ルビー王妃の陥落

 2年の間、次にオズモンドに完全に堕ちるのは、ルビーだった。思えば、軍人であったルビーには、オズモンドに感じ入るところがあったのだ。だが貞操観念がそれを邪魔して堕ちそうでなかなか堕ちない。このことに1つ面白い趣向を考えたオズモンドは、ずっと監視していたカルメルを捕まえて、帝都に連れて来させる。

「なっ何をする?ワシには、もう関わらぬのでは無かったのか?今更、約束を反故にするきか」

「何、もう我が帝国の支配は揺るがないものとなったのでな。どうだカルメル。ワシはお前の知謀を高く買っているのだ。お前がワシの臣下となり、忠を尽くすと言うのであればルビーを返してやろうと思ってな」

「それは、本当か」

「あぁ、俺は嘘は言わん」

「それもやむなしか。わかった。オズモンド皇帝陛下様に忠誠を誓おう」

「そうか。良かった。では、お前は、私の弟も同然だ。この王宮の一室でルビーと暮らすが良い」

「感謝致します」

「本当に私を解放するというのか?」

「あぁ、今までワシの下の処理をしてくれて感謝する。お前は、誠カルメルを裏切らなかったその貞操観念の強さを大切にせよ」

「感謝する」

 2人の背を見ながらオズモンドは、ほくそ笑む。自分のものと久々に帰ってきた元旦那のものを比べて、どう思うかと。これは、貞操観念の強い女を堕とすときの最終手段として、何度も使っているオズモンドの手口の一つであった。それに、カルメルほどの知謀のものがオズモンドに心から屈するなどあり得ない。必ずや逃げようと相談を持ちかけるだろう。それで逃げればルビーの貞操観念の強さは、本物。それゆえ、こういう女ほど、堕ちたとき全てを捧げようとする。

 数ヶ月、悟らせないように大人しくしていたカルメルは、ルビーに打ち明け、共に逃げようと話す。

「ルビー、今まで苦労をかけてすまない」

「カルメル、本当にカルメルなのね。無事で良かった」

「さぁ、ここから逃げよう」

「えっ?オズモンド皇帝陛下様に仕えるんじゃないの?」

「何を言っているんだい。ここから抜け出して、オズモンドに対抗する皆と力を合わせるんだ。僕はそんな活動をしているメンバーの1人なんだ。ルビー、君にも加わってもらいたいんだ。その前に、久々に君を見て、その下の方が」

「わかったわ。してあげるね(やっぱり小さい。オズモンド皇帝陛下様のは、口で含みきれないのに、カルメルのは、全て含んでもまだ余裕だ。こんなもので、これから先私は満足できるのか?なっ何を考えているのだ私は。せっかく大好きなカルメルとまた一緒なんだ。こんな雑念振り払わないと)」

「あぁ、やっぱり君が1番だ。さっ最高だ。もう我慢できない。入れるよ」

「えぇ(なんか引っかかる。君が1番?それって、私以外にも女がいるってことじゃない?私は、ずっとコイツのために操を立てて、オズモンド皇帝陛下様とは、処理するだけの関係で、後ろの穴だけ使ってもらっていたのに、コイツは、この粗末なのを他の女に入れてたわけ?どうして、私だけが我慢しなきゃならないのよ。もう頭来た。そうだ、コイツレジスタンスのメンバーなのよね。情報を引き出して、その情報をオズモンド皇帝陛下様に渡せば、また愛してくれるかもしれない。えっ私今なんて?この気持ちは、そっか、私の気持ちはとっくにオズモンド皇帝陛下様に傾いていたのね。今回でそれがはっきりとわかったわ。じゃあ、行動あるのみね。早く終わってくんないかしら。全然気持ちよくないのよね。オズモンド皇帝陛下様なら後ろでも気持ちよくしてくれるのに)」

「気持ち良かった。ハァハァハァ」

「ねーカルメル?」

「なんだいルビー?」

「一緒に逃げるなら、貴方が行動を共にしているメンバーについて知りたいな」

「あぁ、勿論だよ」

 その後、寝たカルメルを置いて、オズモンドの寝室へと向かうルビー。中から、ローズマリーとナデシコの声が聞こえてくる。

「あぁん。オズモンド皇帝陛下様。もうこのようなことおやめください。気持ち良すぎて堕ちてしまいます」

「ローズマリー様、意思を強く保ってください。こんな男に堕ちてはなりません。あぁん。きっきもち良い」

「2人とも、ワシを愛してくれるなら今よりもう一つ上の世界に連れて行ってやろう」

「まだ負けてません」

「その粋ですローズマリー様」

「まだ堕ちんか。良い良い。じっくりとなぁ。では戻って良いぞ」

「失礼します」

 2人が出てくるのを鉢合わせるのは気が引けたので隠れるルビー。

「ルビーよ。そこにおるのであろう。どうしたカルメルと喧嘩でもしたか?もうワシからお前に手を出さん。臣下の嫁に手を出すなどあってはならんからな。身構えずに入って参られよ」

