第2話 生徒と生徒の話

温い風が身体を押してくれる朝の登校中。

僕はiちゃんと一緒に学校まで歩いている。


道すがら話をするiちゃんは楽しげに笑う。

それにつられて僕もよく笑うようになっていた。


時間を忘れ話をしていた僕らは、校門にいる怖い先生が呼んでいることに気づく。

ふと、校舎についている大きな時計を見る。


「あ、チャイムがなってしまう!急ごう」

「私がおしゃべりしすぎたから・・・ごめんね。」

「気にしないで!」


僕らは校舎につくとすぐ、下駄箱で靴を履き替えた。


もうすぐチャイムが鳴るギリギリの時間だから急がないといけない!


キーン・コーン・カーン・コーン・・

もうすぐ!



「あ!急がなきゃ!iちゃん急いで!」

「うん!」


キーン・コーン・カー


ようやく教室についた!


「「ふぅー。」「はぁー。」」

胸が苦しいのをがまして息を吐く。

すると埃っぽい空気が喉を差すのを感じた。



「かけっこ!ビリっ子!k子ちゃんがきたぞ!アハハ!」

「ワハハ」

「ヒィー、ヒュー、やめろってお腹が痛い!」


「今日も遅刻しなくてよかったでちゅねー。」

「ワハ!ワハハ!」

「うっ・・・やべっ。」


u君とm君とa君。

僕をからかって笑ってるのがu君。


ドク。ドク。心臓の音がいつもより早く聞こえる。

iちゃんは心配そうに僕を見る。


「・・・kくんごめんね。」


「っ!」

今日こそu君に言ってやる!!

iちゃんのために!


「u君は今日も元気だね!そんなに僕をからかってさぁ!もしかして僕と仲良くなりたかったりするの?」


u君は顔をしかめてこういった。


「はぁー?」


僕に興味がなくなったのか、u君は自分の席に戻った。

思ってた反応とは違ったけど、

言ってやった!ああ!言ってやったんだ!



僕はiちゃんの目の前で、u君に向かって言ってやったことがとても誇らしかった。


「おーい。

u君とiさん、仲が良いのはいいが、チャイムが終わったらすぐにホームールームが始まるから、もう少し早く席に着くよーにな。

u君は放課後先生のところに来るように。」

担任のe先生がめんどくさそうに話す。


「ふっ。あいつ怒られるぜ!」

u君と外の取り巻きたちはニヤニヤと僕を見つめる。



iちゃんを見ると、かっこよかった。と言う口元に気を取られ、首をたてに振った。



このとき、僕の心臓は今までで一番高鳴った。


なんだか今日は、勉強が頑張れる気がする!

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