第10話 不条理

 お悩み相談が終わり。新聞部の部室でまったりしていると。


 不意に部長の財布に目が止まる。


「高そうな財布ですね。バイトでもしたのですか?」

「あ、あ、道で拾った」


 はあ?財布を道で拾って着服しただ!


「部長、問題ですよ」

「あ!違った、遠い親戚の遺産が入った」


 怪しい。何か隠している。


「その遺産の総額はいくらなのですか?」

「五十万。イヤ。三百万だったかな……」

「その親戚の名前はなんと言うのです?」

「綾小路きみまろ」

「芸能人じゃん」

「だから、綾小路きみまろの親戚で……」


 うん?部長が何か隠した。素早く奪うと、それは『龍馬様のご相談、一回、一万円』なるチラシであった。


 私のお悩み相談が有料だった!?それで、豪華な財布だ!


「新聞部を辞めさせてもらいます」


 私は激怒の余り速攻で新聞部を辞める事にした。


「いいのか?新聞部のコネが無いとただの一般人だぞ」


 この部長腐っている。


『花咲く、凛とした器に迷い無し。民の為にこの命は全力を尽そう』


 私が速攻でひらめいた言葉を部長に叩きつけて新聞部を出る。


 ああああ


 新聞部を辞めてしまった。第二ボランティア部でも作るか。


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