第25話配信①~そして伝説へ~

『準備は良いわね?』


「…はい」

「はいです!そ、傍に居るので、な、なんでも言っていいのです/////」

「ありがとう風華」

「/////」


 諸々の準備が整ったみたいだ…。まさか僕が配信なんてするなんて思ってもいなかった。時間ギリギリ迄柚希、梓希、凛の3人は止めさせる様に言っていたみたい…。僕の事を心配してくれるその気持ちが非常に嬉しい。でも僕もやっぱり男として色々挑戦したいしね!


『…じゃあ…宜しくね?』


「「はい」」





******


 モニターにチャットというのかな?まだ始まっていないのに凄い勢いでコメントが流れているのが見てとれる。



:急にJアラート鳴った時ビックリしたんだけど!?

:ソレな!

:あれ心臓に悪いよね?

:しゃーないしゃーない!知らせる為だから気付かなかったら意味無いし…

:難しい所だよね?

:それにしても何の放送?

:必ず見て下さいって草

:だよな?

:せめて情報社会なんだから情報をくれよ情報を!

:相変わらず男性の影も無し…

:ば~か!仮に男性が見ていたとしてもコメすらしないに決まってるだろ?

:ほんソレ(笑)

:男性がコメントしたら私裸踊りしてあげるわ!

:私もww

:草

:それ賭けにもならん!



 コメントは途切れる事無く流れている。風華に合図を出すと、頷いてくれた後、機械を次々と操作。僕の姿がモニターへと映る…。


「…はじめまして。今日から時折配信をする事になった天使豊和です。年齢は15歳。男です!宜しくお願いします!」




「…故障…かな?コメントが…」


『違うわよ。豊和君。男性が配信するとは思っていなかった為に皆、現実を受け入れてる最中なだけよ…。一斉にコメントが流れる筈よ…』

(私だって突然男性が配信を始めたのを見たらああなるもの…)


「え~と、皆さん大丈夫ですか?」



:キキキ、キター!?

:あびゃばばばば…マ?

:おおおおおおおおおお、男ぉぉぉ!?

:そんな馬鹿な…

:嘘だ…ろ

:嘘よ…あり得ない…

:意識跳んでた(笑)

:これは跳ぶでしょっ!?

:それだけじゃないだろ?見てあのきゃお

:し、CGか?

:CGよね!?ねっ?ねっ?

:あばばばばばっっ…

:ととととと、特定班!?

:今調べてりゅぅぅぅーっ!


「え~と…」

『豊和君。取り敢えず話を進めてくれる?』


 心の中で冴子さんの言葉に頷いて話を続ける事に。


「来週から聖戦中学校せいせんちゅうがっこうに通う事になりますので同じ学校の方は宜しくお願いします!」



:わ、わ、わ、わ、私の学校!?

:私の学校…だと…

:ゆ、夢?

:男性が学校!?

:う、嘘ーっ!?

:し、信じられん

:い、生きてて良かっ…た

:ほ…ホントに?

:自ら犯されに行くの?

:↑んな訳ないだろ?

:これドッキリか?

:ドッキリな訳ない。国が放送したんだぞ?

:私毎朝会いに行きゅぅぅぅー!!!

:付き合って?

:結婚してくれ!

:孕ませて?

:もうこの放送自体女性のオカズでしょ?

:それな!

:捗る…



「─ですので、見守っていただけるとありがたいです…」



:ま、任せロリ!

:彼と過ごす学校生活…うっ…鼻血が…

:鼻血は出るよね…

:それはしょうがない!

:わ、私がしぇんぱいを守りましゅっ!

:任せてお兄ちゃん!

:私があなたを…守るから…

:絶対守ってみせるわ!


 もしかして梓希ちゃん達もコメントしてくれてる?



「それと…僕が中学校に通うという事で他の男性も同じ学校に通ったり友達になれると嬉しいかな…」



:それは無理!

:無理だよそれは…

:男性が学校に通うだけで偉業でしょ?

:待て待て!彼みたいな男性が他にも居るかも?いや…居ないな…

:望み薄だよね?

:確率としては薄薄君うすうすくん0.01ミリ(笑)

:↑何言ってんの?

:ホントそれね…

:私はツボったw

:私も!確か何十年か前に無くなった避妊具の名前だったよね?

:懐かし過ぎる(笑)



「と、取り敢えずそういう事で宜しくお願いします!後はそうですね…。少しだけ質問に答えます…。何かありますか?」



 爆速でコメントが流れる…。えっ?多すぎない?と、とにかく適当に目に付いたモノから選ぶとしようかな…。



「まずは…」


:彼女は居ますか?


「居ません…」


:タイプの女性は?


「優しい人…ですね」


:胸の大きさは?


「気にしません」





─次々と答えていく。そして、


「今日はここまでですね…。また配信しますのでその時は宜しくお願いします!それでは…」



 初めての配信を終えた…。この時の僕は知らなかった。これを見ていた同じ年齢の男性の1人が僕の通う中学校に通う事になるんだけどあんな事になるなんて…。僕は予想さえしていなかったんだ…。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る