今いるのはイケーノ王国
アヤナっちの今いるところは、イケーノ王国だ。
イケーノ王国っていうところに、なぜか来てしまっていた。
今のイケーノ王国の王様は、カエッチの御父様のユナッチ国王。ユナッチ・イケーノ。
香絵先生は、いなくなっちゃったけど、カエッチ王子は、香絵先生にそっくりやから、アヤナッチも、もう今は、それで行こうって考えている。
どうも、今アヤナッチのいる世界は、もっともっと実際は広いみたい。
でも、イケーノ王国は、イケーノ王国だけで独立して存在しているみたいなのだ。
まわりを海に囲まれている。
島国のようだ。
アヤナッチは、カエッチ王子に、ニースには行けるのか聞いてみた。
でもニースっていう地名をここの人は、だれも知らなかった。
「ちなみに、地球って知ってる?」
「え?ちきゅう?...」
「聞いたことない?」
「うん。ちょっと聞いたことないかなあ」
やっぱり知らないみたい。
アヤナッチは、イケーノ王国の歴史を勉強した。
今、カエッチ王子といっしょに暮らしているお城には、2000年前の土器、置いてある。
2000年前ころに、1人の女王によって、最初の国のようなもの、形づくられたみたい。
1500年前には、当時の王の古墳、いっぱい創られている。
そして、1300年前に、今のイケーノ王国として建国されたようだ。
そのころ、文字も作られたらしい。
今の文字の基本となるもの。
その文字をもとにして、最初の文学も作られ、歌も詠まれたらしい。
1000年前は、女流作家による文学も栄え、女流歌人によって、たくさんの歌も詠まれていた。
「アヤナ」っていう歌人も、当時人気だったとか。
お城には、いろんな資料、置いてある。
イケーノ王国の歴史にかかわる重要な資料。
アヤナッチは、それらにも目を通して、勉強させてもらっている。
☆
アヤナッチは絵を描くの好きだ。
スケッチブックに、可愛い女の子のキャラクターの絵を描いている。
アヤナッチのオリジナルキャラクター。
いくつか描いて、ひとつ、アヤナッチ自身、めっちゃ気にいった出来のキャラクターの女の子の絵あって、アヤナッチは、その絵に自分で赤丸をつけておいた。
そしたら、翌日、アヤナッチの自分の部屋のソファの上に、自分で描いたのと同じキャラクターのぬいぐるみ、置かれてあった。
「うわーっ!きのう、自分で描いたキャラクターのぬいぐるみやあ!なんで?なんであるの?フシギやあ!」
アヤナッチは、ソファのぬいぐるみを見て、びっくりした。
「カエッチの仕業かなあ?カエッチわざわざ、ぬいぐるみ、作ってくれてたんかなあ?」
って思って、アヤナッチはカエッチに
「カエッチ!あのぬいぐるみ、作ってくれたん?」
って聞いてみた。
カエッチは
「いや、自分ではないよ!」
って優しく笑いながら答えている。
「ほんま?」
「うん。ほんまほんま。ぬいぐるみなんて作れるわけないやん」
「そっかあ!ほな、なんで、ぬいぐるみ、あるの?」
「あのぬいぐるみ?」
「そうやでー!うち、きのう、スケッチブックに自分で可愛いキャラクター考えて、絵に描いたんやけど、そのキャラクター、ぬいぐるみになってるねん!」
「ああ!それはきっと...」
「え?だれなん?あのぬいぐるみ、作ってくれたん、だれなんか知ってるの?」
「たぶんな...」
「え?ほんま?だれなん?作ってくれたの...」
「それはねぇ...」
「うん?」
「...アヤナッチちゃうか」
「なんでやねんな!うち、ぬいぐるみなんて、自分で作ってへんでー」
「あはは...」
「あははじゃないよー!どういうこと~?」
「アヤナッチの能力やねん!」
「え?うちの能力?」
「うん」
「なんの能力?」
「きっとな、アヤナッチは~、自分で絵に描いたものを、そのまま作りだせるっていう能力やな」
「えーっ?そんな能力あんのー?」
「だって、実際、作りだせてるやんっ」
「...そやなあ」
「美術能力かな」
「美術能力?」
「うんっ!描いたものを作りだせるっていう...」
「うわっ!ほんまかー?」
「ほんまやー」
「そんな能力あんのー?」
「あるある...あはは」
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