第9話 校内での日常

 私は高校の校舎の屋上で空を眺めていた。今日は担任の貞子の最終日だ。結局、貞子を救えなかった。


 それは心の病で退職となったからだ。坂本龍馬は無力であった。


 新聞部の報道では最後まで貞子の為に力をつくしたとなっている。たまたま、ショートホームルームに出なくて、放課後に挨拶した話におびれがついたからだ。


 しかし、何もできなかったのが現実である。最近、思うのが本当の敵は新聞部の部長のような気がする。己の欲望によって動いている、そのモノであったからだ。


「龍馬様、ここに居た」


 屋上の入口から条絵の声がする。少し、心配をかけてしまったか。私は屋上の青空に別れを告げて条絵の元に行く。


 お昼休み。


 今日も新聞部でお悩み相談である。


「学校に登校するとお腹痛くなります」


 顔色の悪い男子生徒がボソボソと話す。あーストレス性の腹痛だ。高校を辞めるのが一番なのだろうが、そう言う問題ではない。


 私は尾崎豊を進めてみる。昔の思春期のカリスマだ。こないだ先生に勧めたらハマって元気になったからだ。


「あー、興味が無いから」


 確か学校での不条理を解いたカリスマなだよな。先生がハマって。生徒は興味がない。


 では、何故、お腹が痛くなるのだ?


「必要なのは勇気だ、学校に登校してミッションをクリアする。家に帰ったらミッション達成を自分で褒めてあげる、これだけでいい」

「おおお、流石、龍馬様、ありがとうございます」


 無責任で適当な回答でいいなら坂本龍馬も楽でいい。しかし、無責任の坂本龍馬など要らぬと、何時か暗殺されそうで怖いな。


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