第38話 決戦の時

「くっ……!」


「!弦十朗!」


 


砕け散るバトルフィールド。そこから投げ出された弦十朗が勢いよくアビスへと落下し、クレーターを作り出す。これには流石に応えたのか、クレーターの中で少しだけ呻き声を漏らしながらゆっくりと立ち上がる弦十朗の右手は血に塗れていた。


 


「右手が御臨終か。こりゃ、カードを持つこともままならんな……」


 


フィーネの行動は、米国がご丁寧に残してくれた痕跡から分かっていた。分かっていた上で装者達を全員動かし、弾を含めた面々でフィーネを捕えようとしていたのだ。しかし、フィーネの実力はこちらの予想を遥かに超えていた。弦十朗が駆け付けた頃には裁きの神剣を手にし、ネフシュタンと共にその絶大な力を振りかざす終わりの代行者となっていたのだ。


 


「司令!大丈夫ですか!?」


「ああ……まだ節々は痛むが……すまない、弾君。俺では……」


「いや……それより、早く二課から四人を避難させてほしい。この神々の砲台が起動することになったら、すぐ近くにいる彼女達が一番危ない。それも、弾を発射するここから近ければ近いほど」


 


負けたことを気にしている暇はない。それよりも、未来達を安全な所に避難させることが先決だと弾は口を開く。弦十朗も一瞬だけ弾を置いていくことへの迷いを見せたが、今はまだ弾は殺されないだろうと決断して、弾に背を向ける。


 


「大丈夫さ。まだ、俺達には希望があるんだろ?勝負は最後まで分からないから面白いんだ」


「……そうだな」


 


まだこちらには最後の戦力が残っている。響、翼、クリス。三人の装者という最後の切り札が。彼女達に全てを託し、彼女達が全力で戦えるようにするのが、今の自分達に残された役目であると言えるだろう。そう決断し、弦十朗は自分の落下と共に駆け付けてくれた慎次と共に歩き出すのだった。


 


 



 


 


「……これは」


 


リディアンの校舎の屋上。そこでフィーネは、了子の姿となって一枚のカードを見ていた。それは、裁きの神剣と一つになったことで並々ならぬ鼓動を見せた一枚のカード。それは今、金色の色を放っていた。


 


「くくく……ははははは……これは素晴らしい。これが、私が辿り着いた新たな境地!そうだ、この力の存在こそ、名実ともに異界王を超えたと言っても過言ではないだろう!!」


 


感極まった様な声で叫ぶ了子。そのカードに魅了されたかのようにうっとりとした表情を浮かべる彼女だったが、ふと視界の端に、こちらに向かって走ってくる響達の姿が見えたのを確認して表情を元に戻し、新たに構築し直したデッキにその一枚を投入する。


 


「これは……」


 


リディアンはノイズの襲撃によってボロボロとなっていた。空も既に太陽が落ち、満月が姿を見せている中、そこに漸く到着した響達。響は、真っ先に友の名前を叫ぶ。


 


「未来!?未来!皆!!」


 


叫ぶが、誰も答えるものはいない。クリスは弾に連絡を取ろうとしきりに通信機を弄るが、既に電力が死んでいる今、通信が届く事はありえない。


 


「リディアンが……?」


 


呆然となりながら呟く翼。自分達がノイズの対応に追われている中で起こった悲劇の惨状をその目に焼き付けていくと、その視界の端に了子の姿が映るのが見えた。


 


「貴女は……!?」


「っ!フィーネ!!お前の仕業か!?」


「「!?」」


 


了子のことをフィーネと呼んだクリス。その発現に響と翼も驚いた様な反応を見せる。が、シンフォギアの技術が敵にも流通していたことを考えればありえない話ではなかった。そう二人が悟ったのと同時に、了子、いやフィーネは高笑いを見せる。


 


「決着を付けてやる!降りてこい!フィーネ!!」


「はははは!装者よ覚悟するがよい!ここからが本当の勝負!」


 


フィーネの全身が青白い光に包まれ、ネフシュタンの金色の鎧が装着されていく。さらに、その鎧から赤黒い光の羽が出現していき、その容姿は本来のフィーネのものへと変わっていく。さらにその手に出現するデュランダルが裁きの神剣リ・ジェネシスのカードとなってフィーネのデッキへと加わっていく。


 


「嘘……」


 


ネフシュタンはまだ分かる。それは敵のものだったのだから。しかし、フィーネの手に握られていたデュランダル。アビスに安置されていたそれを何故彼女が持っているのか。二課には、弾もいたというのに。


 


「お前達は全て、私の掌で踊っていたにすぎない。何せ、こんな状況になって始めて私が本部というカモフラージュを敷いた上でカ・ディンギルを製造していたことに気付くのだからな」


「じゃあ……一緒にいたってこと……?ずっと……?」


「そうだ。全てはこの時の為に。既に二課の戦力は全て潰した。ブレイヴ使いも今は動けない。後は貴様らを潰せば、それで終わりだ!」


「「「!」」」


 


