第8話
一時期、オーバードーズ(以下OD)に依存していた時期がありました。
死のうとしたときにODして、その時も怖くて致死量まで飲むことができずにただぐるぐるなって、呻いて、泣いて、吐いて、結局何にもならずに生きてしまいました。
あろうことか、その時の感覚、あの何も考えないでただ現実じゃない世界に陶酔する感覚に以上なまでに惹かれてしまいました。
数も増えていったり、飲み方も悪くなっていったりしていました。
現実逃避でしかないその行為を、生きるための術にしていました。
リストカットは痛いし、体に残ってしまうからやらなくなってしまいましたが、それと違って人にバレないのもあってしばらくずっと依存していました。
愛に依存できなくなったが故に、他にすがるものがほしかったのだと思います。
人と関わるのが怖くなって、結果選んだのはその道でした。
でも、少し前に急にやめました。
お金もかかるし、その日以降にも影響したりしていたので、気づいたらスッとやめていました。
バイトの日の前日にODして頭がまともに動かないまま仕事して迷惑かけたり、勉強もまともにできなくなったりもして、だんだんとおかしくなっていることをやっと実感したのかもしれません。
親には、リスカもODもとっくにバレていました。
リスカは、一度精神科に通院していたときに先生に言われました。
目立つからやめときなと言われました。
ODは、していた日の翌日に「うるさくて眠れないしお金もったいないからからやめて」と言われました。お金は自分のバイト代から出していましたが。
正直、やっぱり私の心配とかではないんだなと思いました。
そして、同時に結局心配して欲しかったんだと自覚して、自分に嫌悪感を覚えました。
迷惑かけて、お金もかけさせて、挙げ句の果てに学校にも通わなくなったような奴が、烏滸がましいことばっか考えているのが申し訳なくなって、耐えられなくなりました。
でも、やっぱり何回やっても死ねませんでした。
確実に死ねるようにすればよかったものを、結局やらなかった時点で、自分はその程度なんだなと思いました。
今になってまた、あの思考を乗っ取られる感覚が懐かしくて、切なくなっています。
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