第15話 答えは決まった
「ルー様、決まりましたわ」
彼は話を聞こうと見つめ返してくださった。
隣にいたお父様に小声で言われる。
「断るんじゃないぞ」と。
すみません、お父様。
ですが、もう決めたのです。
「ソーの素直な気持ちを聞かせてくれ」
「はい」
「ルー様、申し訳ございません。
婚約者に、という申し込みを辞退させていただきますわ」
「そうか…私とは嫌だったか」
「ルー様が嫌というわけではないのですが…」
それに、お姉様にもまた嫌味を言われそうですわ。
それ以外にも理由はあるのですけれどね。
「ならなぜ断るのだ。今婚約している男が良いのか?聞いたが、ソーは今あのライト・ノーツと婚約しているのだろう?」
『あの』と言われたということは、きっと噂を知っているのでしょう。
ですが、実際会ってみたらとてもお優しい方でしたわ。
「とても冷たい男だと聞いた。本当にそんな男で良いのか?私と婚約したら絶対に苦労もさせないし、辛い想いもさせないが」
「あなたに、なにが…」
思わず拳を握ってしまいそうになった。
だって、ライトさんのことを噂を聞いただけで悪く言うから…
「ルー様になにが分かるんですの?ライトさんはとてもお優しい方ですのよ。それなのに、
それほど、ライトさんのことを離し難いと思い始めているのだろう。
自分がこんなふうにハッキリ言うことが出来るだなんて知らなかった。
「だが、私は君のことを思って—」
「
王子に対してこんな言い方はよくなかったかもしれないと、言い終わってから気がついた。
ですが、どうしても言いたかったのです。
彼の自分のことしか考えていないような物言いに、とても腹が立ってしまったものですから。
ここまで言って帰ってくださらないのであれば、どうすれば良いかは分かりませんけれど。
どうなるのでしょうね?
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