本文第六話

 何やかんや時間が過ぎて。


「着きました!」


私たちは滋賀県手原駅に到着した。


「あ!あれじゃないですか。「東経136度」って書いてあります!」


実は手原駅南口のロータリーには「東経136度の子午線が通る駅」と書かれたモニュメントがある。しかしながら、実は手原駅の経度はピッタリ東経136度ではなく少しずれている。


「いえ、本当の目的地はここから東にある本当の石標です」


割と住宅街にあるため少しばかり歩かなければならない。この炎天下の中、流石に暑い…。私に比べ、贄暈さんは涼しい顔して「歩く姿は百合の花」という言葉の通りである。すごいなぁ。


「え、この石標ですか?」


「はい。「東経136度 子午線」と書かれているので間違いないかと」


目的地に着いたは良いが、一体何をすれば良いのだろうか。別に次の問題があるわけでもないし…。


「開駿先輩!写真撮りましょう!」


「えーと、何で?」


「それが目的だからです!」


「あーそう。では写真を貸してください」


「石標が映る感じで、上手に撮ってください♪」


これに何の意味があるのか、皆目見当もつかないが、おそらく何かしらの事情があるのだろう。


「できましたよ」


「ありがとうございます!」


「では帰りましょうか」


「そうですね」


これで私と彼女の謎の旅は終わった。因みにこのあと謎解きを永遠にやらされた。正直言って疲れたが、まぁ楽しくなかったわけではないので、良い思い出になったかな。それにしても、あの暗号の目的は結局何だったのだろうか?

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