第1章 覇魔家での生活
第1話 転生、そして再会
……という過去を、10歳の誕生日の次の日、つまり、今日!思い出してしまったのだ。
そして思い出してみた感想。
おっっっっっっも!!!
なんだこの重すぎる設定は。
香菜ちゃん可哀想すぎる!香菜ちゃんに謝れ!
で、紗蘭は紗蘭で兄が死んでる?で事故死。
人生重すぎじゃないか!!
と、考えてみると、今の人生ってものすごく幸せなのでは!?
お父様もお母様もお兄様も優しくて?裕福な家庭で?うちの家系は魔法が使えて?財力日本のトップ3には入る会社の社長が父?
最高じゃないか?
あの重々前世と対照的すぎるくらいには幸せだよ!やったね!!
そのうえ私には専属のメイドさんがいる。
まあ、1つ問題点は、今生の私“瑠璃音”は、今までわがまま放題だったことだ。
あの前世を思い出したらさすがにそれはできないけど……。
でも「どうした?熱でもある?」とか言われたらどうしよー……と今から心配だ。
いやいや!今までの私とかどうでもいい!今からはわがまま令嬢をやめる!よし!
「お父様、おはようございます」
「どうしたんだ瑠璃音?挨拶なんて珍しいな」
うう……やっぱりそうだよ案の定……!
「昨日読んだ本の主人公を見て、少し、挨拶してみようかと思いまして。」
「そうか……。珍しいとか言ってすまない」
「いえ、いいのです。それでは、朝食を摂ってまいります」
「あ、あぁ。
本にそこまで影響されるとは……不思議なものだな」
「お母様、おはようございます」
「瑠璃音……?今日、どうしちゃったの?おはようございますを言うなんて……」
「少し本を読みまして……。」
「あら、そうなの?珍しいわね。
朝食はダイニングテーブルにあるからはやく食べてらっしゃい。」
「ありがとうございますお母様。行ってまいります」
「行ってらっしゃい。
……変ねぇ。お父様にも伝えておこうかしら」
「おはようございますお兄様。」
「ん、おはようルリィ。」
お兄様は、驚かないみたいだ。あ、ルリィっていうのはお兄様がつけた私のあだな。
「……誰もいませんよね?」
「ああ。いつもの感じでいこう。」
「はい。
……聞いてお兄ちゃん!今日変な夢みたの!」
「どんな夢?」
そういって、私は転生前の出来事を全てお兄様もとい、お兄ちゃんに話した。
すると、お兄ちゃんはみるみる青ざめていった。
「紗蘭、死んだのか……?」
「え?」
「俺が死ぬ前、病院で、生きてろって、伝えたよな……」
「……ねえ、もしかしてお兄ちゃんは、
“お兄ちゃん”なの?」
そう問いかけると、お兄ちゃんは黙って頷いた。
「そっかぁ……お兄ちゃんはお兄ちゃんだったんだ……」
すると、ドアがキイ、と開いた。
「白亜様、お父様がお呼びです」
「そうか……。悪いなルリィ。ちょっと行ってくる。」
「う、うん……行ってらっしゃいお兄様」
そう言って、私達の“再会”は終了した。
人生2週目兄妹 あめだま @yokumoeruaitu
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