第7話、仕事

私の名前は小夜。

いま、めちゃくちゃ大ピンチな状態じょうたいだ。

「お金使いすぎた…」

「使いすぎるなって何度も注意しただろ」

「だってスキル石が安かったんだもん」

「そういえば小夜のスキルってなんだ?」


瞬間移動しゅんかんいどう絶対命中ぜったいめいちゅう剣術けんじゅつだけど?」


「いや、もっと持ってるだろ。信頼しんらいとか操り人形とか」

「あーそうだったっけぇ~」


「それより面白そうな仕事見つけてきたからこの中から選べ」

「はいは~い」


えーっと


工場と魔法研究所まほうけんきゅうじょ事件解決班じけんかいけつはん魔術研究班まじゅつけんきゅうはん

ダンジョン整備、ダンジョン配信なんてのもある。


「うーん迷うなぁ」

「俺はダンジョン配信が一番稼ぎやすいと思うぞ」

「なんで?あースキルめっちゃ持ってるから勇者配信アプリで瞬殺とかでトレンド一位か」


ソファーでゴロゴロしながらそんなことを考える。


「でも身バレするのはよくないから…」

「んー仮面でもかぶれば?」

「それいいね!じゃ、仮面買ってきまーす」

「おいちょっと待てよ」


ガチャ

扉が閉まる。


部屋の中で一人になったふきとがぽつりと言う。

「はぁー。言えないよなぁ。あんなこ…」

「だーだいまー!」

「お前早すぎるだろ」

「へ?瞬間移動持ってたらこれぐらい普通ですーだ」

唇をとがらせブーブーしている


「で?仮面を見してくれ」

「それが...」

「何でこんな高い値段がついてるのを買ってきたんだ?」

ふきとがタグを見てニコニコしながらグーパンを構えていた。


「すみません。でもふきとの口座からとってきたから私のおこずかいは0にならずに済みました!」

ふきとがあきれたようにいう。

「プリン」

「あっ」

「やっぱりたべたのお前だったのか。くっそー!今金がなくて大ピンチだってのによぉ!」

「ごめんなさーい!」

この二人の声が森中に響き渡るのであった。

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