第16話 お父様との対決
「ソーがそこまで言うのなら、私は大人しく身をひくとしよう。君がそこまでハッキリと言えるようになっているとは思っていなかった。よっぽど良い男なのだな。ライト・ノーツとやらは」
良かったですわ。
そして、
「はい。とても良い方ですよ。ライトさんは」
「ふっ、そうか。ソー、また会いに来ても良いだろうか。今度は、友達として」
第三王子がそんな簡単に出歩いて良いのでしょうか?
本人が言っておられるのですし、良いということなのですかね。
「もちろん。ですが、次はノーツ領にてお待ちしておりますわ」
この屋敷にいるつもりはもうないですからね。
話が終わり次第帰らせていただきたいと思っていますし。
「あぁ、承知した。では、私は帰らせていただく。失礼したな」
「はっ、お気をつけてお帰りくださいませ!」
お父様が声を張り上げ言う。
ルー様が見えなくなったところで、お父様に突き飛ばされた。
「な、なにをしますの…」
「随分と生意気になったものだな、ソニーよ」
お父様は
いつものように蔑むような目をしておられる。
「私の命令に逆らったことはなかったのに。私の、ルート様との婚約を断るなという命令に背いたな。それもあの男の影響か?」
「お父様は、
泣きたいわけではないのに、涙が溢れてくる。
「ふんっ、相変わらず弱いままではないか。お前は誰にも愛されない。誰とも仲良くなどなれない。ノーツ領でも酷い扱いを受けるが良い」
弱いまま。強くはなれない…
今までの
ですが、教えていただいたのです。
ライトさんがそれを表情で教えてくださいました。
だから、
彼の元に帰るために。
「いいえ。ライトさんは、アリア様は、ロイド様は、
ずっと怖い存在だと、逆らってはいけないのだと思っていたお父様にハッキリと言うことができた。
「そこまで言うのならあちらに帰るが良い。ただし、私は送らない。一人で歩いて帰るのだな!」
ここからあちらの領までは、とても遠い。
ですが、ここで弱音を吐いてはいけない。
「分かりましたわ!」
少しずつ歩き始める。
「やはり、厳しいですわね…ドレスも動きづらいですし…」
そう言った瞬間、
下を向いていたので、顔をあげると、そこには—
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