第40話 進化する究極星龍
響・翼・クリス ライフ:2 リザーブ:1 トラッシュ:12
響 手札:1
フィールド
【ピナコチャザウルス:赤(緑)・スピリット
コスト1(軽減:赤1):「系統:地竜」
コア1:Lv1:BP1000
シンボル:赤】
【龍星皇メテオヴルム:赤・スピリット
コスト7(軽減:赤3):「系統:星竜・勇傑」:【激突】【真・激突】
コア1:Lv1:BP6000
シンボル:赤】
【アルティメット・ジークヴルム:赤・アルティメット
コスト6(軽減:赤3):「系統:新生・星竜・竜人」:【真・激突】
コア1:Lv3:BP10000
シンボル:極】
翼 手札:5
ネクサス
【海帝国の秘宝:青・ネクサス
コスト4(軽減:青2)
コア0:Lv1
シンボル:青青】
クリス 手札:3
フィールド
【光の覇王ルナアーク・カグヤ:黄・スピリット
コスト7(軽減:黄3):「系統:覇皇・想獣」
コア1:Lv1:BP4000
シンボル:黄】
【光の天使ダリエル:黄・スピリット
コスト4(軽減:黄2):「系統:天霊」:【強化】
コア1:Lv1:BP3000
シンボル:黄】
【砲天使長ファイエル:黄・アルティメット
コスト6(軽減:黄3・極1):「系統:次代・天霊」
コア2:Lv4:BP13000
シンボル:極】
ネクサス
【光射す丘:黄・ネクサス
コスト3(軽減:黄2)
コア1:Lv2
シンボル:黄】
フィーネ ライフ:6 リザーブ:0 トラッシュ:5 手札:9
フィールド
【アスケラ・ドラゴン:赤(白)・スピリット
コスト3(軽減:赤1):「系統:星竜」
コア2:Lv2:BP3000
シンボル:赤(白)】
【滅龍帝ジエンド・ドラゴニス:赤・スピリット
コスト9(軽減:赤6):「系統:滅龍」
コア8:Lv4:BP20000
シンボル:赤赤】
【滅龍帝ジエンド・ドラゴニス:赤・スピリット
コスト9(軽減:赤6):「系統:滅龍」
コア8:Lv4:BP20000
シンボル:赤赤】
【滅龍帝ジエンド・ドラゴニス:赤・スピリット
コスト9(軽減:赤6):「系統:滅龍」
コア5:Lv3:BP16000
シンボル:赤赤】
【激神皇カタストロフドラゴン:赤・スピリット
コスト10(軽減:赤6):「虚神・古竜」
コア10:Lv3:BP20000
シンボル:赤】
【断罪の滅龍ジャッジメント・ドラゴニス:赤・スピリット
コスト10(軽減:赤6):「系統:滅龍」:【激突】
コア4:Lv3:BP16000+10000→26000
シンボル:赤+赤赤】
+
【裁きの神剣リ・ジェネシス】
ネクサス
【賢者の樹の実:緑・ネクサス
コスト4(軽減:緑2)
コア0:Lv1
シンボル:緑】
【彷徨う天空寺院:赤・ネクサス
コスト5(軽減:赤3)
コア0:Lv1
シンボル:赤赤】
【永遠なる神都:赤・ネクサス
コスト4(軽減:赤2)
コア0:Lv1
シンボル:赤】
十四ターン目が終了し、十五ターン目に差し掛かろうとするバトル。現在、響のフィールドには疲労状態のアルティメット・ジークヴルムと龍星皇メテオヴルム、そして回復状態のピナコチャザウルス。翼のフィールドには疲労状態のネクサス、海帝国の秘宝のみ。クリスのフィールドには疲労状態の砲天使長ファイエルと、回復状態の天使ダリエル。そして回復状態で存在するネクサス、光射す丘がある。
対するフィーネのフィールドには疲労状態のジャッジメント・ドラゴニスと彷徨う天空寺院が存在し、三体のジエンド・ドラゴニス、激神皇カタストロフドラゴン、アスケラ・ドラゴン、そして二枚のネクサス、永遠なる神都と賢者の樹の実が回復状態で存在している。
そして十四ターン目が終了し、十五ターン目が開始されようとする。本来は翼のターンだが、このターンはジャッジメント・ドラゴニスの効果によってフィーネが得たエクストラターンとして迎える事となる。よって、このターンもフィーネのターンだ。
「地球がリセットされた世界。無となった世界を見かねた神は、再び人を創造した。かつて双眼のソードアイズが語った人の夢、未来が今度こそ、破滅に向かわないことを信じて。時代が過ぎ、イセカイ界と呼ばれる未知の次元へ干渉する輝石の力が発掘され、人々が確固たる技術のみを信じ、誰も奇跡を信じなくなった世界。輝石の覇者達が戦い、新たな時代を切り開いた先の時代で、人々は広大な宇宙へと進出し始めた」
そしてフィーネが語るのは、地球がセットされた後の時代。その時代では、奏やフィーネが持っている、遺跡で発掘されたという紅蓮の輝石を始めとした輝石の力が、その時代でのおおきなうねりの中心となっていたようだ。
「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。Lv3の滅龍帝ジエンド・ドラゴニスをLv4に、賢者の樹の実をLv2にアップ!」
【滅龍帝ジエンド・ドラゴニス
コア5→8:Lv3→4:BP16000→20000】
【賢者の樹の実
コア0→3:Lv1→2】
「アタックステップ!」
