第3話

ポータルを通った先でオンレが視たものは星と空の境界だった。ダークブルーとスカイブルーが織りなす色彩画は長きを生きるオンレが何度見ても忘我するほど美麗であった。しかし今回は呆けさせてはもらえなかった。僅かの間をおいてオンレの身体は真っ逆さまに落ちていた。

「!!!?????」

オンレは想定外の事態に叫ばずには居られなかった。本来であれば輸送船内に転送し、そこからランデブーポイント上空で降下する算段となっていた。しかしオンレは高空を自由落下している。どうゆう訳かと視線を上げようとするより先に原因が近づいてきていた。オンレを掠めるかのように複数の航空機が音を置き去りながら通過し、オンレの遥か高空を飛ぶオンレを運ぶ予定だった輸送船に攻撃を開始していた。また視界外から接近してくる複数機があることをオンレは感知していた。

「制空権どころか星丸ごと主導権取られちゃってる☆彡」

既に攻撃態勢に入っていた航空機はオンレを標的と定め、搭載した魔法や物理弾の一斉射撃を敢行した。が、それらが着弾することは無かった。

 射撃が行われるよりも早くオンレは指先に力を籠めた。そのわずかな挙動から航空機数と同じ数だけの輝線が青空を翔け、貫いた。

 撃墜を確認するとオンレは地上へ向けて加速した。

爆発する機体の熱に目を細めながら、オンレはどんどん加速していく。ソニックブームと爆炎を纏いながら降下する姿は流星さながらだった。しかし流星は燃え尽きることで地上への被害は無いが、見た目流星のオンレは、燃え尽きることなく加速が続いている。そして速度上昇しながら地上に激突した。

 後に「反撃の狼煙」や「希望の星」などと揶揄される墜落事故、もとい人口クレーターがレニアに文字通り爆誕した。



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