第24話配信の準備
引っ越した翌日には凛がうちに引っ越して来た。そしてその翌日の朝にはなんと、風華ちゃんまで引っ越しして来たんだ。
「何でアンタ迄引っ越して来たわけ?」
「それは凛に言う必要ないです…」
「なっ!?アタシはアイツの護衛なの!知っておく権利はアタシにはあるんだからね!」
「…理由なら後で冴嶋さんに聞くといいです」
2人言い合っていたので心配したんだけどどうやら杞憂だったみたい。柚希が言うには仲が良い証拠らしいから心配しなくてもいいとの事。まぁ、何でも言い合えるのって良い事だもんね。
そしてその日の昼。冴子さんが3人の女性を引き連れやって来た。それと大量の段ボール。中には大量の機械、機材というべきだろうか?パソコンは分かるんだけど…。とにかく色んな物を持って屋敷の空き部屋の一つに次々と運んでそれを設置していったんだ。まだ何をするのか分からないけど僕に関する事だと思った。その作業を終えたのは夕方の18時を回った頃の事。食事を先に済ませた僕達、皆が居るリビングへと3人の女性と共に入って来た。
「…終わったわ」
「「「終わりましたぁ…」」」
「お疲れ様です。お腹がすいたでしょっ?ご飯を用意していますので遠慮なさらずにどうぞ!」
「いただくわ!」
「マジ!?」
「男性の手料理なんて…もしかして夢?」
「これって現実!?」
「あんた達付いて来て良かったわね?」
「「「はい!!!」」」
「じゃあ…いただきましょう?」
「「「「いただきま~す!!!!」」」」
「うん♪先日も思ったけどやっぱり美味しいわ」
「何これ…私の作る物より美味しいわ」
「うまっうまっ!!」
「幸せ~!」
「お口に合った様で何よりです!それから冴子さん、遅くなりましたが服等ありがとうございました!」
「良いのよ、お礼なんて…面と向かって言われる照れちゃうでしょっ/////」
「「「局長がメスの顔してるぅぅ!?」」」
「うるさいわよあんた達…シメるわよ?」
ギロッ─っと部下の人達を一睨み…するも部下の人達にはどうやら効いてないみたい。
「シメるなんてはしたないですよ局長?」
「ホントホント」
「男性の前なんですから」
「あんた達が余計な事言うからでしょうが!」
「まぁまぁ冴子落ち着きなさい…」
「だって、先輩…」
「それよりも…準備が出来たって事なのよね?」
「…はい。そうです。…豊和君?」
「はい?」
(何だろう改まって?)
冴子さんに円香さん。そして冴子さんの部下の人達の顔つきや雰囲気が変わった。そしてリビングのソファーの方で寛いで話を聞いていた柚希、梓希、凛、風華ちゃんの4人の内の1人、風華ちゃんが立ち上がりこちらの方にやって来たんだ…。
「この後、準備が出来次第豊和君には配信を行って貰いたいの…」
「「「「配信!?!?!?!?」」」」
僕と柚希、梓希に凛の声が見事にハモる。
「配信って…
「…そうよ柚希ちゃん」
「Bチューブって?」
(Bチューブって何だろう?)
「Bチューブはbusiness.tubeの略称で、簡単に言えば個人でも好きに動画等を上げ公開して再生回数等に応じて収入を得られる動画共有サイトの事よ…」
「それってお兄ちゃんの存在がバレてしまうんじゃあ…」
「…国からの緊急放送としてこれから告知。Jアラート等の緊急連絡手段も使って出来るだけ多くの国民に見て貰う様になるわ。配信は携帯やパソコンだけじゃなくて勿論テレビでも見れる様に放送するけどね…。偽名じゃなく本名で顔出しもするわ」
「「「「!?」」」」
「反対だよ私…」
「私も…」
「アタシも反対よ!とても守りきれなくなるわ…」
「………」
「勿論バックアップは万全を期すわ…。それにこれはもう決まった事よ」
「「「っ!?」」」
「…分かりました。僕は構いませんよ。3人共大丈夫だよ!それにそれが義務なんでしょっ?」
「…ええ」
「私も冴子も必ず豊和君を守るからね…」
「はい…。円香さんも冴子さんの事も信頼してますから…」
「豊和君…」
「……そ、そんなに信用してくれてるのなら…は、配信の前に私とアバンチュールな一時を…「殺すわよ冴子?」…取り消すわ…」
「捕まりますよ局長?」
「こんな良い子によくそんな事を言えますね局長…」
「がっかり…がっかりです局長…」
「ば、場を和ませる為の冗談でしょ?冗談!コホン……で、配信の手伝いを主にしてくれるのが彼女よ」
「宜しくです」
「「「風華(ちゃん)!?」」」
「そういうのは詳しいし信頼出来る子が風華ちゃんなのよ?」
「任せるといいです」
「うん。宜しくね風華ちゃん?」
「皆と同じく呼び捨てにするです!」
「ええっと…了解…風華」
「エヘヘです/////…」
「とにかく…2人はこれから配信の準備をお願いね?配信内容は自己紹介とチャットの質問に少し答える事。それと、来週から中学校に通う事もお願いするわ…。右耳にこのイヤホンをつけておいて?何か駄目な事とか指示とか伝えるから…」
「「分かりました」」
そして僕と風華は用意してくれた配信部屋へと向かい配信の準備を行う。緊張するけど不思議と経験した事ない事を前に楽しみな自分が確かにそこにいた…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます