ちょろいのだ〜れ?






「もう!ママしーっでしょ!」

「う"っ、だって虹くんが…………!!お、起きたんですね…おはよう?ございます」


怒りながら部屋を出てきた虹くん…かわi

じゃなくて!虹くんの向こう側に目をやると

ばっちり目が合いましたとさ……はぁ

起きて子供に怒られてるおばさんを見るとは…どんまい。

あ、今は16だったわ


てか返事ないし動かないし瞬きもしない…

え、死んだ?ここで?

何度も言うけど新居なのよ!?

勘弁して……


「なぁ」

「!?」

「あ、パパ!おはよう!」

「おはよう」


死んでなくて良かったけど…

パパは否定しない!?普通!!

え、私がおかしいの!?

「こ、虹くん…??パパじゃないよ??なんでパパ??」

「パパじゃ、ないの?」

「…パパだ」

「ちょーっと君は黙っててくれるかな!?」

「虹くん?そんな泣きそうにならないで??ママは虹くんがどうしてパパだと思ったのか聞きたいの」


「だって…ママが、ママが言ったんだもん。新しいお家は願いを叶えてくれるから幸せになれるのよって……」


「…?」

あれかぁぁぁぁぁぁ!!!


――ママ、新しいお家でも一緒にいられる?


――もちろん♡ママはずーっと一緒にいるよ♡


――ママはぼくといて幸せ?


――ふふっ、虹くんといれるだけでママはとー

っても!幸せ♡あのね、新しいお家(人生)は

願いを叶えてくれるの。虹くんももーっと

幸せになれるのよ♪(私が2度目の人生とい

う願いが叶い幸せなように)


――ほんとに!?楽しみだなぁ〜♪♪

どんなお願いしようかなぁ♪♪♪



あれか!!あれだな!?

違うよ!?虹くんが不安なのかと思ったんじゃん!!

まさかパパを欲しがるとは思わないじゃん!!!


どうしよう!!どうしたら…!?

よ、よし!

「そっか!確かにママが言ったもんね、うんうん!でもほら、この人じゃないかもしれないし!ね!?もうちょっと待ってみよ??」


お願い虹くん!!今はこれで納得して!

必ずパパ見つけるから!頼む!


「そっ…かぁ。そうだよね!どんなパパかはお願いしてないんだし、まだ分からないよね!」

「そっ、そうだよ!あはは…はは〜」


せーふ!!!!

さすが私じゃない!?!完璧すぎる!!!


「なぁ」

はっ!

「こっ、虹くん!お兄さん喉かわいたって!飲み物お願いしてもいいかなっ!?」

「あっ!そうだった!!持ってくる!」


素直な良い子でちょr…助かるわぁ♡

ほんっと可愛いしかない


「なぁ」

「あ!すみません!学生さんにパパとか巻き込んでしまって…」

「いや、別にいい。あんたこそ手当てしてくれたんだろ?ありがとう」

「い、いえ…」


見かけによらずめっちゃ良い子じゃない??

不良さんじゃないの??

じゃぁいじめられてる的な??

もしくは超絶ドジっ子??


「あ!君名前は?ご飯食べる??」

「食べる…名前は大雅-タイガ-。パパでも構わないがな…ふっ」


くっっっそかっこいんだけど!!

ふっ、だって!!やばい!動悸が!

お、おち、おちつけわたし


「も、もー!子供が何言ってんだか!」

「くっくっ…ふっ、ははっ!真っ赤になってんぞ」

「うっ、もうほんとに勘弁して…」


そんな事言われたら顔あげられないじゃん!!

くっそぅ…虹くん早く戻ってきてッッッ


「ママ〜?お茶でもいいかな??」

「うぇっ!?あ!全然いいよ!うん!お茶で!虹くんお昼食べよ、うん!それがいい!」

「くっ、ははっ!"パパ"も食べにリビング連れてってもらおうかなぁこうくん??」

「へっ?あ!うん!こっちこっち!」


手繋いで仲良く歩く後ろ姿を見ると

ほっこりしてしまうのは理想像だからだろう

だがしかし可愛い可愛い息子よ……

パパじゃない……

パパじゃないんだよ…………ぐすん



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