今いるのはイケーノ王国

アヤナっちの今いるところは、イケーノ王国だ。

イケーノ王国っていうところに、なぜか来てしまっていた。


今のイケーノ王国の王様は、カエッチの御父様のユナッチ国王。ユナッチ・イケーノ。


香絵先生は、いなくなっちゃったけど、カエッチ王子は、香絵先生にそっくりやから、アヤナッチも、もう今は、それで行こうって考えている。


どうも、今アヤナッチのいる世界は、もっともっと実際は広いみたい。

でも、イケーノ王国は、イケーノ王国だけで独立して存在しているみたいなのだ。

まわりを海に囲まれている。

島国のようだ。


アヤナッチは、カエッチ王子に、ニースには行けるのか聞いてみた。

でもニースっていう地名をここの人は、だれも知らなかった。


「ちなみに、地球って知ってる?」

「え?ちきゅう?...」

「聞いたことない?」

「うん。ちょっと聞いたことないかなあ」

やっぱり知らないみたい。


アヤナッチは、イケーノ王国の歴史を勉強した。

今、カエッチ王子といっしょに暮らしているお城には、2000年前の土器、置いてある。


2000年前ころに、1人の女王によって、最初の国のようなもの、形づくられたみたい。


1500年前には、当時の王の古墳、いっぱい創られている。


そして、1300年前に、今のイケーノ王国として建国されたようだ。

そのころ、文字も作られたらしい。

今の文字の基本となるもの。


その文字をもとにして、最初の文学も作られ、歌も詠まれたらしい。


1000年前は、女流作家による文学も栄え、女流歌人によって、たくさんの歌も詠まれていた。

「アヤナ」っていう歌人も、当時人気だったとか。


お城には、いろんな資料、置いてある。

イケーノ王国の歴史にかかわる重要な資料。

アヤナッチは、それらにも目を通して、勉強させてもらっている。



アヤナッチは絵を描くの好きだ。

スケッチブックに、可愛い女の子のキャラクターの絵を描いている。

アヤナッチのオリジナルキャラクター。


いくつか描いて、ひとつ、アヤナッチ自身、めっちゃ気にいった出来のキャラクターの女の子の絵あって、アヤナッチは、その絵に自分で赤丸をつけておいた。


そしたら、翌日、アヤナッチの自分の部屋のソファの上に、自分で描いたのと同じキャラクターのぬいぐるみ、置かれてあった。


「うわーっ!きのう、自分で描いたキャラクターのぬいぐるみやあ!なんで?なんであるの?フシギやあ!」

アヤナッチは、ソファのぬいぐるみを見て、びっくりした。


「カエッチの仕業かなあ?カエッチわざわざ、ぬいぐるみ、作ってくれてたんかなあ?」

って思って、アヤナッチはカエッチに

「カエッチ!あのぬいぐるみ、作ってくれたん?」

って聞いてみた。


カエッチは

「いや、自分ではないよ!」

って優しく笑いながら答えている。


「ほんま?」

「うん。ほんまほんま。ぬいぐるみなんて作れるわけないやん」


「そっかあ!ほな、なんで、ぬいぐるみ、あるの?」

「あのぬいぐるみ?」


「そうやでー!うち、きのう、スケッチブックに自分で可愛いキャラクター考えて、絵に描いたんやけど、そのキャラクター、ぬいぐるみになってるねん!」

「ああ!それはきっと...」


「え?だれなん?あのぬいぐるみ、作ってくれたん、だれなんか知ってるの?」

「たぶんな...」


「え?ほんま?だれなん?作ってくれたの...」

「それはねぇ...」


「うん?」

「...アヤナッチちゃうか」


「なんでやねんな!うち、ぬいぐるみなんて、自分で作ってへんでー」

「あはは...」


「あははじゃないよー!どういうこと~?」

「アヤナッチの能力やねん!」


「え?うちの能力?」

「うん」


「なんの能力?」

「きっとな、アヤナッチは~、自分で絵に描いたものを、そのまま作りだせるっていう能力やな」


「えーっ?そんな能力あんのー?」

「だって、実際、作りだせてるやんっ」


「...そやなあ」

「美術能力かな」


「美術能力?」

「うんっ!描いたものを作りだせるっていう...」


「うわっ!ほんまかー?」

「ほんまやー」


「そんな能力あんのー?」

「あるある...あはは」

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