第23話!?!?!?

 私はようやく豊和君と付き合う事になった。付き合ってすぐにお泊まりデート。場所は大自然の中だ。自分達でキャンプを張り、川で釣りをする。2人並んで川に糸を垂らし魚が掛かるのを待つ…。豊和君の方に顔を向けると不意に…チュッ♡…っと唇に柔らかい感触。唇と唇が重なり合う私達の初めてのキス。重なっては離れまた啄む様にキスを繰り返す。何度もキスを交わすなか閉じてた目を開けると近くの川が増水。─って、増水!?何で急に!?これって鉄砲水!?


「豊和君逃げてぇぇぇー!」

……駄目だ、間に合わない…。2人共鉄砲水に呑み込まれて……。


「…豊和君!」


ガバッ─っと上半身を起こした所で夢だった事に気付いた…。


「夢……」


 常夜灯のオレンジの灯りが薄っすらと部屋を灯している。辺りを見渡すと少し離れた床に豊和君が寝ているのが分かる…。


(クスッ…一緒に寝てくれて良かったのに…女性を大切にしてどうするのよ…もう…。そんな事されたら私…ますます惚れちゃうよ?知らないよ?そんなに隙だらけな豊和君にはキスしちゃうぞ?…な~んて出来たらどんだけ良いのだろう…)


 キスといえば思い出すのは気絶する前の事。後、ほんの少し、ほんの少しで唇が重なる事が出来たのに私は耐える事が出来なかった…。だって仕方無いじゃない!?男性耐性なんてそんな簡単には付いてくれないんだもん…。


「…キス…………したかった…な/////」


 私は目を瞑り自分の指で唇をなぞる…。想像するのは豊和君の顔…。あっ…駄目ね…。想像だけでも鼻血が出そうになる……。ううぅっ、早く漫画みたいな事してみたいな…。

そんな事を思いながらもう一度静かに布団の中に潜り込んで気付く事がある…。



…あれっ……何か気持ち悪い…。主に下半身が…。そそそ、そんな、私エッチな事なんて考えてないのに!?えっ?キスの想像だけで

もしかして私/////…。そっ~と手を伸ばし触れてみる…。寝間着のズボンがやけに温かい。ホカホカしてる…。何故起きてすぐ気付かなかったんだろう…。すぅぅぅ─。


 ちょっと待ってね?思考をフル加速、現状を把握するから。そういえばこうなる前、私トイレに行こうとしてたんだよね?もしかして川の夢って……まさかそういう事なの!?お尻の下に手を潜り込ませて布団を触ると濡れていてホッカホカ…。



 ヤっちった!私ヤっちまったよ!?こ、これ間違いなく豊和君の布団で私…おねしょしちゃったんだけど!?どどどどど、どうしよう!?中3でおねしょしてしまうなんて…。豊和君に嫌われちゃう!?逃げる?逃げても布団のおねしょはなくならないし…。豊和君を抱えてここに寝せる?駄目駄目駄目!!!駄目だよねそんな事…。私のおねしょの罪を豊和君に擦り付けるなんて出来ない…。正直に言うしか無いのかな?正直に言うなんて恥ずか死ねるんだけど!?どうすればいいのか分からず涙が出てくる…。


「うっ……うぅっ……ぐすっ……………」


「…怖い夢でも見たの柚希?」


 ─豊和君の声…。泣いてる私の傍に来てベットに腰掛け声を掛けながら頭を優しく撫でてくれる。


「大丈夫だよ?大丈夫だから泣かなくても良いからね?」


「とよがず…くぅん…」


「もう大丈夫だから…ね?」


罪悪感も湧いてくる…。一瞬でもこんな優しい豊和君のせいにしようとした自分に腹も立つ…。打ち明けよう…。そんな事を考えてしまった罰なんだコレは…。しばらくして涙が止まり私は意を決して話し出す。


「あのね…豊和君、私…」


「ん?」


「私…我慢出来なかったみたいで…」


「ん」


「おおお、おねしょ…しちゃった…の」


「ん」


「き、嫌わない…で?」


「嫌わないよ?それよりも…ごめんね?」


「えっ?豊和君が謝る事じゃっ…謝るのは私の方で…」

「ううん…僕のせいで気絶させてしまったし、それに…」

「…それに?」

「僕が柚希を部屋に運んでればこんな事になっていないでしょ?恥ずかしい思い迄させてしまって…。女の子の部屋に勝手に入るのはアレかなと思ってここに寝かせた僕のせいなんだよ?だからそんなに気にしないで?」

「豊和君…」



 私はそれから着替えて来るねとベットを抜け出してお風呂場へ。シャワーを浴び戻って来ると後始末は全てやってくれていた。世界中で私だけじゃないだろうか?男性におねしょの後始末させるなんて…。ううっ…私の馬鹿/////。


「ほほ、ホントにごめんなさい/////」


「何の事?」


「何の事って…」

(それは…おねしょした事なんだけど…)


「そうだ…明日は何が食べたい?」


「…何でも良いの?」

「勿論!柚希の食べたい物何でも作るよ?」


 何も無かった様に接してくれてそんな風に言ってくれる。こんな人他に居ないよ…。どんどん惹かれて好きになる…。


「じゃあ…ハンバーグ/////」


「了解…腕によりをかけて作るからね?」


 そういって笑う豊和君の笑顔に私はしばらく見惚れているのだった…。


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