フィーネがアタックステップを宣言した瞬間、彼女のフィールドの滅龍帝と激神皇が咆哮を張り上げる。合計六体のスピリット、内ダブルシンボル以上のダメージを叩き出すのは四体というとんでもない状況の中、フィーネが最初にアタックを宣言するスピリットは。
「激神皇カタストロフドラゴンでアタック!激突!」
「ピナコチャザウルスでブロック!」
ピナコチャザウルスでブロックが宣言された次の瞬間。カタストロフドラゴンが全身から白い光とを解き放つ。
「「「!?」」」
「カタストロフドラゴン、Lv3アタック時効果!コスト5以下の相手のスピリットにブロックされたとき、このスピリットは回復する!」
「おいおい……これじゃダリエルでも止められないぞ!?」
今、響達のフィールドに存在する回復状態のスピリットは光の天使ダリエルのみ。響とクリスの手札もスピリットしかいないことは明白。このままじゃこのエクストラターンで決着を付けられる。いや、それだけはしてはいけない。
「フラッシュタイミング!マジック、コールオブディープを使用!ブロックされない効果を持つ相手スピリットを破壊する!」
「ふん、そんなスピリットは存在しない!」
「承知している!さらに緑のシンボルがあることで連鎖発揮!カタストロフドラゴンを疲労させる!」
カタストロフドラゴンが青い光に包まれ、疲労状態へと追い込まれる。しかし、ピナコチャザウルスとのバトルが終わったわけでは無く、ピナコチャザウルスはカタストロフドラゴンの口から放たれた炎のブレスに焼き尽くされてしまう。
「激神皇を防いだところで所詮つまらない足掻きだ。続け、滅龍帝ジエンド・ドラゴニスでアタック!」
「ここで決めてみせる!フラッシュタイミング、ドラゴニックハウルを使用!不足コストは砲天使長ファイエル、光の覇王ルナアークカグヤ、光射す丘より確保!」
【砲天使長ファイエル
コア2→1:Lv4→3:BP13000→10000】
【光の覇王ルナアーク・カグヤ
コア1→0】
【光射す丘
コア1→0】
「自分のデッキを上から1枚破棄し、そのカードと同じコストの相手スピリットすべてを破壊する!」
「え!?」
「ちょ、ちょっと待てよ!?これで外したら……!」
敗北する。この状況を打開するには、コスト9のカードを破棄しなければならないのだ。翼のデッキトップに全員の視線が向けられる中、翼のデッキトップのカードがゆっくりとオープンされていく。
(頼む……!)
全員が息を呑んで見守る中、オープンされていくカード。そのカードの名前は、超獣王ベヒードス。そのコストは、
「来た!コスト9!よってコスト9の相手スピリットすべてを破壊する!」
「!?引き当てただと……!?」
瞬間、コスト9のジエンド・ドラゴニス達が一斉に爆散していく。一気にダブルシンボルのスピリット達を消し飛ばされ、フィーネも流石に舌打ちを鳴らす。
「よし……!」
「翼さん!」
「なんて無茶を……」
「ふん、だがまだアタックステップは終了していない!ソード合体スピリット!激突!」
「光の天使ダリエルでブロック!」
ジャッジメント・ドラゴニスの羽ばたきによって生じた嵐のような竜巻がダリエルを一撃で破壊する。しかし、これでこのターンを防ぎきった。その事実に少なからず安心感が三人の心の中に生まれる。
「このターンで仕留めきれはしないか。が、ライフは二つも残しはしない!アスケラ・ドラゴン、アタック!」
「「「ライフで受ける!」」」
アスケラ・ドラゴンの体当たりが三人に襲い掛かり、残った二つのライフの内の一つを砕く。これで本当に後が無くなった三人だが、その表情に諦めの色はない。いや、諦めることなど出来る訳が無いのだ。この状況で、そしてこのバトルで。
「エンドステップ!賢者の樹の実、Lv2効果によって自分のスピリットすべてを回復させる!ターンエンド」
そしてターンが終わる直前に三体のスピリットが回復し、起き上がる。が、これで三人は無事にエクストラターンを生き延びることができた。そして次のターンを迎えるのは翼。ここで、一気に状況を引っ繰り返す為の一手を狙う。
「スタートステップ!コアステップ!ドローステップ!リフレッシュステップ!メインステップ!マジック、ストロングドローを使用!デッキからカードを3枚ドローし、その後手札2枚を破棄する!」
翼の手札から青玉の巨大迷宮、海帝国の秘宝の二枚が破棄される。続けて、翼は手札に眠る一体のブレイヴを呼び出す。
「フォビッド・バルチャーを召喚!」
【フォビッド・バルチャー:青・ブレイヴ
コスト5(軽減:青2):「系統:戦獣・爪鳥」
コア1:Lv1:BP4000
シンボル:なし】
鎖によって身体中を繋がれた黒い翼をもつ巨大な鳥がその姿を出現させる。トラッシュへと落とされたネクサスを回収する強力な効果を秘めたブレイヴを呼び出し、翼は一気に攻撃の為の準備を行う。
「フォビッド・バルチャー、召喚時効果!トラッシュの紫/緑/青のネクサスすべてをノーコストで配置する!青玉の巨大迷宮、海帝国の秘宝を配置!」
【青玉の巨大迷宮:青・ネクサス
コスト3(軽減:青1)
コア0:Lv1
シンボル:青】
【海帝国の秘宝:青・ネクサス
コスト4(軽減:青2)
コア0:Lv1
シンボル:青青】
出現する、二つ目の秘宝。さらに、その秘宝を覆うかのようサファイアの色で構築された巨大な迷宮が翼達の背後に出現する。
