第四十二話
バレンタインデーの夜、
「一応、これも手作りです。
俺は箱の中から、ハート形のチョコレートを取り出した。少し割って食べてみると、甘さが
俺たちはチョコレートを食べながら、今後のことを話し合った。まず結婚したら佳奈さんは、この一軒家に住むこと。でも、仕事は
でもその前に、大きな問題があった。お
佳奈さんの話だと、佳奈さんのお父さんは
「大丈夫。ウチのお父さん、
でも俺は、気になった。佳奈さんはご両親に俺のことを、何と説明したのか。すると、『
「えー、もうちょっと性格とか、ちゃんと説明してくださいよー!」
なので俺は、『佳奈さんは
だがやはり、そんな大事な土曜日を控えて俺は緊張していた。緊張しすぎてテンパって、『どれくらい大きな雪だるまを作れるか、チャレンジしてみた』という
まずは直径一メートルの雪玉の上に直径五十センチの雪玉を
いやいや、直径二メートルの雪玉って無理だろ、どう考えても! 更にその上に直径一メートルの雪玉の雪玉を載せるのも無理だろ! という訳で直径五十センチの雪玉の上に直径二十五センチの一回り小さな雪だるまを作った。そして、『
そして、土曜日になった。まず佳奈さんのご両親が、タクシーで一軒家まできた。佳奈さんのお父さんは、佳奈さんから聞いていた通り、厳しそうな人だった。俺は「初めまして、
そして少しすると今度は、俺の両親がやってきた。いつも陽気な父親は、その時も陽気だった。
「よう、健一郎、久しぶり。会社を辞めて長野県で暮らすと聞いた時はびっくりしたが、元気そうだな」
お互いの両親を紹介し終わると俺は、一軒家の中を案内した。俺の父親にキッチンのかまどを見せると、「おー、これがかまどか、初めて見た。これをお前が作って、これでご飯を
「ほんと、初めて見たわ。健一郎、あんたなかなかやるわね」
「これで一度、ご飯を炊いてみたいわ」
それから俺の父親は、ドラム
「おー、こりゃすげえ。あとで入らせてくれ、健一郎」
佳奈さんのお父さんは、「ふん。一応、人は生活できるようだな。
それから俺はニワトリ小屋のニワトリと卵を使って、
「
「
「お店で食べる、親子丼みたい」と、
「ふん。私は、気に入らんな。なぜなら、
すると佳奈さんのお母さんが、たしなめた。
「ちょっと、お父さん!」
でも佳奈さんのお父さんは、言ってくれた。
「この親子丼は、気に入らん。だが健一郎君、君のことは気に入った。一人でこんな一軒家を建てて暮らすなんて、なかなか出来るもんじゃない。佳奈は小さい頃はおてんばだったが、大切に育ててきた。だから君も佳奈のことを、大切にしてくれ」と頭を下げた。俺も、「はい。約束します」と頭を下げた。
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