弾が動けない。こんな状況になっても彼が動けないその意味を、思わず悪い方向へと捉える三人。弾でさえも彼女には勝てなかった。そう感じ取り、三人の顔が厳しく歪んでいく。それでも、響はまだ希望はある筈だと、諦めきれないように口を開く。


 


「で、でも了子さん!了子さんは今まで、翼さん達と一緒にいたんですよね!?これが目的だったからって……一緒に過ごした時間全部が嘘って訳じゃないですよね!?それに、了子さんは私を守ってくれたじゃないですか!」


 


デュランダルを移送するとき、了子は自分を守ってくれた。それに、短かったとしても二課で共に過ごした日々までもが嘘偽りであったとは、とても信じ切れない。いや、信じたくない。が、その想いをフィーネは何の躊躇いもなく壊していく。情けも優しさもいらない、全力のバトルを行う為に。


 


「あれはデュランダルを守っただけのこと。お前が守られていたのは、偶然デュランダルの近くにいたからに過ぎない。幸運にもおこぼれにあり付けていただけだ」


「じゃ、じゃあ本物の了子さんは!?」


「本物?ああ、お前達が言う本物の桜井了子はいた。が、既に肉体も、その意志も、魂も全て、私が浸食し、喰らい尽くした。12年前にね」


「12年前だと……!?」


「二度の滅びを経験し、輪廻を超えて現れた超先史文明期の巫女、フィーネは遺伝子に己が意識を刻印し、自身の血を引く者がアウフヴァッヘン波形に触れた際にその遺伝子に刻まれた記憶を解放し、フィーネへと転召する力を持っている。十二年前、風鳴翼が偶然引き起こした天羽々斬の起動、それと同時に実験に立ち合った桜井了子が転召され、私が目覚めた」


 


既に了子は存在せず、その身はフィーネとなっている。そして、フィーネは己の悲願を、目的を達成する為に行動してきたのだ。


 


「了子さんは、もういなくて、フィーネが目覚めた……?」


「くっ……まるで、過去からの亡霊……!」


「亡霊か。言い得て妙だが……過去より魂が新たな肉体に宿り、転召を行うことなど歴史上では珍しいことではない。かつて、白の王と緑の姫君も同じことをしていたのだからな。そして私も同様に、過去幾度となく様々な人物がフィーネとして目覚め、その記憶、知識、智慧。全てが積み重ねられていった。言わば、ここにいる私こそ、過去のフィーネの集大成」


 


過去からの記憶。現代では存在しない知識、技術、理論。もしそれを利用することによって自分達が持つ聖遺物をこの力に変えていたのだとすれば。


 


「まさか、シンフォギアシステムも……!?」


「そうだ。元は代用品となる聖遺物、それを最高に高めたフォニックゲインで最強の力を手に入れさせるために考案したものだ。尤も、十二宮Xレアの存在のせいでこの局面ではまるで無意味になってしまった事自体は少々哀しいが……まぁ所詮子供の玩具のようなもの。暇は良い具合に潰せたから良しとしよう」


「子供の玩具だと!?貴様の戯言のために、奏は命を散らせたとでも言うのか!?」


「私を拾ったり、アメリカの連中とつるんでいたのもそいつが理由か!?答えろ!答えてみろフィーネ!!」


 


翼とクリスの質問に対してもフィーネは笑みを崩さずに答える。いや、寧ろ笑いを堪えているかのようにすら思える。それは、自分に対する笑いなのか。それとも、目の前の三人の滑稽さに対する笑いなのか。それを知るのは本人だけだろう。


 


「そう!全てはカ・ディンギルのためだった!起動せよ!カ・ディンギル、いや、神々の砲台よ!!」


「「「!?」」」


 


瞬間、大地が振動する。大地震かと錯覚させるほどの衝撃の中、どうにか二課から脱出し、地下シェルターの中で幾つかに分けられた部屋の一つの中に避難することに成功していた弦十朗達も、その影響を感じ取っていた。


 


「じ、地震!?」


「くっ……パニックになるな!自分を保て!」


 


弦十朗の強い言葉を受けながら部屋の中にあった机の下で縮こまる四人の少女達。電力が落とされたことで外の光景をモニターすることも出来ない状態の中で弦十朗は外で何が起こっているのかを予想する。


 


(まさか、遂にカ・ディンギルが……!?)