「バルカンバイソン、巨人大帝アレクサンダーを召喚!」
【バルカンバイソン:青・スピリット
コスト6(軽減:青3・極1):「系統:異合」
コア1:Lv1:BP5000
シンボル:青】
【巨人大帝アレクサンダー:青・スピリット
コスト6(軽減:青3):「系統:闘神・勇傑」
コア1:Lv1:BP6000
シンボル:青】
風に靡く赤いマント。身体に纏われた鋼の鎧。左腕に取り付けられた自らを護る盾。右手に握られた全てを貫かんとする強大な槍。青のXレア、巨人大帝アレクサンダーはその姿をバルカンバイソンと共に降臨させる。
「この状況を切り開く剣はこれしかない!」
これで準備は整った。彼女のフィールドには三体の青のスピリット。これにより、アルティメットの召喚条件は満たされ、彼女もまたそれを呼び起こす歌を解き放つ。
「我が刃よ、防人の歌と共にその剣を顕現せよ!アルティメット・オライオン、召喚!」
【アルティメット・オライオン:青・アルティメット
コスト8(軽減:青3・極1):「系統:新生・闘神」
コア1:Lv3:BP15000
シンボル:極】
翼の歌と共に大地がひび割れていき、そこから巨大な土煙が大地が崩壊する音と共に出現していく。煙の中からゆっくりと現れる、金色の装甲を両腕や腰、胸などに纏った、金髪の巨人。その赤い目と青い皮膚に秘められた戦士としての覚悟と、その巨大な剣に刻まれた力を翳し、アルティメット・オライオンは降臨する。
「来た!翼さんのアルティメット!」
「アルティメット・オライオン!召喚時効果!Uトリガー、ロックオン!」
翼の手に出現した短剣がフィーネのデッキに命中し、デッキトップのカードをトラッシュへと落としていく。
(フィーネのデッキは40枚は超えている。残りが何枚かは分からないが、ここでクリティカルヒットを出せれば……!)
「ホワイトホール、コスト6!」
「くっ……ヒット!コスト合計12まで相手スピリットを好きなだけ破壊する!激神皇カタストロフドラゴンを破壊!!」
アルティメット・オライオンが剣を振りかぶり、カタストロフドラゴンへと蒼の斬撃を放つ。蒼の一閃となって放たれたそれは、カタストロフドラゴンを両断し、カタストロフドラゴンはその一撃に沈む事となる。
「く……!」
アルティメット・オライオンのトリガーが命中し、振り抜いた剣を再び構え直すアルティメット・オライオン。その横に立つアルティメット・ジークヴルムが咆哮を上げ、さらにアルティメット・ジークヴルムの隣に浮かぶ砲天使長ファイエルがプラズマの擦れ合う音を響かせながらライフルを構える。
「「「装者の力、ここに集結!」」」
三人の声が重なり、それに呼応するようにアルティメット達もその輝きを一段と強める。ライフの差は大きい。手札の数も段違いだ。だが、こちらにはアルティメットと言う強力な力がある。フィーネは既に繰り出したアルティメットをデッキを最後まで掘り進めない限り引く事は出来ない。寧ろ、強力なスピリット達を倒した点で言えばこちらのほうがずっと優勢だ。
「響……!」
「よし、これならば!」
モニターを通じて戦いを見ていた未来達も、勝利を予感する。どんな困難が訪れても、この三人ならば最後まで抗い続け、乗り越えて見せる。そう強く感じさせる感情がその言葉には込められていた。
「フォビッド・バルチャーをバルカンバイソンに合体!Lv2へ!」
【バルカンバイソン
コスト6+5→11:【強襲:1】
コア1→2:Lv1→2:BP6000→7000+4000→11000】
バルカンバイソンの背中に、胴体を消滅させて翼だけとなったフォビッド・バルチャーが重なり、新たな両翼をバルカンバイソンは得る。
「さらに龍星皇メテオヴルム、海帝国の秘宝をLv2へアップ!」
【龍星皇メテオヴルム
コア1→3:Lv1→2:BP6000→7000】
【巨人大帝アレクサンダー
【激突】】
【海帝国の秘宝
コア0→1:Lv1→2】
メテオヴルムのLvが上がったことで、系統:「勇傑」を持つ自分のスピリットすべてに激突が与えられる。その力によってアレクサンダーにも激突の力が与えられる。
「アタックステップ!」
「断罪の滅龍ジャッジメント・ドラゴニスの効果!お互いのアタックステップ開始時に手札の赤のカード1枚を破棄することでこのターンの間、自分のスピリットすべてにBP+5000!」
【アスケラ・ドラゴン
BP3000+5000→8000】
【断罪の滅龍ジャッジメント・ドラゴニス
BP16000+10000+5000→31000】
フィーネの手札から赤のネクサス、彷徨う天空寺院が破棄され、二体のスピリットのBPを上昇させる。迎撃の準備を整えたフィーネのフィールド。これではアルティメットでも下手に手出しはできないだろう。だが、ここは突っ込むしかない。例え、不利だと分かっていてもだ。
「合体スピリットでアタック!バルカンバイソン、Lv2・3効果!強襲:1!海帝国の秘宝を疲労させ、このスピリットを回復!さらに、バルカンバイソンの効果!自分のアタックステップ時、自分のスピリット/アルティメットの強襲でネクサスが疲労したとき、デッキから2枚ドローし、その後手札1枚を破棄する!さらにネクサス、海帝国の秘宝、Lv2効果!自分の青のスピリット/アルティメットの効果で破棄する自分の手札の枚数を-1枚する!よって、破棄する枚数は0!」
