第6話 雪ちゃんが広告塔 ?ってか広告塔って何 ?
「え、これから相談なの ? だって、もう」
アタシは
公園の中は
時刻は午後6時を過ぎようとしている。
「ごめんなさい。あたしがなかなか決心を出来なくて。自分の心に整理をつける事が出来なくて」
雪ちゃんが必死に
アタシは、そんな雪ちゃんに
「それって、アタシへの告白とかだよね ?」
雪ちゃんは
「それなら、雪ちゃんは悪くない!」
「え ?」
大きな声を出したアタシを雪ちゃんが驚いたような顔で見る。
「だって、告白だよ ? 雪ちゃんはアタシと優希が知らない
「・・・・勇気ちゃん。・・・・ありがとう、ありがとう」
さっきまで
アタシはそんな雪ちゃんを抱きしめる。
「ゴメンね、雪ちゃん。気づいてあげられなくて」
「そんな事ない。そんな事ないよ、勇気ちゃん」
アタシと雪ちゃんは
泣き笑いの顔を浮かべながら。
そこへ優希の声がする。
「俺も雪の気持ちは
そう言って頭を下げた後、優希が続ける。
「もう、こんな時間だから早く帰らないと俺らの家族が心配する。雪、
優希に言われた雪ちゃんがコクリと頷く。
涙を拭いた雪ちゃんは、いつもの雪ちゃんに戻ったように感じられた。
「明日の午後に校長先生たちに呼ばれてるの。そこで、あたしはハッキリと言いたいの。「もう、呼び出しには応じたくありません」って」
「明日の午後って土曜日なのに ? 優希、アタシは決めたよ。雪ちゃんを1人では行かせられない。アタシも一緒に行く」
アタシは「ケツイヲコメタ」
そうだ、そうだよ。
校長先生や変なオジサンたちの所へ「大切な雪ちゃん」を1人で行かせるワケにはいかない。決して。
「アタシが雪ちゃんを
「俺の事も忘れるなよ。じゃあ、明日の午前中に俺んちに集合な。それで午後になったら3人で校長室に乗り込もう」
チェッ、何か「オイシイトコ」を優希に持ってかれたような気もするけど。
でも、男子の優希が居てくれる事は心強い。体力面では頼りになるから。
雪ちゃんは
「そんな。あたしの個人的な事で2人を巻き込むなんて・・・・」
アタシと優希の声がハモる。
「
「そうだ、俺らは「仲良しトリオ」だろ」
そう言ってアタシと優希は、ニカッと親指を立てる。
すると雪ちゃんも、オズオズと親指を立ててくれた。
すっかり真っ赤になった公園に
翌日の土曜日の午前中。
アタシと雪ちゃんは優希の家にいた。
そこには優希の兄ちゃんが居て、アタシと雪ちゃんを出迎えてくれた。
メガネをかけていて
「兄ちゃん!」
「お兄さん、ご
アタシと雪ちゃんは
どんな人にでも
きっと雪ちゃんの「ホンノウ」とやらが「この人はダイジョーブ」って思ってるんだろうなぁ。
それから優希も
あらかじめ優希から事情を聞いていた兄ちゃんは「雪ちゃん本人の口から聞きたい」との事で、兄ちゃんが雪ちゃんに質問する事が多かった。
「それじゃ、今の雪ちゃんには「男の子になりたい」って言う
「はい、多分。あたしはホルモン
そっかぁ、雪ちゃんがアタシと優希に「男の子になりたい」って言ったのは昨日アタシが公園で言ったように雪ちゃんが1人で抱え込んでしまって雪ちゃんの心の中がグチャグチャになってしまってたからなんだ。
「今日、校長室に呼ばれたのは雪ちゃんだけなのかな ?」
「いえ、あたしの他に6年生の女子が2人。その人達は手術にも前向きでしたけど」
兄ちゃんが「うーん」と考え込む。
それから天井を
しばらくすると兄ちゃんは、ハッとしたカンジでアタシ達に語りかける。
「その校長を含めた何らかのグループは雪ちゃんを
え ? 「コーコクトウ」って何の事 ?
「もしくはシンボルか。そう言う事か!」
兄ちゃんは少し
「アニキ、それってつまり」
優希もよく判ってないみたいで質問する。
「数年前に
「・・・・ああ、アニキから聞いたな。確か
優希も思い出したみたいだけどアタシにはサッパリわからない。
「何らかの活動をしている
「なっ! それで雪を!」
優希の兄ちゃんはメガネを戻すと悲しそうにため息をつく。
「雪ちゃんはキレイな娘だからな」
そして、信じられない言葉を続ける。
「まだ10歳のこんな
つづく
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