 


フィーネの背後で、二課を突き抜け、大地を突き破り、巨大な塔が出現する。本物に劣化している分、塔と言うデザインにすることでエネルギーを一点に集中しやすくした、太古の神々の戦争を鎮めた決戦兵器を模した人工兵器、疑似・神々の砲台。その姿が、三人の前に立ち塞がる。


 


「「「……」」」


 


声を失うしかなかった。二課にこんなものがあるなんて、思ってもいなかった。月へ向かって伸びていくようにすら見えるそれを、フィーネは興奮を隠しきれないといった様子で叫ぶ。


 


「これこそが!地より出現し、天へとその弾丸を放つ兵器!疑似・神々の砲台、カ・ディンギルだ!!」


「カ・ディンギルだと!?こいつでバラバラになった世界が一つになるだと!?」


「そう」


 


一体どうやって。そう言おうとしたクリスに、皆まで言うなと言わんばかりに静かな声音で制するフィーネ。そして彼女が視線を向けたのは、天に聳える満月。


 


「これにより、月を穿つ。馬神弾はその為の引き金だ」


「月を……?」


「それより、弾さんが引き金!?弾さんがこれの引き金を引くって……!」


「彼がそんな真似をするわけがない!」


「問題ない。引く意思は私次第なのだから。この砲台の権限を持っている私のな……そして、それにより私はあの御方の隣に立つことになる」


「「「?」」」


 


フィーネがあの御方と言うほどの存在。それは一体誰なのか。フィーネは、ポツリポツリと自分の目的についての話を始める。


 


「裁きの神剣が二度目に地上に降臨したとき、それを振るう代行者があの御方をその身に取り込み、その身体を器としてあの御方は降臨なされた。その時に見た力に私は魅了された……そして、同時にそこで双眼のソードアイズたる第二王子が人はあの御方の隣に立てると証明した。それから私は、時を巡ってあの御方の隣に立つ為の知識を代行者のように集め始めた。異界王によって我が野望が潰えたこともあった。古き友、異界魔女と共に互いを高め合ったこともあった。そして最大の好機は訪れた。人々が宇宙へと進出し始めた時代、私はあの御方に届く為に高き塔を作り上げた。しかし、あの御方は人の身が同じ高みにいることを許しはしなかった」


 


フィーネの話は途方もない。弾が聞いていたとしても後半の話しか理解できないだろう。しかし、フィーネも理解してもらう為に話している訳ではない。


 


「神の怒りを買い、雷霆に塔は砕かれたばかりか人類は交わす言葉さえ砕かれる……果てしなき呪いによって。そして、その呪いこそが、古来より不和の象徴とされる月!月が呪いの源へと変えられたからだ!」


 


太古の時代では、言語は統一されていた。日本に住んでいなかった異界王や大統領を始めとした外国人と弾は言語が統一されていたかのように話していた。未来においても、様々な地域、国に住む人や魔族と弾達は言葉の面ではまるで不自由することはなかった。無論、地域によって文字が違うという点はあったが、それも些細なことだ。しかし、今の時代は様々な言語が世界に散らばっている。フィーネにとってはその現状は許されざるものなのだろう。


 


「人々の相互理解を妨げる呪いを、月を破壊することで解く!そして、世界は再び一つへと束ねられる!」


「……呪いを解く?そんなの、お前が世界を支配するってことじゃないか!何が世界を束ねるだ!?結局言ってる事は世界征服じゃないか!」


「……ふん、愚かな。物事の一面しか見られず、否定してぶつかるしか出来ないお前達には何を言っても無駄だろう。そこで寝ているがいい」


「「「!」」」


 


言葉の最後に敵意を含ませ、三人を睨みつける。やる気だ。そう三人が悟った瞬間、彼女達は同時に歌を歌い、その身にシンフォギアを装着していく。


 


「全く……激突王だった頃の彼以下だな?少なくともあの時の彼には戦う理由があって戦っていた」


「私達にだって戦う理由はある!お前の野望を止めるという理由が!」


「そして、決着を付けることだ!」


「この戦い……負けられない!」


「ならば来るがいい!戦いの舞台へ!ゲートオープン、界放!!」


 


カ・ディンギルの最上部にバトルフィールドが出現していき、そこへとフィーネは飛翔していく。その後ろ姿を見た三人は、一度目を合わせると、カ・ディンギルの所々に存在する出っ張りを乗り継いでいくようにして塔の最上部にあるバトルフィールドへと目指していく。


 


「……!」


 


先程まで大きな揺れを感じ取っていた弾が上を見上げると、そこにはバトルフィールドが出現していた。そして、彼の目の前にモニターが表示される。おそらく、フィーネからのメッセージ。この戦いを焼き付けろという無言のメッセージなのだと理解した弾は、そのモニターに表示されたバトルフィールドを見る。


 


「司令!この区画の電力だけですが、復活させました!」


「よし!よくやった!」


 


そして地下シェルターの一室。慎次からトランシーバーで連絡を受けた弦十朗は朔也とあおいに視線で合図を送る。弦十朗の視線の意味を理解した二人は、即座に外の光景をモニターに映していくためにキーボードを操作していく。


 


「外にバトルフィールドを確認!今回の一連の襲撃で使用されているものと同一だと思われます!」


「バトルフィールドに回線接続完了!中継出します!」


 


そしてモニターに表示されるフィーネが立つバトルフィールド。そして、その対戦相手として立っているのは、響、翼、クリスの三人。しかし、三人ともシンフォギアを纏っている。