「ふん、お前がたかが2枚引いたところで……」
「ああ。私のデッキに残っているマジックでは可能性は限りなく低いだろう、だが!」
「まだ私のデッキにはあるんだよ!そのデカブツをどうにかできるかもしれないカードがな!」
クリスがデッキから2枚のカードをドローする。デッキトップのカードはライフレボリューションであることは確定しているため、その次のドローカードが重要となる。そして、それをクリスが手札に加えたところでフィーネは更なる一手を突き付ける。
「阻め、ソード合体スピリット!」
ジャッジメント・ドラゴニスの背後に十一の光の剣が出現する。その光の剣が次々とバルカンバイソンへと降り注いでいき、その命を奪おうとする。
「やっぱそのデカブツをぶつけてきたな!おかげで、最高のタイミングでこいつが使える!フラッシュタイミング!マジック、リバーシブルスパーク !不足コストは合体スピリットとメテオヴルムより確保!」
【バルカンバイソン
コア2→1:Lv2→1:BP7000→5000+4000→9000】
【龍星皇メテオヴルム
コア3→1:Lv2→1:BP7000→6000】
「このバトルの間、BPを比べるとき、バトルしているお互いのスピリットのBPを入れ替える!」
【バルカンバイソン
BP5000+4000→31000】
【断罪の滅龍ジャッジメント・ドラゴニス
BP16000+10000+5000→9000】
天空から降り注いだ雷鳴を浴び、バルカンバイソンとジャッジメント・ドラゴニスのBPが逆転する。そしてバルカンバイソンの翼が広げられ、その身体が光となってジャッジメント・ドラゴニスの放った光の剣を次々と振り払っていく。そしてその身体にバルカンをめり込ませ、全力で引き金を引いてその身体に全ての弾丸をぶち込んでいく。そして、ジャッジメント・ドラゴニスが崩れ落ち、その身体から射出された裁きの神剣が地面に突き刺さる。
【裁きの神剣リ・ジェネシス:赤・ブレイヴ
コスト6(軽減:赤3):「系統:剣刃」
コア4:Lv1:BP6000
シンボル:赤赤】
「っ……おのれ……!」
「よし!」
「ジャッジメント・ドラゴニスを倒した!」
「さらにアレクサンダーでアタック!強襲により光射す丘を疲労させ回復!さらにバルカンバイソンと海帝国の秘宝の効果により2枚ドローする!」
「阻め、アスケラ・ドラゴン!」
「フラッシュタイミング!」
アレクサンダーのBPは6000。対するアスケラ・ドラゴンはBP8000。このままならアレクサンダーの方が返り討ちに遭うだけ。しかし、
「ストロングドロー!不足コストは海帝国の秘宝より確保!」
【海帝国の秘宝
コア1→0:Lv2→1】
「アレクサンダーにBP+3000!」
【巨人大帝アレクサンダー
BP6000+3000→9000】
BPがアスケラ・ドラゴンを上回り、アレクサンダーの振り上げた槍がその身体を激しく打ち付け、吹き飛ばす。そして、
「再びアレクサンダーでアタック!アタック時効果、強襲!二枚目の海帝国の秘宝を疲労させ回復!バルカンバイソンの効果で2枚ドローし、手札1枚を破棄する!立花!」
「はい!」
響のデッキから二枚のカードがドローされ、手札のハービッグ・ワイバーンが破棄される。そしてアレクサンダーが振り上げた槍が、フィーネへと叩きつけられる。
「ライフで受ける!賢者の樹の実の効果により、相手のスピリットによって自分のライフが減らされたとき、ボイドからコア1個を自分のリザーブに置く!」
アレクサンダーが叩き付けた槍が、フィーネのライフを穿つ。同時に賢者の樹の実から金色の果実がリザーブへと落下し、新たなコアへと変化していく。
「構うものか!アレクサンダー!」
「ライフで受ける!賢者の樹の実の効果によりコアを追加!」
「アルティメット・オライオンでアタック!」
さらに続き、アルティメット・オライオンがアレクサンダーと入れ替わりになるようにフィーネへと迫る。振り上げたその剣は、フィーネのライフを両断する。
「ライフで受ける!」
アルティメット・オライオンの刃がフィーネのライフを切り裂き、その全身に大きな衝撃を与える。それをその身で味わいながらもフィーネは特に何かを感じるわけでは無く不敵な笑みを崩さないでいた。
「ターンエンド」
「人々が宇宙へ進出し始め、銀河系の外と通じ合い、遥か先の時代。私は塔を作り、あの御方の隣に立とうとした。しかし、神は人の未来を、夢を期待していたと同時に自らの隣に人が立つことを許しはせず、塔を破壊、人々に呪いを与え、人々は永き争いの時代を巡る事となった。人が人を殺す為の兵器としてノイズが誕生し、ノイズの保管庫たるバビロニアの宝物庫が誕生したのもこの時代だ。が、人々はそんな世界でも争いながらもかつてのように発展を続けた。いや……争いがあったからこそ発展したというべきか」
「……」
