってて!ややこしくなるでしょ!」
「そ、そうですよ先生!?」
辺りを見渡すと我関せずみたいになっている…。どうにか止めて欲しいと思いながらも待つことに。後から聞いた話によるとどうやら新潟先生と冴子さんはライバル関係にあったらしい。よく勉強でも何でも張り合っていたそうだ。授業に遅れる事15分後、ようやく騒ぎも収まりクラスへと向かう事に。皆良い人達だと良いなと思いながら先生と凛と教室へと向かった…。
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