 


「響!」


「え!?ビッキー!?」


「な、なんで!?」


「そんな……」


「これが……!?」


「了子さん!?」


 


そこにいた、了子、フィーネの姿に朔也とあおいは驚き、弓美、創世、詩織は響の変わり果てた姿に驚いていた。


 


「な、何なのあの格好……そんな、アニメみたいな……」


「もしかして、ヒナはビッキーのこと、知ってた?」


「うん……」


 


だが、響がこんなことを誰にも言わないでいようとしていたのも、彼女の性格からすれば別におかしくはないだろう。大切な友達たちを巻きこみたくないからこそ、何も言わないでいたのだ。


 


「ビッキー……」


 


そして彼女達が、彼等がバトルを見守る中、遂にフィーネと装者達の戦いの幕が開ける。3VS1の変則ルールによるバトル。基本的なバトルのルールはタッグバトルのルールに則り、響→フィーネ→翼→フィーネ→クリス→フィーネの順番で繰り返しターンが行われる事となる。


 


「スタートステップ!ドローステップ!メインステップ!ハービッグ・ワイバーンを召喚!」


 


【ハービッグ・ワイバーン:赤・スピリット


コスト3(軽減:):「系統:星竜」:【強化】


コア1:Lv1:BP2000


シンボル:赤】


 


先行第一ターン目を取った響が召喚したのは、赤い光の塵を纏った、赤く燃える目を持つワイバーン。先行で呼び出すスピリットとしては妥当なところだろうと考えながらターンを終える。


 


「ターンエンド!」


「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、メインステップ。ネクサス、賢者の樹の実を配置!」


 


【賢者の樹の実:緑・ネクサス


コスト4(軽減:緑2)


コア0:Lv1


シンボル:緑】


 


フィーネの背後に金色の幹が出現する。その枝の先には金色の果実が実っており、青々とした生命力溢れる大量の葉と共にその樹木の全容を作り出す。


 


「緑のネクサスだと……?」


「ターンエンド」


「スタートステップ!コアステップ!ドローステップ!リフレッシュステップ!メインステップ!ネクサス、海帝国の秘宝を配置!」


 


【海帝国の秘宝:青・ネクサス


コスト4(軽減:青2)


コア0:Lv1


シンボル:青青】


 


続く第三ターン。ターンプレイヤーである翼がネクサスを配置すると共に三人の背後に巨大な三体の青い竜が一つの赤い水晶を囲んだかのような物体が出現する。翼のデッキで大きなアドバンテージを得るために使用されるネクサスを展開し、次に繋げていく。


 


「ターンエンド!」


 


その程度で今の自分を止められるものか。そうネクサスを見ながら内心で呟くと、フィーネは己の次なるターンを開始する。


 


「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。対峙する者に不幸を告げ、使役する者に勝利をもたらす漆黒の鳥よ、来るがいい。漆黒鳥ヤタグロス、召喚!」


 


【漆黒鳥ヤタグロス:緑・スピリット


コスト6(軽減:緑3):「系統:爪鳥」


コア1:Lv1:BP4000


シンボル:緑】


 


フィーネのフィールドに現れた一体のスピリット。緑のシンボルの中から現れた、枯れた樹木のような長い尾を持つ漆黒の鳥、ヤタグロスが不気味な鳴き声をフィールドへと響かせる。


 


「ヤタ……グロス?」


「ターンエンド」


(いきなりコスト6のカード……どんな効果を秘めているんだ?)


 


記憶にまるで存在しないスピリットだ。いや、おぼろげに見たこともあるのかもしれないが、それほどに記憶に残っていないのか。とにかく、警戒心を強めながらクリスもデッキに手を伸ばしていく。


 


「スタートステップ!コアステップ!ドローステップ!リフレッシュステップ!メインステップ!ネクサス、光射す丘をLv2で配置!」


 


【光射す丘:黄・ネクサス


コスト3(軽減:黄2)


コア1:Lv2


シンボル:黄】


 


海帝国の秘宝の隣に巨大な丘が出現する。その丘の上には黄色い岩の柱などが安置されており、円形のサークルを作っているかのようにも見える。そしてその丘には天から光が降り注いでいる。


 


「ターンエンド」


 


自分達のフィールドを構築していく四人。本格的に攻める為の下準備をしていくここまでは地味な光景となっていたが、ここでフィーネが動きを見せる。


 


「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。ヤタグロスをLv2へアップ!」


 


【漆黒鳥ヤタグロス


コア1→5:Lv1→2:BP4000→6000】


 


「さらにマジック、ライフチャージを使用!ヤタグロスを破壊し、ボイドからコア3個をリザーブに置く!」


 


コスト3以上の自分のスピリット1体を破壊することでボイドからコア3個を自分のリザーブに置くマジック。その力によってヤタグロスが光と共に消えていく。が、自身の命が潰える間際にヤタグロスは自身の力を解き放つ。


