第6話
家に来てしまった。
ん?なんで私の家なの?
「何ちゃっかり私の家に来てるんですか。」
『だって僕の家の場所、君知らないでしょ。』
「当たり前じゃないですか。私はあなたのストーカーなんてしてないんで。てかやっぱり家も知ってるんですね。とても気持ち悪いです。」
『まあまあ、オムライス作るから待っててー。』
この人許可取らずに勝手にキッチン使ってるし。
友達の家に行ってトイレ借りていい?って聞く必要ないのに聞く世間に対して、この人は何も聞かずに無言でトイレ借りるタイプだ。
小学生でもほとんどが聞くのに。
私も小学生の頃は友達がいたから家に遊びに行くと聞くことあったし。
いやそんなことはどうでもいい。
まじでストーカーと夜ご飯を食べるのか、私。
我ながらどうかしているな。
絶対この人のテンションおかしすぎて私までおかしくなったんだ。
『出来たよー。』
ストーカーの作ったご飯を食べる私もどうかしているが。
「、、いただきます。」
うん、意外と美味しすぎてなんかムカつく。
『どうよ、今日今までで一番上手く作れたと思うんだけど。』
見た目も綺麗なのが余計にムカつく。
この人の話なんか頭に入らんくらいなんかムカつく。
『美味しいって顔してんねぇ。お兄さん喜んじゃうわ。』
「おじさんじゃないんですね。」
『酷くない?どう見てもイケメンのお兄さんじゃん?』
たしかに整った顔ではある、ムカつく。
声もいいのがさらにムカついてくる。
てか私より肌つやつやだし。
手も綺麗だし、なにそれ、まじでムカつく。
もう自分の感情が本当に分からない。
美味しいし、世間的にはイケメンだし、ムカつく。
この人絶対見た目だけで人生ハッピーの人だわ。
てかなんで私なんかのストーカーしてんの、この人。
「なんで私のストーカーなんてしてんですか?絶対見た目とかなんか色々で人生ハッピータイプですよねあなた。小中高時代はバレンタインにチョコ貰いすぎて食べきれません、分けてあげますタイプですよね?なんでそんな人が私みたいなド陰キャ人間のストーカーするんですか。」
『ほんとに君は自己肯定感低いよね。君って結構可愛いじゃん。顔も小さくてパーツのバランスよくてさ、スタイルなんて上から91、49、85くらいでしょ、大体で。最高以外の何物でもないでしょ、君は。』
うん、気持ち悪い。
理由もやっぱり気持ち悪い。
なんでスリーサイズ知ってんの、大体でって言っておきながらピッタリ当ててくるのなに?いや、怖すぎでしょ、は?気持ち悪い、やっぱり気持ち悪い。
「心の中でも言った回数を数えて今日一日で気持ち悪いを言いすぎてます、私。多分一生分の気持ち悪いを今日言い切りました。」
『そんなことないと思うよ。たぶん僕の部屋見たらまた君は気持ち悪いって言うよ、きっと。』
「そのちょっと誇らしげに言うのなんなんですか、頭大丈夫ですか?イカれてますか?」
『え、僕ストーカーしてる時点でイカれてるんじゃないの?誇らしげに言うのでやっとイカれてる判定なの?』
「あ、イカれてるって自覚あったんですね。」
『てかもう結構時間経ってるね。あ、僕電車なのに帰るお金ない。泊めて?』
「それはさすがに馬鹿です、無理です、やめてください、今すぐお帰りください、野宿でもして明日日雇いのバイトでもして帰ってください、さようなら。」
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