ノイズのことについても触れ始めるフィーネ。彼女の話が事実なのならば、ノイズや自分達が纏っているギアの元となる聖遺物が作られたのは最近の方だということになる。無論、それは原初の時代から今までを一纏めにしたらの場合ではあるが。
「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。ダークマタードラゴンをLv3で2体召喚!」
【ダークマタードラゴン:赤・スピリット
コスト4(軽減:赤2・極1):「系統:星竜」
コア4:Lv3:BP7000
シンボル:赤】
【ダークマタードラゴン
コア4:Lv3:BP7000
シンボル:赤】
フィーネのフィールドに現れたのは、黒に近い青い鉱石を全身から生やした巨大なドラゴン。その身体の中では周囲の星の光と反するように赤く輝く光が蠢いており、登場と共に雄叫びを上げる。
「ダークマタードラゴンの召喚時効果により、トラッシュのコスト5以下の赤のスピリット1体を手札に戻す。2体召喚されたことでプロフェット・ドラゴンとアスケラ・ドラゴンの2体を手札に戻し、プロフェット・ドラゴンをLv2、アスケラ・ドラゴンをLv3で召喚!」
【プロフェット・ドラゴン:赤・スピリット
コスト2(軽減:赤1):「系統:戦竜」
コア2:Lv2:BP3000
シンボル:赤】
【アスケラ・ドラゴン:赤(白)・スピリット
コスト3(軽減:赤1):「系統:星竜」
コア4:Lv3:BP5000
シンボル:赤(白)】
黄色い竜と白い竜の二体がフィーネのフィールドに再び出現する。プロフェット・ドラゴンには召喚時に手札のコスト8以上のスピリットを公開することで得る効果があるのだが、フィーネは今回は使用しないようだ。
「さて、頃合いか」
「「「?」」」
手札から一枚のカードを取り出すフィーネ。その行動を訝しげに見る三人、彼女達にフィーネはその紫のブレイヴを公開しながら、面白そうに笑う。
「見せてやろう。これが、ネフシュタンが変化した新たな姿!アームドギアの真なる形!現れよ、蛇星鞭サビク!召喚!」
【蛇星鞭サビク:紫・ブレイヴ
コスト3(軽減:紫1・極1):「系統:剣刃」
コア1:Lv1:BP2000
シンボル:なし】
フィーネのフィールドに出現したのは、蛇のような姿をしたブレイヴ。蛇の顔の先端には紫色の宝石のようなものが咥えられているのが確認出来る。
「何だこのブレイヴは……!?」
「今、アームドギアって……」
自分の両腕を見ながら、響は先程のフィーネの言葉を脳裏でもう一度復唱し直す。アームドギアがカード。それは、どういうことなのか。
「全く、装者はどいつもこいつもレベルが低すぎる。アームドギアをただの武器としか思わず、これがカードになるという事実にすら辿り着けない。おかげで、これを知ってるのは私と、今初めてこのことを知る貴女達だけよ?尤も、ソードアイズ達の時代であれば誰もが気付けたでしょうけど」
「これが、ネフシュタンのアームドギア……!?」
「まぁネフシュタンはシンフォギアではないから厳密には違うけれど……まぁ意味としては大体同じだからいいわ。サビクをダークマタードラゴンに合体!」
【ダークマタードラゴン:赤+紫
コスト4+3→7
コア4→5:BP7000+2000→9000】
ダークマタードラゴンの手にサビクが握られる。鞭という得物を手にしたダークマタードラゴンは、全身から自身が得た色である紫の光を放ちながら、響達へと迫ろうとする。
「アタックステップ!合体スピリットでアタック!サビクの効果により、疲労状態の相手スピリット/アルティメット1体へ指定アタックが可能となる!合体スピリットを指定!」
「フラッシュタイミング!マジック、ドラゴニックウォール!不足コストはすみません!合体スピリットとアレクサンダーから確保!」
【バルカンバイソン
コア1→0】
【巨人大帝アレクサンダー
コア1→0】
薙ぎ払うように放たれたサビクの一撃がバルカンバイソンがいた場所を切り裂く。同時に、メテオヴルムの身体が赤く、強く光り輝き、炎の壁を作り出す。
「自分の赤のスピリット1体を破壊することで、このバトルが終了したとき、相手のアタックステップを終了する!」
「エンドステップ、賢者の樹の実の効果により合体スピリットは回復する。ターンエンド」
完全に厳しい。幾ら盛り返しても尚、相手はそれを超えるかのように攻めてくる。こちらはコアの運用も手札もかつかつなのに、相手は余裕がある。しかし、このターンの相手の行動で一つだけ分かった事がある。それは、相手も息切れを起こしているという事。今は彼女の手札にも永遠なる神都が存在しないという事は明白だ。もしそれがあるのなら、先程のターンにそれを使用して最上級スピリット達を回収するのがベストな筈だ。なのにそれをしなかったということは、彼女の手札の枚数から考慮しても、彼女のデッキには永遠なる神都が一枚しか投入されていない可能性が高い。ならば、この下級スピリット達のラッシュさえ耐え切れば、勝てる。やっと見えてきた希望に繋がる道。それを、逃す訳にはいかない。
「スタートステップ!コアステップ!ドローステップ!リフレッシュステップ!メインステップ!イーズナ、天使スピエル、天使マカエル、天使ダリエルを召喚!全部最高Lvだ!」