 


「漆黒鳥ヤタグロス、破壊時効果!ボイドから、このスピリット上に置かれたコア1個につきコア1個を自分のリザーブに置く!」


「上に乗ってるコアの数だけコアブースト!?」


「ヤタグロスの上にあったコアは5つ……!?」


「じゃ、じゃあ!?」


「ボイドより5コアをリザーブに置く!」


 


一枚のマジックと一体のスピリットによって八個のコアが増える。そしてヤタグロスの上に乗っていたコアもリザーブへと戻り、そのコアの総数は13。コアが増えれば勿論、動かない理由が無い。


 


「賢者の樹の実をLv2へアップ!」


 


【賢者の樹の実


コア0→3:Lv1→2】


 


「来たれ、星の剣振るいし竜!十剣聖スターブレード・ドラゴン、召喚!」


 


【十剣聖スターブレード・ドラゴン:赤・スピリット


コスト8(軽減:赤6):「系統:剣使・星竜」


コア1:Lv1:BP7000


シンボル:赤】


 


炎が天空より降り注ぐ。その炎を振り払い、中から現れたのは白銀の鎧を纏う龍。その両手には赤く燃えるような刀身の剣が握られ、紅蓮の皮膚が炎によって強く、赤く光る。


 


「くそ、もう呼び出して来やがった!」


「アタックステップ。スターブレード・ドラゴンでアタック!アタック時効果により、最もBPの高い相手スピリット1体を破壊する!消えるがいい、ハービッグ・ワイバーン!」


「しまっ……!」


「そうはさせるかよ!光射す丘、Lv2効果!強化を持つ自分のスピリットが相手によって破壊されたとき、このネクサスを疲労させることでそのスピリット1体を疲労状態でフィールドに残す!」


 


スターブレード・ドラゴンが両手の剣を振り、その刀身から放たれた炎がハービッグ・ワイバーンへと襲い掛かる。しかし、その直前に天から光が降り注ぎ、炎を阻む壁となってその攻撃を受け止める。


 


「クリスちゃん!」


「ぼけっとすんな!来るぞ!」


 


アタック時効果は防いでも、メインのアタックを封じた訳ではない。スターブレード・ドラゴンが剣を振り上げ、響達へと叩きつける。


 


「「「ライフで受ける!」」」


 


ライフで受ける宣言をした瞬間、ネフシュタンとデュランダルの力によって増したその衝撃と痛みが、無数の六角形を束ねたような赤いバリアの中心部で集約され、それが三本の光線となって響、翼、クリスをそれぞれ貫く。


 


「うわあああ!?」


「ぐぅぅ!?」


「がっ……!?」


 


そのあまりの衝撃に吹き飛ばされる三人。決して侮っていた訳ではない。しかし、そのダメージはあまりにも大きかった。それこそ、以前ネフシュタンの一撃を喰らった時と比較しても。


 


「響!?」


「ビッキー……!それに、他の二人も……大丈夫なの!?」


「……ああ、大丈夫だ。彼女達を信じるんだ。この程度で、三人は折れはしない!」


 


モニターに食い入るように見入る四人。四人の不安を和らげるように、弦十朗が強い言葉をかける。しかし、弦十朗がこの場でいる者の中で一番彼女達の身を案じている事は明白だった。


 


「……皆」


「エンドステップ。賢者の樹の実、Lv2効果により自分のスピリットすべてを回復させる。ターンエンド」


 


スターブレード・ドラゴンが再び起き上がる。あのネクサスがある限り、フィーネは次の防御のことを考えずに攻め続けることが可能となる。ネクサスをどうにかすることは今の手札では無理だが、こちらが無理なら相手のスピリットの方を何とかしなければならない。


 


「スタートステップ!コアステップ!ドローステップ!」


 


スターブレード・ドラゴンを倒す可能性があるカードをドローする。執念にも似た感情をドローに込めてドローする響。その手札に来たのは、彼女のデッキの切り札とも言えるカード。


 


「よし!これなら……!リフレッシュステップ!メインステップ!光射す丘をLv1へダウン!」


 


【光射す丘


コア1→0:Lv2→1】


 


光射す丘はクリスのターンが訪れるまで回復状態になることはない。となれば、今はLv2にしておくだけ無意味だろう。そして、このコアを使い、響はスターブレード・ドラゴンを撃破するためにあのカードを呼び出す。その為に必要なフォニックゲインを生み出す歌が、彼女の口から紡がれていく。


 


「!もうこんな序盤に呼ぶのか!?」


「だが……これなら!」


「響け、金色の稲妻!!アルティメット・ジークヴルム、Lv4で召喚!」


 


【アルティメット・ジークヴルム:赤・アルティメット


コスト6(軽減:赤3):「系統:新生・星竜・竜人」:【真・激突】


コア2:Lv4:BP13000


シンボル:極】


 


