第3話 価値

 世の中にはクソゲーなるスラングがある。


 クソなゲーム――略してクソゲー。

 まじでこれクソゲーだわ(アマゾン★1)……と、市民権を得ているこの俗称。

 だが、今一度世の中を俯瞰してみようと思う。

 世の中には、その価格に値しない「クソ」なものが溢れている。代表例でいえば「いわゆる情報商材」だ。明らかに価値と価格が合っていない。詐欺まがいのモノだけでなく、正規のルートで販売されたものでも価値と釣り合っていないものが溢れている。


 こんな曲買わなきゃよかった。

 こんな小説買わなきゃよかった。

 こんな映画観なきゃよかった。

 などなど――


 だが、それらに対していちいち「クソ」と卑下されているものがあるのだろうか。

 クソオン(クソな音楽・曲)

 クソモノ(クソな物語・小説)

 クソムー(クソなムービー)


 ない(あるかもしれないが、一般的ではない)

 クソが冠にあるのは「ゲーム」だけだ。

 確かに昔はクソゲーなるものは存在していた(……はず)。こんな大金はたいて購入したゲームが全然面白くない。せっかくお年玉をはたいて買ったのにぃぃぃ~(>_<)

 そんな苦い経験をした方も多いのではないだろうか。

 私は何度も枕を濡らした。

 だが、今は違う。ことゲームに関しては。グラフィックは極限まで磨き上げられ、プレイ時間は3,40時間は当たり前。何よりも製作費が映画の枠を超えて、AAAタイトルともなると●●億円規模になり、エンタメの極地をいっているからだ。

 そんなものがクソ、なわけがない。

 しかもゲームは再販価格制度でもないので中古市場が活発で、すぐに値段が下がり、お手頃に購入できたりする。


 こんな需要に優しい市場ほかにはない。

 ゲームに比べたら、他のエンタメはどうなんだ?


 例えば小説。基本的に価格は据え置き。今では単行本なんか物価上昇のあおりを受けて、2000円近い。正直なところ、小説はその価格に見合っていない。大人なカクヨムユーザーならば、商売において価格を上げることがどれほど大変か理解しているはず。

 モノの値段というのは簡単には上げられない。値段を上げるには、資源高騰といった大義名分があってもなかなか難しい。値上げする時は、なによりも付加価値が最優先される。じゃあ、付加価値って一体全体なんことだろうか。結構ふわふわしている言葉かと思うが、重要な点は付加価値というのは可視化されなければならない、ということだ。

 一般的によくあるものは――

①おまけ(代表例が、CDの握手券)

②ボリューム増量(物理的な量など)

③クオリティ向上(原料に良いものを使用、数値で示すなど)


 ぶっちゃけ小説って――どれにもあてはまっていないのでは?


 さてさて、だいぶ脱線したが話を戻すと――

①ファイナルファンタジー16を購入するには、PS5を購入する必要がある

②両方合わせて7万ちかい

③高い、でも欲しい

④衝動買いはしたくない

⑤他の消費状況を整理する必要がある


 よし。

 己の消費行動を振り返るとしよう。

 消費には大きく分けて二つある。

 必須なものと必須でないもの。

 必須なのものの代表例が「食費・水道光熱費など」

 必須でないものの代表例が「交際費・趣味・娯楽」

 昨今、ただでさえ食料や電気、ガス代が値上がりして家計を圧迫している。ここは削るどころか、ぐんぐんうなぎ上りでとどまることをしらない。小麦は上がるは、ガソリンは上がるは、おまけに半導体不足でPS5は値上がりときたからもう最悪だ。今は出口がさっぱり見えないけど、この物価の値上げはまだまだ続きそう……


 さて、再び話を元に戻す。

 PS5+FF16のために「必須でないものを削る、削らない」にわけることが重要だ。二兎を追う者は一兎をも得ずとは宇宙の真理。目標を達成するには、最優先以外は切り捨てる必要がある。そう思えば、商品・サービスを生み出す企業は日々競争にさらされていることになる。競合相手は何も同業他社だけではない。

 例えば(極端な例)――

①高級寿司がものすごく食べたい!

②高級寿司を食べた(^^)v

③今月は節約しよう

④じゃあ、今月は高い買い物は抑えよう

⑤高い買い物はしないので、不必要な買い物は控えよう

 とか。

 家計のパイが同じならば、どこかでなにかを削らなければならない。

 あらゆるエンタメがスマホにとられたように、今は同業他社との競争ではない世の中である。商品・サービスは他社を押しのけて消費者に選ばれるように付加価値、つまり魅力的でなければならない。


 さて――

 FF16をプレイするために何を削ろうか。


 音楽

 映画

 小説

 マンガ

 交際費

 レジャー

 買い物

 などなど


 私が真っ先に思い付くのはアレです。


 つづく――


 

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