【イーズナ:黄(赤)・スピリット
コスト1(軽減:黄1・赤1):「系統:戯狩」
コア3:Lv3:BP3000
シンボル:黄(赤)】
【天使スピエル:黄・スピリット
コスト0:「系統:天霊」:【強化】
コア2:Lv2:BP2000
シンボル:黄】
【天使マカエル:黄・スピリット
コスト2(軽減:黄2):「系統:天霊」:【強化】
コア2:Lv2:BP3000
シンボル:黄】
【天使ダリエル:黄・スピリット
コスト4(軽減:黄2):「系統:天霊」:【強化】
コア3:Lv3:BP5000
シンボル:黄】
首に黄色い宝石のペンダントをぶら下げた茶色い毛並みの山猫のようなスピリット、イーズナ。白い翼を広げ、灰色に近い髪を揺らす赤い目の天使、スピエル。赤い縮れた毛を靡かせる緑色の目を持つ二刀流を操る金色の鎧を纏った天使、マカエル。そして二体目のダリエルが一斉に召喚され、クリス達のフィールドを守る防衛ラインを築き上げていく。
「さらに、マジック、ライフレボリューションを使用!ボイドからコア1個を自分のライフへ置く!さらに赤のシンボルが存在することで連鎖発揮!BP合計5000まで相手のスピリットを好きなだけ破壊する!プロフェット・ドラゴンを破壊!」
ライフが増え、続けて放たれた黄色い炎がプロフェット・ドラゴンを焼き尽くしていく。一体でも数を減らし、同時にこちらの生命線であるライフを補充していき、より安定感を強めていく。
「アルティメット・ジークヴルムと砲天使長ファイエルをLv5、アルティメット・オライオンをLv4へアップ!」
【アルティメット・ジークヴルム
コア1→4:Lv3→5:BP10000→17000】
【アルティメット・オライオン
コア1→4:Lv3→4:BP15000→25000】
【砲天使長ファイエル
コア1→3:Lv3→5:BP10000→18000】
「アタックステップ!砲天使長ファイエルでアタック!Uトリガー、ロックオン!」
「永遠なる神都、コスト4!」
「ヒット!XUトリガー、ロックオン!」
「永遠なる神都、こちらもコスト4!」
「よっし!ヒット!!」
一気に二枚の永遠なる神都をトラッシュへと叩き落とし、思わず歓喜の声が漏れる。これでフィーネは墓地から大型スピリットを回収する手段を失ったと言っていい。両手に出現させたボウガンを収めながら、クリスはトリガー効果を宣言する。
「トラッシュのコア2個を自分のライフに置き、相手スピリットすべてにBP-10000!」
【ダークマタードラゴン
BP7000+2000-10000→0】
【ダークマタードラゴン
BP7000-10000→0】
【アスケラ・ドラゴン
BP5000-10000→0】
【裁きの神剣リ・ジェネシス
BP6000-10000→0】
ファイエルのライフルからばら撒かれたプラズマの弾丸がスピリット達を襲い、そのBPを奪い取っていく。そして、BPが0になったことにより、ダリエルがその力を発動させる。
「天使ダリエル、Lv2・3効果!相手のスピリットがターンで初めてBP0になったとき、ボイドからコア1個を自分のライフに置く!さらに天使マカエル、Lv2効果により、BP0になった相手のスピリットすべてを疲労させる!」
ライフを一ターンの間に四つ増やし、さらに相手のスピリットを疲労させる。そしてブロッカーを失ったフィーネは、砲天使長ファイエルのアタックに対し、一瞬だけアスケラ・ドラゴンを見た後に口元を緩める。
「ライフで受ける!」
ファイエルのライフルから放たれた鋭い弾丸がフィーネのライフを貫く。少し前まで大量にあったそのライフは、三人の決死の防御によって実った猛攻によって大きく削られ、勝利は目前と言う所にまで遂に手を伸ばす。
「ターンエンドだ」
しかし、ここは敢えて深追いはしない。あの手札に防御マジックが一枚も存在しない訳がないのだから。寧ろ、この状況だからこそ慎重にならなければいけない。慎重に戦線を見極めなければならないのだ。
「先史における時代はやがて、人々の争いによって滅びた。その後、辛うじて生き残った人々達は原始的なスタートを切り、次第に時代を積み重ねていく中で一人の少年の願いが切っ掛けとなり、とある夫妻の手によってバトルフィールドが開発された。まさにこの人類史における転換期とも言える技術は、その世代の死後、時代を経て発展し続けた。そして現在……今までノイズを自然現象としていたこの時代で災害として認知され、太古のバトルフィールド、エクストリームゾーンが再び発見される、聖遺物に秘められたエネルギーを得ようとする技術が生まれるなどの変化が起こった。そして新たな世界は、この私の手によって創られる!」
話の最後を締めくくるように宣言したフィーネは、獰猛な笑みを見せる。言い返そうとした装者達を黙らせるほどの迫力を持つその表情のまま、フィーネはターンを宣言する。
「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。プロフェット・ドラゴン、アスケラ・ドラゴン、ダークマタードラゴンをそれぞれLv2とLv3で召喚!」
【プロフェット・ドラゴン
コア2:Lv2:BP3000