空が暗雲で黒く塗りつぶされ、そこから雷鳴が鳴り響く。雷鳴の中から現れたのは、黄金の鎧を纏う、紅蓮の皮膚を持つ雷の龍。それを初めて目にする弓美達は、驚愕しか出てこなかった。


 


「何、これ……?」


「こんなの、本当にアニメみたいだよ……どうなってるの?」


「響のアルティメット……これなら」


「……こんな序盤から出してくるか」


「アタックステップ!アルティメット・ジークヴルムでアタック!Uトリガー、ロックオン!!」


 


響の右手のガントレットから放たれた光弾がフィーネのデッキをトラッシュへと叩き落とす。しかし落とされたカードは、


 


「十剣聖スターブレード・ドラゴン、コスト8!よってガード!」


「でも、アタックは続いている!スターブレード・ドラゴンに真・激突だ!」


 


アルティメット・ジークヴルムの右手に稲妻が宿り、その光が大きくなる。その拳が剣を交差させて防御行動を取ったスターブレード・ドラゴンの剣の刀身を砕きながらその身体に拳をめり込ませたアルティメット・ジークヴルムはその身体を破壊してみせる。


 


「よし!ターンエンド!」


「はっ、いきなりエースをブッ倒されちゃたまんねえだろうぜ!」


 


エース。確かに、クリスの言うとおり、スターブレード・ドラゴンは紛れもなくフィーネのデッキのエーススピリットだろう。そう、エーススピリットではある。が、それは単純にエース級スピリットという意味でしかない。


 


「始まりの時代は、スピリット達の時代だった」


「「「?」」」


「そこでは、スピリット達が実体を持ち、各々のスピリット達が己の本能に従い、自由に生きていく世界だった。しかし、その時代は脆くも終わりを告げる事となる。スピリット達の神への反逆によって」


 


突如として語り始めたフィーネ。しかし、彼女が言っていること。それが何を示しているのか、それを弾だけが理解していた。彼女は、おそらく装者ではなく、弾に語りかけているのだろう。故に、彼女はあの御方ではなく、神とそれを称した。


 


「まさか……!?」


「神に反逆したスピリット達は、神の怒りを受け、神は裁きの神剣の力によってスピリット達に罰を与えた。バトルによってその実体を取り戻すことができ、戦い続けるという定めを。そしてスピリット無き世界は、人の生きる時代となり、神は裁きの神剣を封印した。再び裁きの神剣を起動する為の鍵となる十二の光と闇に分かれた剣と、その力を操るソードアイズ達の因子をその世界に遺して」


「っ……何を言っている!?」


 


フィーネの言っている言葉の意味が理解できず、翼が思わず声を上げる。しかし、フィーネはそんな言葉などどうでもいいと言わんばかりに軽く笑いながら顔を軽く横に振って髪を揺らすと、バトルを再開する。


 


「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。マジック、三札之術を使用。デッキから2枚ドローし、その後デッキを上から1枚オープン、それが赤のスピリットならば手札に加える」


 


デッキから2枚ドローし、赤のスピリット、滅龍帝ジエンド・ドラゴニスがデッキの上からオープンされる。よって、そのカードがフィーネの手札に加わる事となる。


 


「二体目の漆黒鳥ヤタグロスを召喚!ネクサスのコアを全て移し、6コア乗せた状態で召喚する!」


 


【賢者の樹の実


コア3→0:Lv2→1】


 


【漆黒鳥ヤタグロス


コア6:Lv2:BP6000


シンボル:緑】


 


再びフィーネのフィールドに召喚される二体目のヤタグロス。その上に乗っているコアは6つ。これを破壊しようものなら、フィーネは6コアを得ることとなる。


 


「ターンエンド」


「っ……動かないか……!スタートステップ!コアステップ!ドローステップ!リフレッシュステップ!メインステップ!ハービッグ・ワイバーンをLv2にアップ!」


 


【ハービッグ・ワイバーン


コア1→3:Lv1→2:BP2000→5000】


 


「バルカンバイソンを召喚!」


 


【バルカンバイソン:青・スピリット


コスト6(軽減:青3・極1):「系統:異合」


コア1:Lv1:BP5000


シンボル:青】


 


バルカンを握る、二足歩行をするバイソンが翼のフィールドに現れる。深緑色のアーマーに身を包んだ高いBPを誇るスピリットが咆哮を上げる。


 


「この瞬間、ハービッグ・ワイバーン、Lv2効果!ターンに1回、コスト5以上の自分のスピリットが召喚されたとき、デッキから1枚ドローする!」


「バルカンバイソンのコストは6!よって条件を満たしたので1枚ドロー!さらにリボル・アームズを召喚!不足コストはハービッグ・ワイバーン、アルティメット・ジークヴルムより確保する!」


 


【ハービッグ・ワイバーン


コア3→1:Lv2→1:BP5000→2000】


 


【アルティメット・ジークヴルム


コア2→1:Lv4→3:BP13000→10000】


 


