Ⅱ
白鳥先輩のお勧めのレストランに着くと、白鳥先輩はお馴染みさんで、二人で席に着いたばかりなのに、ウエイトレスに注文をしていた。私はよくわからないので、同じものを、注文した。
「白鳥先輩、お洒落なお店ですね!」
「そうね、ここは感じのいい店ね料理も美味しいし」
と、周囲をそれとなく見回していたが、突然私に話し掛けてきた。
「常磐久子さん、貴方たち今年入社した四人は同じ大学の友達なんでしょ?」
「はい、そうですが」
「常磐さん、そんなに気を使わなくてもいいわよ、私は二流の短大から昨年入社したのだから、常磐さんたちは、四年制の国立大の卒業なのでしょ、年齢的には私より年上なのよね、しかも後五年もすると、貴方たちは、私の上司になるのよ!」
「あの~どうして私を誘ってくれたのですか?」
「別に意味は無いわよ、ただ、貴方に同じ匂いを感じたからかな」
「えっ、そんな! 私なんか安物の香水しか使ってないのに」
何故か、白鳥さんは軽く笑った。
「今度、いい香水屋を教えてあげるわそれよりも常磐さんたちは、何処の出身なの?」
「私は福岡県北九州市で、武田さんは山口県山口市で、吉田さんは、長野県松本市で鷲田さんは埼玉県さいたま市だったと思いますが。白鳥さんはどちらですか?」
「私は北海道の札幌市なのよ。みんなバラバラね」
「そうですね、白鳥さんは北海道の札幌市ですか、なんかイメージにぴったりですね」
等と、他愛もないことを喋りながら、昼食を食べ終わると、会社の事務室に二人とも戻った。そして馴れない事務に従事していると時間のたつのも早く、就業時間が終った。アパートに帰ろうと仕度をして、会社を出ようとしたら、後から声が掛かった。
「久子、一緒に帰ろうよ」
と武田庸子からだった。他の二人も一緒にいた。そうしたら吉田美智子が
「ねえ、ちょっと飲んでいかない?」
とみんなを誘った。
「そうしよう、そうしよう」
みんなが賛成をした。そこで四人は駅前にある居酒屋に入った。女三人よればなんとやらで、四人でお酒を飲みながら話すのだから、マシンガントークが凄くって、周りの他のお客さんに迷惑をかけた事だろうと思った。
とくに庸子は男っぽい性格で、笑うときも大きな声で、
「ガハハハ❗」
と笑うので、ちょっと恥ずかしかった。顔も男みたいな顔だったが、学生時代は以外ともてた。一緒に居ると愉しいからね。
美智子は、ぶりっこで直ぐに「いやーん」と言うのであった。どちらかと言うと幼い感じの顔をしているので、そうなったのかなと思った。
智子はお嬢様育ちで、
「ねぇ、みんな、誰か素敵な人がいた?」
と問いかけてきた。
庸子「まだ入社したばかりで、あんなに人数がいるから判らないわよ」
智子「噂話は聞いてるけどね、でもまだその人を見たことがないの」
美智子「どんな噂なの?」
智子「何でも、商品開発部の研究員の吉田さんって人が格好いいらしいわよ」
久子「あっ、その噂私も聞いたわ」
美智子「あ、ダメダメあの人は彼女がいるって話よ」
智子「そうなんだ~残念」
庸子「私が聞いたのは、経理部の小西さんって人でとってもイケメンらしいわ」
美智子「あっ、その話なら私も耳にしたわ」
久子「あの~営業部の
庸子「時任さんね、そうね彼もイカスわね」
智子「でも流石に化粧品会社ね綺麗な女性が多いわね、仲でも白鳥さんは綺麗ね」
美智子「そうね、彼女は女が見ても惚れ惚れするわね!」
庸子「でも、経理部の
智子「そうね、彼女も素敵だわね会社のNo.1と2ね」
久子「私その白鳥さんに今日お昼に誘われたから一緒に食事をしたの」
庸子「エー、本当にすごーい」
久子「近くで見ると、益々綺麗よ。でもね近くで見たから分かったんだけど、彼女はあんなに綺麗なのに、ちょっと化粧が濃いのよね、不思議ねあんなに化粧を濃くしなくても凄く美人なのにね~」
他の三人「へ~、そうなの不思議ね」
久子「何か訳があるのかもね」
等と、散々と飲み食いをした後、二時間ほど居酒屋で時間を潰すと、誰からともなく、帰ろうかと言い出した。みんなは割り勘をして、その店を出て、それぞれの家路についた。
そして入社してまだ三ヶ月というのに、会社で、私が騒動を起こしちゃった。
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