他の国も同様に落とされる

 レインクラウズクリア王国の陥落。それは、残りの5カ国に衝撃を走らせた。だが、そんな5カ国もオズモンド王国に攻められていたのだ。オズモンド王による6正面作戦が成功しているのには理由がある。全て内部の情報がオズモンドに筒抜けだったのだ。オズモンド王は、性豪であり、オークのように無尽蔵に種を仕込みまくった。それゆえ妾との子供だけで、20を超えていた。その妾の産んだ娘を言葉巧みに垂らしこみ、各国に送り込みスパイとして利用。それが5年前突如として、オズマリア王国が鎖国をやめ他国に擦り寄った経緯である。6カ国の後ろにあったオズマリア王国は、直接魔物の被害を受けていなかった。それゆえ、疲弊した国同士が対魔物で団結して、疎かになった時、こっそりと近づき、娘をスパイとして、送り込んだのである。それも使い捨ての駒として。全ては魔物の襲撃に恐れる各国を後ろから刺すためだ。人間の執着とは、かくも恐ろしいものか。今、また1つ滅びを迎える国がある。フラワーリーフ王国、自然豊かなこの国もまた、愚かな2世のせいで滅びを迎えていた。

「どうしてだ。君は、僕のことを好いていたのでは無いのか」

「あら、ダンデったらあんな口から出まかせを信じてらしたのね。全ては、お父様のためにこの国を手に入れるためよ」

「ダリア、僕はこんなにも君を愛しているのにどうして」

「ホント、ペラペラとこの国の機密情報を喋ってくれて感謝してるわよ。でもきちんと見返りもあげたじゃ無い。死ぬ前にいい夢見れたでしょ。だからもう早く死んでよ。ねー」

 突き刺したナイフに力を込めるダリア。

「うぐっ。わかったよ。僕も王族の端くれだ。それでも君を愛そう」

 ダリアを引き寄せると剣で貫いた。

「え、っ、ふ、ざ、け、ん、な、よ。こ、の」

「責任は取るさ。もうじき僕もあの世にいく。あの世で結ばれようじゃ無いか。今世では叶わなかっただけのことさ。ゴフッ」

 2人はまるで愛し合う2人のように抱きついたまま絶命した。

「あちゃーダリア様、死んじまってるじゃねぇか」

「気にすることはない。捨ておけ」

「良いんですかい?オズモンド様の娘なんでやしょう」

「花売りの妾に産ませた認知もしていないガキだそうだ。今回の任務が無事に終われば、今度は魔物に差し出す予定だったらしい。まぁそういう面では残念かもしれんが14人の娘を魔物に差し出し、停戦協定を結んだそうだから気にするな」

「成程、それで、6カ国同時侵攻ですかい。つくづく恐ろしい御方ですなオズモンド様は」

「本人の前でそんなこと言うんじゃねぇぞ。辺境に飛ばされちまうからよ」

「ヘイ」

 オズモンドは、イーリスを連れたまま。フラワーリーフ王国の王城に居た。

「イーリスよ。良い締まりであったわ」

 裸のイーリスが解放されるが息も絶え絶え朦朧としている感じだ。

「ハァハァ(ずっと入れたまま。フラワーリーフ王国だなんて、どんだけよ。気持ち悪い)」

「何故、このようなことをするのだオズモンド王よ」

「ファインにも似たようなことを言われたなぁ。連携の取れぬ連合軍など必要ない。ワシが統一すれば良いのだ。その力があるのだからな」

「自惚れが過ぎるのではないか。このフラワーリーフ王国の王であり、剣豪でもあるサンフラワーを舐めるなよ」

「フハハハハ。良いぞ。そうでなくてはな。ファインは、手応えが無さ過ぎてつまらなかったところだ。お前はせいぜい楽しませてくれよ。サンフラワー」

「(ファインが手応えのない相手だっただと。あの男も王族として民をすべる力を持った男であった。このオズモンドとやら、どんな力を持っているというのだ)」

「なんだ、どうした威勢だけか。サンフラワーよ。来ないのであればこちらから行くぞ」

 身構えるサンフラワーだがオズモンドの動きが全く見えない。

「なんだこの程度か?剣豪を名乗るなクズが。お前の妻も俺のものにさせてもらうぞ」

「ふざけるなオズモンド(なんだこの力は。押される)グワァーーー」

 力で押し負けたサンフラワーは、一刀の元、斬り捨てられた。

「この程度で剣豪とはな」

「(そんな、サンフラワー王がまるで赤子だなんて。ファインが敵わなかったわけね。カイル、貴方は、無事なの?母さんは、このザマよ)」

 奥の部屋にズカズカと入っていくオズモンド、そこにはサンフラワー王の2人の妻が居た。

「無礼者、誰の御前だと思っているのサンフラワー王は、何してるの?」

「そこに転がってる肉の塊のことか」

「ヒィー、ローズマリー様。どうしましょう」

「ナデシコ、落ち着きなさい。それでも王族の妻ですか。全く。それでオズモンド王は何がお望みなのかしら?」

「話がわかるようだなローズマリー王妃よ。無論、ワシの望みは、ローズマリーとナデシコ、お前たち2人をイーリスと同じようにワシの側妃にすることじゃ」

「そうですか。まぁ、それで民の命が救われるのなら良いでしょう。敗北者の責務です。ですがここにいる子供たちには手を出さないでくださいますか?」

「良いだろう。子供たちは、丁重に扱ってやろう」

「ナデシコ、わかりましたね」

「ローズマリー様、サンフラワー様を殺したこの男に媚びるなんて嫌です」

「そうしなければ、我が国民は、酷い扱いを受けるでしょう。イーリス王妃があのように付き従っているのが良い例です」

「全く聡い女だな。ローズマリーよ。良い。では2人とも脱げ」

「ここでですか?」

「そうだ」

「子供たちもいるんですよ?」

「何か問題があるのか?そうかそうか恥ずかしいのか。ではこうしてやろう。我が兵たちよ。子供達を捕らえろ。くれぐれも丁重になぁ」

「はっ」

 ゾロゾロと入ってきたオズマリア兵により子供達と引き離されるローズマリーとナデシコ。

「何をするのです。こんなこと」

「さぁ、邪魔者は居なくなった。脱げ」

「くっ」

 ローズマリーとナデシコは、一糸纏わぬ姿となる。それを全身舐め回すように見るオズモンド。

「ふむふむ。良い身体だ。流石は、サンフラワーが妻にしていただけのことはあるな。良し跪き、ワシのイチモツを舐めながら宣誓するのだ」

 ローズマリーとナデシコは跪き、言われた通りにする。

「ペロペロ。私、ローズマリーは、オズモンド様に忠誠を捧げます。どうか我が国民たちをお導きください」

「ペロペロ、私、ナデシコもオズモンド様に忠誠を捧げます。どうかお願いします」

「どうだ見ているか、フラワーリーフ王国の国民たちよ。貴様らの愛していた王妃は、ワシに仕えるそうだ。とんだ売国奴よな」

 この映像を見ていた各地のフラワーリーフの国民たちは抵抗をやめ、映像に映ったローズマリーとナデシコに卵をぶつけ、国を売った売国奴と罵った。こうして、フラワーリーフ王国も手中に収めたオズモンドは、次のデザート王国へと向かう。

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