【リボル・アームズ:青・ブレイヴ


コスト4(軽減:青1・白1):「系統:造兵」


シンボル:なし】


 


新たに現れたのは、一枚のブレイヴカード。魚のような形をした機械が、尾びれから空中に浮く為のブースターとして起動し、そのまま漂う。


 


「バルカンバイソンへ直接合体!」


 


【バルカンバイソン


コスト6+4→10


BP5000+3000→8000】


 


バルカンバイソンの腕のバルカンが消え、そこにリボル・アームズが装着される。新たな銃を手に入れたバルカンバイソンが全身から青い光を放ち、雄叫びを上げる。


 


「リボル・アームズ、召喚時効果によりボイドからコア2個を自分のネクサス1つに置く!海帝国の神殿に2コアを追加し、Lv2へ!さらに内1つのコアをバルカンバイソンへ移し、バルカンバイソンもLv2へと上昇させる!」


 


【海帝国の秘宝


コア0→2→1:Lv1→2】


 


【バルカンバイソン


【強襲:1】


コア1→2:Lv1→2:BP5000→7000+3000→10000】


 


「バーストをセットし、アタックステップ!いけ、合体スピリット!リボル・アームズ、合体時効果!このスピリットのアタック時、コスト3か4、どちらか1つを指定し、このバトルの間、指定されたコストのマジックを相手は使用できない!さらにバルカンバイソン、Lv2・3効果!強襲!海帝国の秘宝を疲労させ、回復!」


 


ネクサスが青い光を放ち、翼のフィールドのネクサスが横向きとなる。それにより、バルカンバイソンが持つもう一つの効果が起動することとなる。


 


「そして自分の強襲によってネクサスが疲労したことにより、バルカンバイソンの効果を発揮!デッキから2枚ドローし、その後手札1枚を破棄!さらに、海帝国の秘宝、Lv2効果により、アタックステップ中に青のスピリット/アルティメットの効果で手札が破棄されるとき、その枚数を1枚少なくする!よって、破棄する枚数は0枚!」


 


デッキから二枚のカードをドローする翼。そして放たれるバルカンバイソンの手のリボル・アームズから放たれる砲撃。それを前にしたフィーネはヤタグロスでブロックするのか。それともライフで受けるのか。その判断の瀬戸際を迎えたフィーネの選択は。


 


「ライフで受ける!」


 


ライフで受ける宣言をしたフィーネにリボル・アームズから放たれた光線が浴びせられる。尋常じゃない痛みがその身を襲いながらもフィーネはその痛みに耐える。


 


(ブロックしてコアを増やさなかった……ということは、まさかあるのか?奴の手札には、二枚目のライフチャージ、或いは自分のスピリットを破壊するカードが……)


「賢者の樹の実の効果!相手のスピリットによって自分のライフが減らされたとき、ボイドからコア1個を自分のリザーブに置く!」


 


寧ろ、それがなければ破壊する機会を手にした今を活かさないわけにはいかないだろう。やはり、フィーネの手札にはあると見ていいだろう。ヤタグロスの効果を起動させるためのカードが。となると、ここは攻め急ぐよりも守りに徹した方が良い筈だ。


 


「ターンエンド」


「時は流れ、人はかつてその世界がスピリット達の世界であったことなど忘れていた。そんな中、裁きの神剣を求め、新たな世界を目指そうとする白夜王、そして彼に対抗する為に光のソードアイズ達を集め始めた第二王子。彼等は一時の対立の末に手を結び、裁きの神剣を起動させた。そして、裁きの神剣を奪い、神の器となった代行者が告げる終わりと、夢ある新たな未来を望むソードアイズ達の最後の戦いの末、ソードアイズ達が勝利し、新たな世界が裁きの神剣と十二の光と闇の剣によって作られた」


 


再び語り始めるフィーネ。その会話の内容は、バトルの前に彼女が触れていた言葉に通じる所がある。そして、それこそがフィーネが求める高みを、初めて目にした瞬間だった。


 


「スタートステップ、コアステップ、ドローステップ、リフレッシュステップ、メインステップ。ヤタグロスをLv3にアップ!」


 


【漆黒鳥ヤタグロス


コア6→17:Lv2→3:BP6000→8000】


 


「さらにライフチャージを使用!再びヤタグロスを破壊し、ボイドより3コアをリザーブに置く!さらに、ヤタグロス、破壊時効果により17コアをリザーブに置く!」


「やはり2枚目があったか……!」


「一気に20コアも増やしやがった!?」


「リザーブに37コア……!?」


 


リザーブに37コア。これだけあれば、もうコアブーストの必要はないだろう。後は、この大量のコアを使って一気に攻めるだけだ。


 


「プロフェット・ドラゴンを召喚!」


 


【プロフェット・ドラゴン:赤・スピリット


コスト2(軽減:赤1):「系統;戦竜」


コア1:Lv1:BP2000


シンボル:赤】


 