シンボル:赤】
【アスケラ・ドラゴン
コア4:Lv3:BP5000
シンボル:赤(白)】
【ダークマタードラゴン
コア4:Lv3:BP7000
シンボル:赤】
「……くくく」
「……何がおかしい!」
不敵な笑みを見せるフィーネ。その真意を確かめようと声を上げる翼だったが、既にフィーネにその声は聞こえていない。が、その手に一枚のカードを握ると、彼女の周囲に浮かび上がる光の羽が色が巡り巡って変わっていくオーロラのように変色していく。その姿と、フィーネの尋常ならざる様子を見て、弾はある可能性に気付く。
「……この気配、まさか!」
「見るがいい!ブレイヴ使いよ!これこそ、永き時を経て、私が異界王を超えた証!漆黒の時より降臨せよ、星を統べる究極幻羅星龍よ!!アルティメット・ガイ・アスラ、召喚!!」
【アルティメット・ガイ・アスラ:赤・アルティメット
コスト8(軽減:赤4):「系統:新生・神星・星竜」
コア10:Lv6:BP50000
シンボル:極】
大地に巨大な亀裂が入っていき、そこから金色の身体が出現していく。ジャッジメント・ドラゴニスの全長に匹敵するかという程の長い胴体を持ち、その胴体はガイ・アスラのように複数の脚で支えられており、その上部には巨大な赤い鎧を纏った人型の形の上半身が存在し、その六つの手には特徴的な姿をした剣が握られている。そして最後に金色の膜が胴体からも消えていき、黒い皮膚が露わとなる。
「ガ、ガイ・アスラだとぉ!?」
「馬鹿な……あのガイ・アスラがアルティメットになったのか!?」
「な……!?」
ガイ・アスラの強大な力は装者達も知らないわけがない。そして、その巨大な姿を目の当たりにさせられた面々は、直接目の前で見せられた者たちだけではなく、モニター越しで見ていた人達にもその恐怖は伝わってきていた。
「な、何なの、これ……!?」
「レ、Lv6……!?」
「BP50000って、強化も何もなしでこれなの……!?こんなの……どうすれば……」
「……皆」
それを目の当たりにした弓美達は瞳を揺らしながらその圧倒的な姿に慄いていた。弦十朗も、隠しきれない冷や汗を流しながら、その強大な姿をその目に焼き付けていた。
(この姿は、裁きの神剣を手にしたガイ・アスラの姿を重ねさせる……まさか、あの合体が、ガイ・アスラを進化させたというのか……!?)
「アルティメットとなった、ガイ・アスラ……!」
さらにフィーネにも次なる変化が現れる。その全身をガイ・アスラのものと思われる黒い霧が覆っていき、その装甲はオレンジを基調とした巨大なものとなり、下半身もまたそれを呑み込む巨大な龍の下半身の装甲に包まれる。そしてその装甲から出現した翼からはオーロラのように色彩を次々と変えていく光の翼が展開されていく。その変わり果てた姿は、まさに黙示録の獣と言うべき凶暴な姿。変わり果てたフィーネは、新たな力をアルティメットへと宿らせる。
「これが、本来のシンフォギアの、アームドギアの使い方!蛇星鞭サビクを、アルティメット・ガイ・アスラへと移す!」
「アルティメットと合体だと!?」
【ダークマタードラゴン
BP7000】
【アルティメット・ガイ・アスラ:赤+紫
コスト8+3→11
BP50000+2000→52000】
ダークマタードラゴンの手から投げられたサビクがアルティメット・ガイ・アスラの身体の中に吸い込まれていく。そしてアルティメット・ガイ・アスラはサビクの力を得る。
「これが……本当のアームドギア……!?」
「アタックステップ!裁きの神剣リ・ジェネシスでアタック!」
「!イーズナでブロック!」
宙へと浮き上がった裁きの神剣は、フィーネの右手の動きに連動するように動き、イーズナを両断する。まずは一体。そして、
「ダークマタードラゴンでアタック!」
「天使スピエルでブロック!」
「さらにダークマタードラゴンでアタック!」
「天使マカエルでブロック!」
「三体目のダークマタードラゴンも続け!」
「天使ダリエルでブロック!」
三体のダークマタードラゴンが、自分達の前に立ちはだかった天使を、全て口から放った炎で焼き尽くしていく。もう響達に壁は存在しない。しかし、フィーネの完全な勝利を約束するには、ただライフを奪うだけでは駄目だ。彼女達の力の象徴、アルティメットを打ち砕くのだ。
「アスケラ・ドラゴン、プロフェット・ドラゴンよ、ライフを打て!」
二体のアスケラ・ドラゴンとプロフェット・ドラゴンが飛び上がり、三人へ向けてその爪を振り上げる。トリプルシンボル分のアタック、これを響達に防ぐ手段はない。
「「「ライフで受ける!!」」」
三体分のアタックの痛みが同時に襲い掛かる。そして全てが終わった後になり、アルティメット・ガイ・アスラが遂に動く。
「やれ、アルティメット・ガイ・アスラ!Uトリガー、ロックオン!」
フィーネの手から放たれた光弾は、大地を抉り、大気を震わせて響のデッキを破壊する。トラッシュへと落とされたカードは、雷光龍ライト・ジークヴルム。コスト6のスピリットカードであったのを確認してフィーネの表情が一層獰猛な笑みに変わる。
「クリティカルヒット!!自分のスピリットすべてのコアをこのアルティメットに置く!」
