僕の彼女は話さない
蜜蜂(みっつー)
第1話 生活
高橋玲奈は人と話さない、陽キャどものようなスキンシップをとらない人に見えたからだ。
「拓司~夏休み何するんだ?」
拓治の小学校からの友達である
(同じ小学校入学して同じ中学をともに歩んできたはずなんだけどな)
どこで間違えたんだろうと思いつつよたれかかってくる龍馬を押しのけながら、
「いや、家でゲームしたり何なりして過ごすさ。特に遊ぶ予定もないしな」
「拓司ってほんとに人に関わらないよな、おまえ話すと面白いんだからもう少しクラスのやつと関わればいいのに…」
「関わっても人付き合いがめんどくさそうだからいい」
「相変わらずお前はひねくれてんなー拓司よ」
「俺はひねくれてなどいないぞ」
「いや、お前はひねくれてるさ、それも360度にな」
「その場合俺は一周回ってるからひねくれてなくないか?」
「一周回ってもひねくれてるっていう意味だよ」
そうなのか?と龍馬に返事をしつつクラスを見渡す、メイク、ピアス、髪染め、ネックレス、何がよくてつけているかわからないキーホルダー、自分よりもこいつらの方がよっぽど無駄なことに労力を使う馬鹿だと思うのだが?
「よしお前ら夏休みの宿題を配るぞー」
先生減らしてよーというみんなの声を無視して先生は教材を配っていく、自分は勉強が嫌いだがこのクラスの馬鹿どもには負けたくないという思いもあってか、成績の方は上の下くらいに落ち着いている。
運動の方は柔道とボクシングを父親がやっていたことから、小さい頃からやらされてきた。
そのおかげか、球技はうまくはないが、一応できるし基礎身体能力はある方なので体育の授業もあまり苦にはならなかった。
ただ、唯一できないことは英語だったテストはマーキングシートなので暗記を重点に頑張ったがどうしても英語で話すという部分に関しては自分には出来なかった。←というより諦めたという表現の方が正しい。
そうこうしているうちに夏休みなどのルールを話し終わった先生が最後にーというお決まりの宿題しっかりやるんだぞーという言葉をかけて終わったので帰ろうとしたとき、龍馬が話しかけてきた。
「拓司お前は多分いかないと思うけどこの後クラスのみんなとカラオケ行くんだが…お前はいかないよな?」
「行かないな。つまらなそうだし」
「そっか、わかった夏休み中一回でも電話してこいよ春休みとかみたいに1本の電話もないってのは寂しいからな」
「一回くらいは電話してやるよ」
「今言質とったからな」
またなーっと挨拶を交わし、夏休み前の最後の楽園である図書館へ向かう。
私立
また、図書館には常に県職員や、市の図書管理委員が行き来しているため、図書の管理も素晴らしいし、自分の読みたい本がないときは受付に行けば翌日には届いているという小説が大好きな自分にとっては本当にありがたい図書館なのだ。
図書館は2階立てになっており1階は主に一般客の受付場所になっている。一般客は2階に上がることはできないため静かな空間で本を読みたいという生徒は2階を頻繁に使っている。まあ自分の場合はそもそも学校のやつに関わらなければうるさいことなど気にならないので1階で本読むことが多いのだが…
最近人気になってきた異世界転生ものを手に取った俺は受付の方に向かい本の貸し出し手続きを行ってもらう。
学校に行かなくていいという高揚感と開放感に満たされながら楽園と呼ばれる家へと帰っていく。
私、高橋玲奈にとって学校の人付き合いや生徒間でのやりとりは、めんどくさく、とても窮屈な箱そのものだった、昔からゲームやらスマートフォン等は親から止められており、自分自身も必要のないものだと思ってきたからだ。
高校に入る際、親からもらったスマホには、REINと呼ばれるチャットアプリのほかにはたいしたアプリは入っておらず、使うときも帰るときの「今から帰ります」という連絡意外には使ったことがなく親からはちょくちょく連絡は来るのだが、自分からはあまり連絡は取らない。
親以外の連絡は取らないというかないというのが現状だ。
私も最初の頃は連絡を取ろうと誘われていたのだが自分は話すことが苦手で気づいたときには私の元に連絡を聞きに来る人はいなくなっていた。
その頃から私は人と話すことはもちろんのこと、大勢での活動が苦手になっていた。
そんなことを考えていると担任の先生が宿題をやれよーというみんなに忠告して終わったので特に用事もない私は学校というつかの間の休息場所からでて、地獄の家へと帰っていく。
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