第2話、コンビニ定員の八村さん
私がお隣の坂本さんが出てこないことを気にして、
坂本さんの家の前にいると、
「すみません。警察です。
え?
混乱している私に警察が説明する。
「山田坂本さんが自宅から出てこないと、通報がありました。それも5件。一件目は体調不良だろうと見過ごしましたが、2件目、3件目と来るうちに、本当だと信じるしかなくなってしまって…」
悲しい顔をする警察が家の中に入ろうとしたとき、
「すみません。坂本さんがこの家から出てこない事って、あの事件と関係してるんですか?」
「…その可能性はないとも言い切れません。ですが、今日は、10/1。あの事件の犯人は出てこない日です。」
「確かに…」
私たちが話ているあの事件というのは、
『
という噓ともいわれている事件の事。
現在では童話ともいわれ、絵本にもなっている。
「はぁ。はぁ。はぁ。」
疲れた声とともにやってきたのは八村さんだ。
「どうしたんですか?!八村さん!八村さん!」
周りから人が集まってくる。
八村さんとは、コンビニ定員で、この町のアイドル的存在だ。
「ヴィランだ。ヴィランが来た!」
信じられない八村さんの言葉に人が離れていく。
「本当なんだ!信じてくれ!あっ」
八村さんが言葉を放った瞬間、八村さんが消えた。
しばらく沈黙が続いた。
「どういうことだ。
警察が数人で叫ぶ。
「わ、私取ってました!」
女性が言う。
「お、おれも!」
男性が言う。
「じゃあその動画を見せてください。」
「い、嫌だね。俺の動画だ。個人情報だ。訴えるぞ!」
「わ、私も嫌だ。個人情報だ!」
そうだそうだ!という声が少なくない。
どうすればいいんだ。ヴィラン。なぜ10月にこの町へ来た?
なぜ!教えてくれ!ヴィラン!
心の中で誰もが叫んだだろう。だが、
ヴィランがその真実を教えてくれる日はきっと一生来ないだろう。
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