【アスケラ・ドラゴン
コア4→0】
【アスケラ・ドラゴン
コア4→0】
【プロフェット・ドラゴン
コア2→0】
【裁きの神剣リ・ジェネシス
コア4→0】
【ダークマタードラゴン
コア5→1】
【ダークマタードラゴン
コア4→1】
【ダークマタードラゴン
コア4→1】
【アルティメット・ガイ・アスラ
コア10→34】
「ダークマタードラゴンは効果によってコアは0個にならない」
フィーネのフィールドのスピリット達が一斉に消えていく。そして最後に残るのはダークマタードラゴンとアルティメット・ガイ・アスラのみ。大量のコアを吸収したアルティメット・ガイ・アスラはその手に巨大な紅蓮の光を生成し、それを響達へと叩き付ける。
「「「うわああああああ!?」」」
「響!!」
バキン、とライフが砕かれる音と共に光に呑み込まれる響達。光の中で駆け巡る膨大なエネルギーの奔流に呑まれた響達の悲鳴すらも掻き消され、光が弾けるように消えた先にいたのは、全身の装甲がボロボロとなり、身体中から黒い煙を上げて倒れた三人の装者の姿だった。
「「「「「「「「……」」」」」」」」
あまりの惨状を目の当たりにされ、声を失う。それでも、意識だけは失っていないのか、何とか身体を動かそうとして三人は顔だけ上げて目の前のフィールドを見る。
「アルティメット・ガイ・アスラのトリガーによってコアが1個以上このスピリットに置かれたとき、相手のライフのコア1個をリザーブに置く!さらにクリティカルヒットによってトラッシュからスピリットカード、滅龍帝ジエンド・ドラゴニスを手札に戻す!さらにサビクの合体時効果により疲労しているアルティメットに指定アタック!天使を喰らえ、アルティメット・ガイ・アスラ!!」
ファイエルが高速機動を展開し、アルティメット・ガイ・アスラに捕まらないようにしながら弾幕をばら撒いていく。しかし、その身体は一瞬の刹那の後に長い尻尾によって絡み取られ、そのまま地面に叩きつけられる。
「な、何故指定アタックを……!」
「貴様らの覚悟も、誇りも、アルティメットも、全て粉々にするためだ!フラッシュタイミング!アルティメットゲイン!不足コストはアルティメット・ガイ・アスラより確保!」
【アルティメット・ガイ・アスラ
コア34→30】
「自分の合体アルティメットすべてを回復させる!ただし、このターンの間、この効果で回復したアルティメットはトリガーを発揮できない!」
アルティメット・ガイ・アスラの身体が緑色の光を帯びていく。同時に地に叩き付けたファイエルを締め付け、爆散させると、次なる得物に目を向ける。
「っ……ファイエル!」
「続けて、アルティメット・オライオンを喰らえ!!フラッシュタイミング、アルティメットゲイン!」
【アルティメット・ガイ・アスラ
コア30→26】
「二枚目……だと……!?」
アルティメット・オライオンが剣を構え、アルティメット・ガイ・アスラへと飛び掛かる。その手に握る剣が蒼い光に包まれていき、巨大な剣をなってアルティメット・ガイ・アスラを両断しようとするが、それをたった一本の剣で受け止めたアルティメット・ガイ・アスラはもう一本の剣を叩き付けることによって巨大になった剣を粉々に砕き、三本目の剣でその心臓を貫き、爆散させた。
「アルティメット・オライオン……!」
「こいつで最後だ、アルティメット・ジークヴルムに指定アタック!フラッシュタイミング、アルティメットゲイン!」
【アルティメット・ガイ・アスラ
コア26→22】
最後のアルティメットゲインによる連続アタック。アルティメット・ジークヴルムが炎を纏い、槍のようになってアルティメット・ガイ・アスラへと激突していく。その激突を剣で弾き飛ばすと、アルティメット・ジークヴルムはその勢いに逆らわずに従う事で距離を取り、そのまま空中を旋回するようにしてアルティメット・ガイ・アスラを翻弄してから再び突撃を仕掛けるが、それを呼んでいたアルティメット・ガイ・アスラはアルティメット・ジークヴルムの身体に深い傷跡を刻ませ、そのまま大地へ叩き付け、破壊する。
「アルティメット・ジークヴルム!!」
「……皆」
もう、誰の目から見ても、敗北は確定的だった。もう動けない装者達。倒されたアルティメット。残った最後のライフ。それを奪い取る、最後のアタックを、フィーネは宣言する。悲願を達成する為の最後の一撃となる。その一撃を、心の底から、魂の内より溢れ出る興奮に声を震わせながら叫んだ。
「新たな時代を告げる時は来た!!トドメを刺せ!!アルティメット・ガイ・アスラ!!!」
アルティメット・ガイ・アスラが六本の剣を振り抜く。その一撃は、バトルフィールドが切り裂かれるほどの斬撃となって放たれ、バトルフィールドを破壊しながら装者達を呑み込んでいったのだった。
「「「「「「「「……」」」」」」」」
モニターが黒く染まり、中継が消える。思考が白く塗りつぶされ、言葉も何も出てこなくなる未来達。その中で、真っ先に我を取り戻した未来は、あの一撃に呑み込まれた友の名を、叫んだ。
「響イイイイイイィィ!!!」
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