第3話 想定通り増えた
さて、地球人で例えるならば、日本人(俺)が他の惑星で孤独に戦っていたところへ急にアメリカ人(
わかるか。
つまりはもうめちゃくちゃなのだ。
それでも地球人にしてみれば、俺達は同じ『ネイバー』なのである。この美しい星を守るために遥か遠い銀河の彼方から駆けつけてくれた正義の巨人(ちなみに体長は約40m)なのだ。
「もしかして彼らは義兄弟なのではないか」
などというとんでもない声もあった。
違う違う違う!
マジで俺ら全員無関係だから! 何なのその『義』の要素! 出身地だって掠ってすらいないから! 東京と大阪とかそういうのでもないから! 日本とアメリカとブラジルだから! 思いっきり初対面だし! 俺達の言葉よく聞いて? 全然違うから! お前達だって英語と中国語は同じに聞こえないだろ? そういうことだぞ?! 顔の作りも身体の模様も全然違うから! 何? そんなものは誤差だって? ええい畜生!
けれど俺達の志は同じようである。
この地球を侵略異星人から守ることだ。
ま、まぁ最悪そこさえ同じならね? 俺らで争うとか一番まずいやつだし。何せここ、他所の星だしさ。
そこではたと気付くのである。
そもそも何でこいつらこの星にいるんだ? たまたま立ち寄ったにしてはありえないタイミングで駆けつけて来るし、どう考えてもここに住んでるだろ。でも、どうして。
まぁ、普通に考えてここに住んでるんだろうな。もしかしたら俺と同じでついうっかり地球人を死なせちゃったとか、そういう可能性もある。
とまぁそんなことを考えながら、週一ペースで来襲する侵略異星人や怪獣達と戦う日々である。ここまで来るともうだいたい予想はついたが、その後も着々と
で、なんやかんやあって現在、俺を含めて五人いる。
β→アメリカ人
γ→ブラジル人
地球人に置き換えるとこんな感じである。おうおう、だいぶ散らばってくれたなぁ。これでどう力合わせろっつーんだよ。ちなみにδは女性のようだった。だからってどうということはない。何度も言うが、言葉も一切通じない外国人なのである。いきなりロマンスが始まるだろうか、いや、ない。
ちなみにこの各国の例だが、ちゃんとその国のイメージ(もちろん俺の偏見)で割り振られている。
βは技が大きくて派手。
γはいつも陽気で気さく。
δはなんかロマンチック。
εは来るのが遅い(インド時間?)。
それでもどうにかこうにか俺達は頑張った。
何せ目的は一つなのだ。
彼らが一体なぜそこまでこの星にこだわるのかは正直わからない。俺だって正直、
深く突っ込んで聞いてみたいものの、何せ俺達にはそこまで突っ込める言語力がない。この時ほど『ネイバイリンガル』を欲したことはない。けれど俺が三回ほどなんやかんやで開発を阻止した結果、
「ネイバーの言葉を理解しようとすれば、神罰が下る」
みたいな風潮になってしまったのだ。違う違う、神罰とかじゃなくて思いっきり俺の私情だから。とにもかくにも人間達はそれの開発をやめてしまったのである。そういうわけで俺達は、なんとなーくわかるようなわからないような、みたいなジェスチャーでどうにか乗り切って来たのだった。
今後もまぁそんな感じでふわりふわりとやっていくのだろう。恐らく全員がそう思っていた。
が、ここへ来て、そうも言ってられない事態が起こったのである。
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