本文第五話

 ある駅から東京駅まで7分、東京駅から京都駅まで新幹線で135分、そこから草津駅まで20分、草津駅から手原駅まで4分、乗り換えの時間を考えると、合計三時間程度か。まぁ帰りも考えるとその倍…。まぁ、二十時までには家に帰れたら良いな…ハハハ…。


「開駿先輩!暇なのでこれをやりましょう!」


現在私は、京都駅行きの新幹線の車内にいる。しかもグリーン車…。もしかしたら贄暈さんはお金持ちのお嬢様なのかもしれない。まぁそこまで高いというわけではないので、決めつけるまではいかないのだが。


「何です?えーと…『面白い謎解き55問!』…」


「そうです!一緒にやりませんか?」


「いや…私は…」


「第一問!」


「無視ですか」


「“ SMTW◯FS ◯に入るアルファベットは?”ですって。何でしょう?」


「ナンダロウネー」


正直そこまで難しいわけではない。贄暈さんの持ってきた暗号の方がよっぽど難しい。答えは「T」、どうせ曜日を英語にした時の頭文字だろう。ありふれた問題だ。


「うーん…。Sが二つあるのは何か意味があるのでしょうか?」


「カモネー」


面倒なので私は答えを言わない。新幹線に乗っている間は、この問題が彼女の相手をするだろう。はぁ、早く時間が過ぎればなぁ…。

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