第12話

更になんだかんだで約八ヶ月。

『早いねぇ、もうクリスマスだよ。』

「なに平然と私の家の中にいるんですか。不法侵入で通報されたいですか?」

『なんでよ、クリスマスだから一緒に過ごそうと思って事前に合鍵用意しておいただけじゃん。』

「絶対それ犯罪だと思いますけど、結構な重罪だと思うんですけど。」

『まあまあ、はいこれ、クリスマスプレゼント。』

「なんですか?この紙袋いっぱいのぬいぐるみとお菓子たちは。」

『クレーンゲームやりまくって取れたぬいぐるみとお菓子たち。君へのクリスマスプレゼントー!』

「、、返却致します。」

『ええ、僕食べないし、飾らないしもったいないからさ?貰って?』

「、、わかりました。貰うだけ貰っておきます。」

『じゃあ、僕今日のところは帰るね。クレーンゲームとパチンコとバッティングセンターと酒とタバコでお金無くなってバイト詰め込み中なんだよね。じゃあバイバーイ!』

嵐のように過ぎ去ってったな。

ってかちゃっかりパチンコとバッティングセンターとお酒とタバコにもお金使いまくってます宣言しちゃってるし。

とりあえず捨てることになるのももったいないしお菓子食べるか。




一時間後。

暇、なんか暇。

いっつもはあの人がうるさくしてるのに急にいなくなるとなんか暇、つまんない。

ん?なにこれ、なんか高級そうな箱だな。

まあ、あの人だからそんな高いものなわけないけど。

とりあえず開けてみよ。

「なに、これ。ネックレス?と、手紙?」


"柚香ちゃん!ハッピーメリークリスマス!ネックレス買うのにヒモ生活の僕がバイト頑張ったんだよ!!褒めてくれ!!"


ヒモだったんだ、あの人。

え、誰の?てかその人ストーカーなこと知ってるの?


"なんか直接渡すとか苦手だからクレーンゲームとかパチンコの景品に混ぜちゃったけど、この手紙読んでるってことは見つけてくれたんだね。よかった!最近柚香ちゃんに他のストーカーがついてるの見かけてさ、心配だったから護身用ね?そのネックレス。"


他にも私のストーカーいるんだ。

ってこれ怖がるべきなのに正常な反応できてないって、私結構やばくないか。


"まあ、ネックレス買ったからお金無くなってまたバイト増えちゃうんだけどさ、あと飼ってくれてた子にストーカーってバレて捨てられちゃったし。バイトで会える日、というかストーキングできる日減っちゃうんだけど、これからもよろしくね!一生柚香ちゃんのこと愛してるよー!!"


やっぱり捨てられたんだ。

ストーキングできる日減ってくれてありがとうございます。

これからもよろしくじゃないでしょ。

って、なんで私泣いてんの。

なんか、なんでこんなに、嬉しいんだろ。

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