黄色い鱗に身を包み、紺色を基調としたローブを纏った預言者のような姿をしたそのドラゴンが現れる。そして、その召喚と共にフィーネの手札が赤く、強く輝いていく。


 


「召喚時効果により、手札のコスト8以上のスピリットを好きなだけオープンし手元に置くことでその枚数だけカードをドローする!滅龍帝ジエンド・ドラゴニス3体と龍の覇王ジーク・ヤマト・フリードを公開し、4枚ドロー!さらにマジック、ストロングドローを使用!デッキから3枚ドローし、手札を2枚破棄する!」


 


三枚のカードがドローされ、十剣聖スターブレード・ドラゴン、激神皇カタストロフドラゴンの二枚が破棄される。そしてフィーネは、ドローしたカードを興味深そうに見ると、まずは下準備として一体を呼び出す。


 


「アスケラ・ドラゴンをLv2で召喚!」


 


【アスケラ・ドラゴン:赤(白)・スピリット


コスト3(軽減:赤1):「系統:星竜」


コア2:Lv2:BP3000


シンボル:赤(白)】


 


まずはそれを呼ぶための下準備。そう言わんばかりにフィーネが呼び出したのは、白い身体を持つ中型の四足歩行をするドラゴン、アスケラ・ドラゴン。金色の瞳を輝かせるそのドラゴンは、白としても扱う自身のシンボルを静かに光らせる。


 


「そしてネクサス、彷徨う天空寺院を配置!」


 


【彷徨う天空寺院:赤・ネクサス


コスト5(軽減:赤3)


コア0:Lv1


シンボル:赤赤】


 


フィーネの背後に浮かび上がる巨大な龍の形をした大陸。その大陸を携えることで最後の下準備を終えたフィーネは、遂にスピリット達を呼び出す。


 


「まずはお前からだ!彷徨う天空寺院を疲労させ、本来のコスト8以上であるジーク・ヤマト・フリードを既に2コスト支払った状態に!降臨せよ、龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード!Lv2で召喚!」


 


【龍の覇王ジーク・ヤマト・フリード:赤・スピリット


コスト8(軽減:赤3):「系統:覇皇・古竜」


コア3:Lv2:BP10000


シンボル:赤】


 


天から炎がフィールドへと降り注ぐ。そこから現れた龍は、紅蓮の装甲を纏い、背中や肩から青い角のような装飾が出ている。顔には巨大な赤い角と金色に輝く瞳を持ち、その手に一振りの刃を握る覇王は、登場と共に咆哮を上げる。


 


「お前達に面白いものを見せてやろう」


「何……!?」


「赤き龍皇、白き要塞皇よ。究極の力で交わりて一つとならん!アルティメット・ジークフリーデン、召喚!!」


 


【アルティメット・ジークフリーデン:赤白・アルティメット


コスト7(軽減:赤2・白2):「系統:新生・古竜・武装」


コア1:Lv3:BP12000


シンボル:極】


 


フィーネのフィールドで燃え上がる炎の柱。その中から現れた紅蓮の装甲を纏った二足歩行をするドラゴンが、白銀の翼を広げて咆哮を張り上げる。


 


「嘘!?そのカードは……!?」


「!もうアルティメットを!?」


「ちぃ!向こうもお出ましかよ!」


 


驚き。だが、翼の驚き方は他の二人とは比べ物にならない。それもそうだろう、アルティメット・ジークフリーデンは、奏が自身の命を燃やして生み出した奇跡なのだから。


 


「……フィーネ!貴様……奏のアルティメットを……!」


「いつからこれが天羽奏のアルティメットだと錯覚していた?もし、本来の所有者がいたとするなら、それは紅蓮の輝石の持ち主だ。それを、奏のアルティメットと言うのはあまりに見当違いだろう?」


「何だと……!」


「驚くのはまだ早い!降臨せよ、滅龍帝ジエンド・ドラゴニス達よ!3体、連続召喚!」


 


【滅龍帝ジエンド・ドラゴニス:赤・スピリット


コスト9(軽減:赤6):「系統:滅龍」


コア1:Lv1:BP9000


シンボル:赤赤】


 


【滅龍帝ジエンド・ドラゴニス


コア1:Lv1:BP9000


シンボル:赤赤】


 


【滅龍帝ジエンド・ドラゴニス


コア1:Lv1:BP9000


シンボル:赤赤】


 


天空から激しい赤紫色の雷鳴が降り注ぎ、それに導かれるように黒い巨大なドラゴンが三体、同時に現れる。四肢で地面を踏み締め、その金色の巨大な二本の角を見せるその龍は、薄い黄色の翼を広げ、対峙する者に威圧感を与える巨大な咆哮を放つ。


 


「なっ……馬鹿な!?ダブルシンボルを三体だと!?」


「しかもアルティメットに、ジーク・ヤマト・フリード!?いくらなんでも洒落にならないぞ!?」


「な、何これ……!?」


「この攻撃。凌げるというのなら、やってみるがいい!!アタックステップ!!」


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