「失礼する」

 ルビーは中に入ると扉に鍵を閉め服を脱ぎ跪く。

「オズモンド皇帝陛下様、私が間違っていました。私が真にお慕いしているのは、オズモンド皇帝陛下様だけです。どうか、その逞しいもので、私に子種をくださいませ」

「どっどうしたのだ?一体、話が見えんぞ」

「カルメルは、オズモンド皇帝陛下様の暗殺を企てています。密かにレジスタンスなどという組織が結成されていることをご存知ですか?」

「知っている。それとカルメルが手を組んでいると言うのか?」

「はい、証拠も押さえています。この情報で、私のことを愛してください」

「わかった。じゃが、それが真実とわかった時にしよう。今日は、服を着て帰るのじゃ」

「どうして?私は、こんなにオズモンド皇帝陛下様を愛しているのに。どうして?」

「ワシもルビーのことはもちろん今でも愛しておる。それゆえ、その件が嘘だった場合、ワシの心はズタボロとなろう。その件が真かどうか一日待ってくれんか?」

「わかりました」

 ルビーは、カラメルの部屋へと戻った。後日、ルビーの話を元に調べ上げ、レジスタンスのメンバーを全員捕まえ玉座の間に連れてきた。その場には、オズモンドの参謀となっていたカルメルもいた。

「(どうして、アイツらが捕まった?)」

「貴様らがレジスタンスとやらで間違いないか?」

「あぁ」

 それを聞くとオズモンドは、カルメルの方を向いて言ったのだ。

「お前の情報通りであったな。潜入ご苦労であったカルメルよ」

 カルメルは意味がわからなかったがここで怪しまれるわけにはいかない。

「皇帝陛下様の御心のままに賊を捕らえたまでのことです」

 その言葉を聞いたレジスタンスが一斉に言った。

「オズモンド皇帝陛下様、お聞きください。このレジスタンスを作ったのは、そこにいるカ」

 ズシャッと音がするとルビーにより斬られたレジスタンスの死体が転がる。

「このような男の戯言など聞く必要はありません」

「そうだな。して、呼んでもないのに来たのはどういう了見かな?」

「このルビー、オズモンド皇帝陛下様の剣となり、生涯の忠誠を誓います。付きましては、レジスタンスのボスを捕らえました」

「ほぅ、どこにも見当たらぬが」

「我が夫、カルメルこそがレジスタンスの首謀者なのです」

「なっなんじゃと?それは真か?」

「なっ何を言うのだルビー。ワシがレジスタンスの首謀などと」

「証拠はあるのか?」

「はい、こちらに」

 ほぅ。確かにこれは疑いようもない証拠であるな。者共、カルメルを捕らえよ。

「はっ」

「離せ。ルビー、貴様、その男の娼婦と成り果てたか」

「私は気付いただけよ。カルメルよりもオズモンド皇帝陛下様の方が男らしくて立派で誰よりも国民のために働いているってね」

「残念だカルメル。ワシは、本当にお前を信頼して、参謀に就けたのにな。そこで、ワシとルビーの愛のまぐわいを見ているが良い」

「やっとやっと貰えるのですね。オズモンド皇帝陛下様の愛を」

「あぁ、もう遠慮はせん。前を使わせてもらうぞルビーよ」

「どうぞ、私にオズモンド皇帝陛下様のお子を産ませてくださいませ」

 目の前でルビーとオズモンドの行為の一部始終を見せつけられながらカルメルは打ちひしがれていた。そして、ルビーの表情を見て確信した。ここ何ヶ月か。ルビーは、一度も満足していなかったのだと。そんな悍ましい行為のはずなのに、カルメルの粗末なそれは大きくなり、ドロドロと流れ出ていた。

「アハっ見てくださいオズモンド皇帝陛下様ぁ。妻が目の前で寝取られているのに、粗末なものからドロドロと出していますわ」

「ハハハハハ。それを見て、興奮しているのがわかるぞルビーよ。今日1番の濃いのを出してやる。その身で受け止めよ」

「あぁん。ください。オズモンド皇帝陛下様の愛を私にィィィィィィィィィィィィィィ。逝くゥゥゥゥゥゥゥ」

「何か言い残すことはあるかカルメルよ」

「、、、」

「そうか、ではルビーよ。トドメを刺してやれ」

「はーい。ごめんねカルメル。貴方と暮らした長い時間よりオズモンド皇帝陛下様との2年の方が幸せだったわ」

 ルビーは、カルメルの粗末なものを踏み潰し、男との尊厳を徹底的に破壊した後、喉を切り裂いたのである。カルメルと関わっていた女性全てを捕らえオズモンドは、研究施設送りにした。こうして、ルビーは、身も心もオズモンドのものとなったのである。

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