第2話 妹との夏休み

 夏休みと言われる期間で大体の人間は陽キャといわれる人種と陰キャといわれる人種に分かれる。俺、山口拓司はそのうちの後者に当たる。現に今もこうして家でゲームをしている。毎日楽しいか?と聞かれると返答に困るのだが、夏休みの一週間が過ぎても何不自由ない生活を送れているということは楽しんでいるとも言えるだろう。だがこの平穏な暮らしを壊そうとするものがいる。俺の唯一の天敵であり妹の山口真梨奈だ。普段は高校の寮生活を送っているため家にはいないのだが夏休みのため家に帰ってくるらしい。

 「はぁ、夏休みがまだ2週間くらいあるのに、、、」

後2週間もあいつといなきゃいけないのかという負の感情が移ったからなのかゲーム画面にはGAMEOVERの文字が並んでいる。

 「くそっ、あのバカ妹のせいで、、」

俺がそう叫んだとほぼ同時にピコンっとREINがなった。

 「なんだ?」

妹「なんか腹立ったから帰ったら楽しみにしててね♥」

エスパーか?エスパーなのか??いや、それよりも楽しみとは一体!?


 「真梨奈寮生活は順調?」

 「心配しなくても順調だよ。お母さん。」

 「そうはいっても、女一人の生活だと何かと大変でしょ」

私、山口真梨奈やまぐちまりなの母である山口蛍やまぐちほたるとその父である山口和人やまぐちかずとは私を迎えるなり私を心配してくれる。それにしてもお兄ちゃんがいないな?

 「お母さん。お兄ちゃんはまだ学校?」

 「いや、とっくに夏休みよ。真梨奈よりも一週間早くね」

なるほど、ということは一週間早く学校が終わったのにもかかわらず私の迎えに来てないとなるほどなるほど。

 「お兄ちゃんは今何してるの?」

 「ゲームしてるわよ、宿題終わらせてるからいいものの、友達と遊ぶなりしてくれると親としてはうれしいのだけど」

しかもゲームかよ、私の迎えも来ずに?ゲーム?帰ったらあのバカ兄を粛正させてやる。

 そう思い、REINを開きまだゲームをしているであろう兄に宣告文をたたきつけてやった。震えて眠りなお兄ちゃん!!


 「もう少しで着くぞ」という父からのREINを受けた俺は絶望とともに急に謎の倦怠感に襲われた。

 その十分後、、、

 「ただいまー」

さてとお兄ちゃんはどこにいるのかな?

 「お兄ちゃーん?どこにいるのかな?」

 「ここだ」

 「え?なんでトイレの中で苦しそうにしてるの?」

俺山口拓司は妹が帰って来るという絶望感からなのかそれとも最近の食生活のせいなのかトイレからでれなくなっていた。

 

さらに10分後、、、

 「いやぁ、お兄ちゃんがてっきり私から逃げてるのかと思って」

 「妹よ、お前は自分から逃げてると思った相手にそれもトイレにいるのにけり破ってくるのか?」

 「いやぁミスったミスった」

全くこの妹は恐ろしい。

 「それにしてもお兄ちゃんなんで急におなかが痛くなったの?」

 「え?あぁ、それはおま」

 「おま?もしかして私のせいとか?まさかねえ?」

 「ち、ちがうぞ、お前が帰ってくると思ったからうれしくてダナ」

 「なんで最後は棒読みなのか知らないけど、そんなにうれしかったんだ!!このシスコン~」

 「お、おう、当たり前だろ」

チッ、この単純くそ妹が今に見ていろ。まぁ今はこの妹のいうことを聞いておくか

 「まあ、俺はお前に対しては、あまあまだからな」

 「なんか腹立つけど、、、でも私にあまあまってことは私の買い物につきやってくれるってことだよね?」

 「当たり前だろ。え?」    え????

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